眞白井エイドです。
普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。

さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。
今回は、第15期・16期パイオニア神に就任、そして2025年3月30・31日(日本時間)にエクスプローラー(現MTGAパイオニア)にて開催されたMTGアリーナ最高峰の競技大会・Arena Championship 8(以下、AC8)に参戦された、齋藤慎也さんにお話を伺いました。
惜しくも第17期パイオニア神決定戦(以下、17期パイオニア神)では、前回インタビューさせていただいた宇都宮巧さんに神の座を譲ることとなったものの、2017年のスーパーサンデーシリーズ・チャンピオンシップ2017優勝、2023年のArena Championship 4 優勝と、数々の大型大会で優勝を飾ってきた「巧者」のお一人。
そして神決定戦シリーズ自体の初回・第1回スタンダード神でのTop8入賞以降、数々の神挑戦者決定戦でTop8に入賞されている、神決定戦シリーズと縁深い方でもあります。
今回はデッキのお話よりも、そんな齋藤さんのバックグラウンドや、参加された2つのイベントの感想・競技MtGへの想いにフォーカスさせていただきました。
前編では齋藤さんのバックグラウンド、そして齋藤さんが第1回から参戦されている「神決定戦」シリーズへの想い、中編では第16期・17期パイオニア神防衛戦での使用デッキ「ゴルガリ・フード」、そして防衛戦への想いについてお伺いしました。


最後となる後編の今回は、17期パイオニア神防衛戦後に挑まれたArena Championship 8 (以下、AC8)の調整録と、パイオニアへの想い、そして競技MtGへの想いについて伺いました!
それでは、インタビュー本編をどうぞ!
Arena Championshipsについて

それでは神決定戦後のAC8についてお伺いしたいのですが…まず先に、Arena Championshipsという大会について解説出来たらなと。

2022年から始まったMTGAでの競技制度(プレミア・プレイ)の最高到達点に当たる大会で、
おおよそ4か月に1回の間隔で開催されています。
参加出来るのは2日間にわたる「予選ウィークエンド」を勝ち抜いた一部のプレイヤーのみであり、「予選ウィークエンド」への参加もランク戦上位入賞やアリーナ・オープン、予選プレイインといった競技イベントで好成績を残すことが必要です。

そして、ACの優勝者・準優勝者にはテーブルトップの地域チャンピオンシップと同様、世界選手権への出場権が与えられ、Top16にもプロツアーへの招待が送られるという、デジタルとテーブルトップを繋ぐ大会でもあります。

AC6までは32人限定の大会で、AC7から参加人数の上限がなくなったんですよね。
それでAC6までのころは、MTGAでの予選ウィークエンドで2日目7勝すると確定で進出なのですが、ただ7勝できる人が32人も存在しないので……。
ひどいとき月に1人しかいなかったですからね。恐ろしい大会です。

けっこう狭き門ですよね。

僕がAC4・5で出たときは7勝できた人が10人前後しかいなくて、それ以外は6勝以下の人から補填されるんですよね。過去挑戦も含めた2日目の勝利数合計の上位の人が呼ばれます。
僕も初日抜けあまりできていなくて……2日目の通算勝利数と言われても全然やれていないと思っていたんですが、実は2日目6勝・5勝が抜けるようになっていて。
なので自分もAC4・5も5勝で抜けています。

そうなんですね!

なのでAC4で初めて2日目に出て5勝したときに、「あとちょっとだったのに負けたわ~!!」とキレながらTwitterに投稿したら、Robertとゆうやん※から「抜け確定やで!おめでとう!」とメンションが来て。それがAC4の優勝に繋がりました(笑)
※Robert Taylor氏。fireshoesの名でも知られており、MtGを代表する発信者の1人。ゆうやん氏については中編参照。

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なのでAC4のアンケートでも同じ話を書きましたね。5勝でびっくりしたっていう。

そんな裏話があったとは…

AC7からは初日7-1でなくても7-2でも抜けられるようになったのと、2日目が6勝で抜けの代わりに、昔の補填制度が無くなって、5勝でも抜けなくなりました。
なのでAC8の時に2日目初めて6勝したんですよね。今までの成績では出られていませんでした(笑)

齋藤さんはAC4・5とAC8と、形の違うACにそれぞれ出られているわけなんですが、難易度というか緊張感というか……そのあたりは変わりましたか?

予選はあまり気にしていないんですが、2日目6勝になったのは下手したらキツくなっているかなとは思いました。※
あと本戦については、AC6までは人数固定だったのでドラフトがあったんですよね。
※2025年5月分の予選ウィークエンドから2日目4勝で権利獲得に緩和された。

あ~!

制度上仕方ないことではあるんですが、僕はドラフト大好きでそれなりに自信もあるので残念ですね。
実際構築フォーマットで予選を抜けてきた方だと、ドラフトは全然やったことない……みたいな人もいて、差をつけやすい部分ではあったので(笑)

あとこれは勘違いされるので言っておきたいんですが、優勝しても次回招待されません。

過酷度高くないですか???

優勝しても世界選手権の招待と賞金しかないですし、AC6までは予選ウィークエンド2日目を7勝で抜けてきた人にしかPT権利がなく、本戦の成績は関係ありませんでした。
せめて本戦の16位くらいまではPT権利が欲しかったんですが……。
なので、AC4の後にAC5に出られたのは、予選ウィークエンドをやっていたら抜けただけです(笑)

2回出ている方はそこそこの人数いるはずなんですが、みんな複数回予選突破しているだけです。
3回出ているのは自分以外にいるかわかりませんが、おそらく世界最多です(笑)

デジタルはあまり好きではないとは前編でおっしゃっていましたが……「アリーナの王」と名乗れてしまうのも納得の戦績です……!
AC8について

ではAC8のお話に移りたいんですが、今回のAC8はスケジュールが非常に過酷だったと聞いていて……。

日程が発表されたのが本番の2週間前でしたね。

そんな中で、普段とやり方を変えた部分や、マインドセットで変えた部分があればお伺いしたいです。

フォーマットがエクスプローラー(現MTGAパイオニア)と、50人のうちでは自分はやっている方だろうというフォーマットだったのは幸いだったんですが、リスト提出までは10日までしかなかったので。

ワ・・・!!!

みんなキレていましたからね(笑)
参加者サーバーでも、「娘が生まれる予定なんだけど奥さんに頑張ってもらうよ(笑)」とか。
「3月後半にバケーションを取ってたのに」とか。
実際2人くらい出られなかったんじゃないですかね。流石に次回に招待されていると思いますけど……。

悲鳴があちらこちらで……。
デッキ選択について

デッキ選択としても、これだけ時間がないとおおむね【ラクドス・デーモン】みたいな安定の選択になってしまいそうだなーと。

前にも触れられていた、地力があるデッキですね。

もちろん自信をもって選択できていればいいんですが、消極的な理由……結局他のデッキはよくわからないから……みたいな感じで選択するのはできれば避けたいなと。
なので【ラクドス・デーモン】を保険としつつ、とりあえずは色々回してみることにしました。

【ラクドス・デーモン】以外で特に注目していたのは【ディミーア・バウンス】と赤系のアグロで、その3つを軸としつつ、MTG Goldfish※の上から10個は考えておくか、みたいな感じで【イゼット・フェニックス】とか、パルヘリオン系、【ジャンド・サクリファイス】とかも触りました。あと【ゴルガリ・フード】も一応試しておくか、と。
※MTGデッキリスト集計サイト。

あとは【奇怪な具現】は結構触りましたね。
やっているうちに【ラクドス・デーモン】があまりにも強いので、逆にそこにちゃんと勝てるならアリだとなって、それなりにやっていました。
日本人のmusasabiさん※がめちゃくちゃ勝っていたのもありましたし。
※著名なMOプレイヤーの1人。3月に連続して奇怪な具現デッキでPioneer Challengeを優勝していた。

ただ、自分で回してもあまりうまく扱えなかったのと、《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》入りの赤単が流行り始めたのもあって断念しました。
本当に立ち位置がいいくらいに勝てないと、プレイが慣れていないと不安というのもありました。リスト提出後に3日くらい練習時間はあったんですが…。

マインドセットの点でいうと意識したのは、リスト提出が月曜の深夜だったので、日曜くらいにはデッキを決めて月曜にサイド調整ぐらいにしようとはチームメイトと話していました。
リストを出す段階でプレイにある程度自信がある状態じゃないと選択したくないので、不慣れなデッキはよほどいい勝率が出ない限りやめておこうという感じにはなっていました。

かなり選択と集中を意識されていたんですね。

1年前のAC5も同じエクスプローラーでしたが、当時は【ラクドス・ヴァンパイア】※1全盛期で、それに対して強い【クイントリウス・コンボ】※2を持ち込んだ方が準優勝しているので、【ラクドス・デーモン】が大量にいるならそういうデッキは候補だな、くらい。
実際、途中でRizerさん※3が【クイントリウス・コンボ】を使われていて、好きそうだな~というのは思いました。
チーム内でも【クイントリウス・コンボ】を使いたがっている人はいたんですが、【ラクドス・デーモン】を使ったらデッキが強すぎる!って乗り換えて。
※1:《傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlord》から《血管切り裂き魔/Vein Ripper》を 3ターン目に着地させる動きを備えたミッドレンジ系のラクドスカラーデッキ。「プロツアー・カルロフ亭殺人事件」でChannel Fireballチームが開発し、見事プロツアー優勝を果たしたことで大流行。《傲慢な血王、ソリン/Sorin, Imperious Bloodlord》の禁止で姿を消した。
※2《クイントリウス・カンド/Quintorius Kand》のマイナス能力からPWをコピーできるいわゆる「クローン」クリーチャーを戦場に出し、コピーし手マイナス能力の起動を続けることで、《クイントリウス・カンド/Quintorius Kand》の常在型能力でのライフドレインでの勝利を狙うコンボデッキ。
※3:石村信太朗氏の通称。長年競技プレイに取り組んでいるプレイヤーの1人であり、 「専用機」と呼ばれる独自構築のデッキを用いることで有名。またパイオニアのMOイベント結果の発信もしている。
調整チームについて

今回の調整チームについて伺うのが遅くなってしまったのですが、今回はMSDのみなさんでやられたんでしょうか?

今回は別チームでやりました。
MSDには軽い相談はしたんですが、ACの日本人参加者4人でやりました。
予選ウィークエンドで一番最初にqtaro※が抜けていて、自分がその次の月で抜けて。
その時にもう一緒にやりましょうと連絡が来たし、仲がいいのもあって当然やると思っていたので組みました。
※矢田和樹氏のハンドルネーム。プロチーム「BIGs」に所属しており、齋藤さんと同時期に競技プレイに取り組み始めたプレイヤーの1人。グランプリトップ8入賞複数回の他、第20期リミテッド神にも就任している。

あとはテツ※1とくろき君※2…近藤くん。
テツは僕の次くらいに抜けて、そこで声をかけました。
くろき君は、AC5の時に参加者ではなかったんですがお手伝いしてもらった縁もあって声をかけて。早く声はかけたかったんですが、スケジュールの公開が遅くて……予定が出てから急いで声をかけていました。くろき君も練習相手を発表直後に探していたので。
※1:川口哲氏の通称。MO・MTGAを中心に競技プレイに取り組んでいるプレイヤーであり、スタンダードオープンのプロフィールで出身地に「Magic Online」と書くほど。
※2:MTGAを中心に競技プレイに精力的に取り組んでいるプレイヤーの1人。ヒストリック、アルケミーなどのMTGA限定フォーマットのプレイ経験も多い。

Rizerさんにも声をかけたんですが、変わったデッキを一人で調整される方なので、チームでやるメリットよりもデメリットが大きそうだなと思っていましたし、ご本人からも人数多めでやる感じであれば遠慮させてもらいます、と返事をもらいました。

それでフォーマットが決まって、10日しかないぞ!で分担してって感じでしょうか。

分担というほどしていなかったかもしれませんが……僕とqtaroがデッキの好きな傾向が似ているので、おおむねデーモンだろうと。
【奇怪な具現】をqtaroが結構回してくれて、良い感じにはなりましたが先ほどの理由もあって諦めました。

くろき君はずっと【ディミーア・バウンス】と【ディミーア忍者】を気に入って、直前まで【ディミーア・バウンス】を使おうとしていたんですが、環境の変化で感触が悪くなってしまったので、デーモンに強いのもあって【ディミーア忍者】にしていました。
【赤単アグロ】がキツそうとのことで僕もそのイメージでしたが、実際にダイレクトマッチで練習したところ、忍者側も先手の爆発力はすごいし、サイド後の《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》がキツくて赤単側も全然負けるなと。
総じて先手有利くらいじゃないか?という感じになりました。

なので最終的には3人【ラクドス・デーモン】で、くろきくんだけ【ディミーア忍者】でした。

それでいうと一番苦労したのはテツで、彼は元々【ロータス・コンボ】とかしか使わなくて…。

あ~……今は辛いポジションのデッキですね。

アグロには《九つの命/Nine Lives》で勝てると言っていたんですが、《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》入りの赤単が流行り出してもう終わりだとなって……。
【クイントリウス・コンボ】も検討したんですが、【ラクドス・デーモン】を回したら強すぎたので彼もデーモンになりました。

後は【赤単アグロ】も悩みましたね。komattaman※がChallengeで土地24で勝ってしまったとき、
こちらも土地を多くする調整をしていたので、強いやつは同じことを考えるな~と思っていました。
※過去に巧者に訊くでインタビューをした「こま」氏のMOでのハンドルネーム。

ただ、デーモンに有利という話はありつつもチーム調整では有利ではないという結論になって。
アレンジした部分の《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》採用が大きかったです。
デッキリストについて


メイン《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》採用は対赤単の採用だったんですね!

《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》は月曜日の最後に出てきたカードでした。
これはミラー意識ですね。

ミラーマッチは3マナのパーマネントが強すぎて、それをどっちが先に安定して着地できるかというゲームなんですが、その9枚目として《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》どうだろう?となって。
一般的には《絶望招来/Invoke Despair》がサイド後に入るんですが、qtaroが《絶望招来/Invoke Despair》のミラー性能を疑問視していたんですよね。

《絶望招来/Invoke Despair》はミラーで撃った方が勝つカードみたいな印象がありますが……。

《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》が入ってくるとより弱いんですよね、《絶望招来/Invoke Despair》。
あとは《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger》を入れている人もいたのですが……【ラクドス・デーモン】って《逸失への恐怖/Fear of Missing Out》が入ってから強くなったと思っているんですが、《絶望招来/Invoke Despair》があると動きがちぐはぐになってしまうんですよね。
手札に除去と土地と《絶望招来/Invoke Despair》がある時に、ルーティングをどうするの?みたいな。

あ~。それはたしかに。

それでいうと《死の飢えのタイタン、クロクサ/Kroxa, Titan of Death’s Hunger》は、
捨てる分は噛み合うんですが、(脱出が)昂揚ギミックと噛み合わないので……。
《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》は黒単デーモンの時代に《アクロゾズの放血者/Bloodletter of Aclazotz》とのコンボと一緒に入っていましたが※、その後抜けていったカードで。いつの間にかいなくなっていましたね。
※当時の黒単デーモンについては、小笠原さんの「巧者に訊く」に詳しいですよ!

そういう歴史があるので微妙なカードなのかなと思っていたんですが、使ってみたらミラーで普通に強くて。

《塔の点火/Torch the Tower》もそんな都合よく当たらないですしね。

デッキに1~2枚ですしね。

個人的に良いなと思った点なんですが、《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》が強すぎるんですけど、相手にだけ《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》を貼られた時の勝ち筋として、相手のデーモンを全て除去して自滅させるというのがあって。
《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》を絡めると発生したんですね。

初期は《萎縮させる責め苦/Withering Torment》とかで破壊しに行っていたんですが、
部屋に倒してもらうというのがあるな、とやっていると思っていて、《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》はそれに絡んでくれるんですよね。

半分+2点なのですごい勢いで減りますよね。

なのでみんな75枚に2枚は採用しました。qtaroだけサイド2枚にしたくらいかな。
あまりに採用が直前で、【赤単】や【アゾリウス・コントロール】に強いのか?みたいなのが分からなかったので……。

【赤単アグロ】には後手には抜いてたかな。
3ターン目にブロッカーとして出した返しにちょうど《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》がひっくり返るのがヤバすぎて。

あ~、裏面の《熊野の食刻/Etching of Kumano》には死亡時追放効果がありましたね。
あとはコントロール寄りの動きで勝負したい相手なので殴りにくいですし。

それでもないよりはいいかなということで僕は先手は残す寄りなんですが、それは人によって違うかもしれません。
反省点としては、《絶望招来/Invoke Despair》を減らして《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse》追加だったかもですね。ミラーと赤単をかなり重視したので。

ちょっとそれ以外にガードが下がってしまったみたいな。

《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》がいるので、【イゼット・フェニックス】はそこまでではないんですが、【パルヘリオン・シュート】系はちょっとガードが下がっていたかもしれなくて。
ただそのマッチについては相手がどこまでデッキが回るかもあるので。僕は回られてしまいましたが……。

僕は(赤単に)当たらず負けてしまいましたが、残りの2人は上位に行ってくれましたし。
くろき君が赤単に当たりまくって負けていたのが残念でしたね……。

そうなると、AC8に向けての完成度は短期間ながらも高められた感じですかね?

メタゲーム出そろったときに、とんでもないデッキは見当たらなかったし、リストを見た感じも自分たちのリストが一番良いという自信はありました。
AC4の時もそんな感じで、チーム内の優勝も全然あるぞと。

当時のチームメイトの全6のジョンさんがnote書かれていたときですね。

今回はそこまでではないにしろ、悪くないなみたいな感じで。
ただ、qtaroが最後に赤単に負けてしまって、上位を赤単に独占されてしまったのは無念ですね……。
【赤単アグロ】も使用候補だったんですが、土地21~22枚はかなり疑問視していたので、せめて24枚のリストに優勝してほしかったですね(笑)

それでいうと、《沼/Swamp》4枚は《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》対策として調整しましたね。


たしかに《沼/Swamp》4枚は(通常リストと比較して)多いですね。

最初はそんな変わるか?と思っていたんですけど、練習中に【赤単アグロ】側で回していて、確かに相手の場に1枚《沼/Swamp》があるだけでもちょっと嫌な気分になって、2枚以上あるとかなり影響があるなと感じたので、この枚数になりました。

マナカーブ通りに4マナで出る際には、確かに影響大きそうですね!

僕は《見捨てられたぬかるみ、竹沼/Takenuma, Abandoned Mire》が気に入って使っていたんですが、qtaroの発案で沼に変えて、実際よかったなと思えた部分です。
他には《覆いを割く者、ナーセット/Narset, Parter of Veils》対策もかねてサイドに《長い別れ/Long Goodbye》を採用していたりと、【赤単アグロ】はかなり意識した構成にしていたので、対赤単戦はかなり自信がありました。

今回Seth ManfieldやPaul Cheonといった強豪プレイヤーが【イゼット・フェニックス】を選択していましたが、【ラクドス・デーモン】からすると嫌な相手で、【赤単アグロ】からだと当たりたいデッキなので、強いプレイヤーが持ってきたデッキに強かったというのは、赤単が伸びた理由にあるかもしれないですね。

それは難しいですね~……運も絡むところですが。

イゼット・フェニックス自体《美術家の才能/Artist’s Talent》で強くなってはいますがMOにそこまでいなくて、それは赤単が出てきたせいだろうと。
なので練習期間中も我々は諦めました。プレイも難しいですし……。

《美術家の才能/Artist’s Talent》の代償ですね。

立ち位置良くて使わなきゃいけなくなったら、練習嫌だなと思っていました(笑)
齋藤さんチームの調整からの教え

いま伺った調整の話がとても興味深いと思いまして、いわゆる「MOのパイオニアが同じリストばかり問題」が現代パイオニアの大きな課題だと思っていて、AC8に向けた調整の中で齋藤さんたちはこれまでにない【ラクドス・デーモン】を開発されたわけですが、そういう発見の過程って、やりがいや楽しさってありましたか?

世間のリストと違う調整がハマったらやっぱり楽しいですよね。
《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》や《沼/Swamp》の調整は、金曜日時点で気づいて納得した状態でやれてよかったです。

《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》は直前すぎて……これは月曜の朝にテツが言ってきて。
テツはこういうデッキを回し慣れていないので、彼の友人がRCでラクドス・デーモンでTop8に入っていて、その人のリストが《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》4枚入っていたんですよ。
それで多分使いたかった感じで、「良さそうだと思うんですけどどうですか…?」みたいな。

……アマハラさんだなそのリスト。

基本的には、自分とqtaroがこういうデッキに慣れていて、テツからはあまり意見を反映できていなかったんですけど、《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》は確かに昔も使われていたし、カード自体もパワーがあるから試してもいいかなと自分たちもなったので、どうだろうと思いつつも試して、2~3ゲームでアリかもと思った感じでした。
なので採用して、何減らそう…となりました。

逆の悩みが(笑)

でも自分とqtaroだったら、廃れた過去を知っているからこそ、発想として出てこなかったかもしれないですね。
あとはゴルガリ・フードに《浚渫機の洞察/Dredger’s Insight》を採用したのと同じような理由で、最悪これで失敗しても入っていた方が面白い、なんかチーム調整感出るしいいか、という思いはありました(笑)

なんか不思議なワードが出てきましたが(笑)

思い出として(笑) 僕はカード資産とか、ゲーム外の要素も枚数に反映させる人間なので。
絶対に4枚必要なものを減らすみたいなことはしないんですが、悩んでいる枚数の所は決められないなら買うの面倒だからこの枚数でいいか、みたいなことはします。
それこそ第15期の神挑戦者になった時の《立身+出世/Claim+Fame》も家で見つけた枚数で。

たしかに3枚でしたね(笑)
[

《立身+出世/Claim+Fame》も枚数が人によって違っていたので、いいかな。みたいな。

ただ、《槌手/Hammerhand》を入れていたんですが、あれすらブルームバロウの似たカードの《戦の囀り/War Squeak》にしていて。
最初は探すのが面倒でそれにしていたんですが、そのカードは自分のクリーチャーを対象に取れないと言われて。
雄姿に影響するからそのカードを使うのはヤバいと言われて、それはその通りだと家で《槌手/Hammerhand》を発掘して持っていきました。
MTGAだと逆にそういうのがないので、所持枚数を理由に出来ないので難しいですね。

妥協が許されないですからね。
MtGデジタル競技について

ちょっとセンシティブな話題になるかもしれないんですが、MtGデジタル競技はかなり日本語の情報やサポートが少なくて、光の当たりにくい部分も大きいのかと思っています。
これまでACに3回参加されていた齋藤さんから、デジタル競技者の当事者目線として、今後こうなってほしい、あるいはプレイヤーにここ注目してくれ!というのがあればお伺いしたいです。

単純にACをもうちょっと見てほしいですよね。MOCSとかのデジタルの大きなやつも……。

MOCSはこないだ市川さんが優勝されてちょっと話題になりましたが。

自分ですら、出ない回のACやMOCSがいつあるの?という感じなので……。
実際、MOCSも日本人出ないなら見ないですし。
ただ、ACは日本アカウントからもっと発信してほしいなとは思いますね。
日本人かなり出ていますし。

自分もnanoさん※優勝したときのnoteも、もっと拡散されていいんじゃない!?と思ったりしていました。
※佐藤啓輔氏のMOなどのアカウント名。元MPLで、AC7でグルール・アグロで優勝を飾ったプレイヤー。

8回中3回日本人が優勝しているのに。
日本語の放送とかは難しいと思うんですが、宣伝はもうちょっとしてもらえたらうれしいですね。

自分もAC8がエクスプローラーだったのを盛り上げたかったんですが、活動縮小が重なってしまって……※
自分みたいなフォーマット専の発信者側から盛り上げるのも今後やっていきたいなと、少なくとも自分はやりたいなと思いましたし、今回お話伺っていて、AC8の裏話もとても面白かったですし、作られたリストも発想外のものだったので、もっとスポットライトを当てていきたいなと思いました。この記事もその一助になっていればいいなと。
※AC8当時、眞白井は持病の悪化で配信活動を休止していた。

僕も今回、こういう形式の記事にしてもらってありがたかったです。
発信したいと思いつつ、僕は記事を書くのが苦手で……スーパーサンデーの時から後悔しているので。

自分の課題としても感じている点、もっとやりたいなと思っている点なんですが、色々なエピソードや思いを抱えていても、文章が苦手とか時間がないとか、埋もれてしまっている巧者の方のお話って多いと思っていて。

有志からもそういう話を掘り下げていけたらなと思いましたし、それこそ今回のインタビューっていってしまえば敗者側の方へのインタビューなので、自分としても「いいのかな」というという気持ちもあって。
ただゴルガリ・フードの話や、ずっと競技に挑戦されているところからどうしてもお話を伺いたくてお話持ちかけたのですが。
言い方が悪いかもしれませんが、溜め込んでいる側にグイグイ行って引き出していくのも必要だなと感じました。
巧者に訊くの存在意義を考える機会となって、大変ありがたかったです!

僕も本当にありがたかったです。

それならよかったです!

僕、本当にnote書くのが苦手なんですが、「箇条書きから記事にするよ!」って言ってくださる人もときどきありがたいことにいるんですよね。
なのでインタビュー形式や箇条書きから全部書いていただけるのはは本当にありがたいです。

それならば、もし今後タイトル取られたら、パイオニアじゃなくてもインタビューしに行きます!
パイオニアに挑んだ初春の感想、そしてパイオニアへの想い

結果として惜しいものが続いてしまったことかと思うのですが、パイオニアに注力されていたこの2~3月の期間、いかがでしたか?

これまで言った通りの感じではあるんですが、AC8の10日間は4人で世界一エクスプローラーをやったと思います。その期間は楽しかったですね。
結果がもう少しついてきてほしかったというか、全員抜けるかqtaroとテツのどちらかが世界選手権に行ってほしかったですが……プロツアー権利は取ってくれたので。
僕も権利はないですがラスベガスに行くことにしたので、そこでサイドイベントで権利取れたらなと。

PTのサイドイベントも色々豪華ですからね!がんばってください!

ぶっちゃけお伺いしたいんですが……齋藤さんにとってパイオニアはどんなフォーマットですか?

神決定戦の時も振られてちょっと悩むんですが、個人的な話で言うと、始めた時期とカードプールが重なっているので、ちょっと懐かしい顔にたまに会えるみたいな。
全く知らないカードがあまり出てこないですし、急に使われるようになったカードが「お、アレじゃん」というのがあったりして、そういうところは思い出深いですね。

競技フォーマットとしての目線だとどうでしょうか。

それでいうと……僕、ピッチスペルがめちゃくちゃ嫌いなんです。

おお。

フルタップの時に何かを考えなきゃいけないのが嫌いなので、それがあるフォーマットと無いフォーマットではかなり差があるなと。

やはりコンバットが好きな齋藤さんとしては、「フルタップだ!いけるぞ!」みたいな(笑)

僕はMtGのバランス感が好きで、相手ターンに何もできないのは嫌なんですけど、あまりに考えることが多いのも好きじゃないんですね。
将棋的な部分と運の要素の部分と、色々なゲームでバランスがあると思うんですけど、MtGだとスタンダードやパイオニアくらいのバランスは好きだなと。

僕は将棋をやっていたんですけど、将棋にも「指運」はあるものの、基本はほぼ実力勝負で。

完全情報ゲーム※というやつですね。
※ゲームの類型分類の1つで、プレイヤーに全ての情報が公開された状態でプレイするゲームを指す。 MtGは手札や山札といったプレイヤーに見えない領域があるため、「不完全情報ゲーム」になる。

それになり過ぎると嫌なんですよね。勝てないから(笑)

良さそうな選択をふんわり取っていたらちゃんと勝たせてくれるゲームが好きなので、MtGは性に合っているなと思います。
MtGって、プレイヤーは最終盤面まで具体的に想定して毎ターンやっているわけじゃないと思うんですよね。
直近の最善行動を積み重ねていくわけで、それで勝たせてくれるのはゲームの設計が優秀だからだと思っています。

もちろん特殊な勝利条件を目指すコンボデッキなんかは、最初から終盤まで想定することもあるかなとは思います。
そういったものも多様なデッキの一つとしては面白いと思うけれど、もしそればっかりになってしまったら個人的には息苦しいな…と(笑)
なので、自分のゲーム観だとMtGのスタンダードやパイオニアはちょうどいいですね。

MtGの沼って下環境に広がっているという印象があったのですが、齋藤さんはちょっと視点が異なったのでなるほどなとなっています。

僕の好きなデッキタイプがあまり死滅しないので。あとは最悪ドラフトがありますし(笑)

それでは……今後もパイオニア神には挑戦していただけるのでしょうか?

それはもちろん。何ならすぐにでも戻りたいので。

復権、お待ちしております!

今後も競技イベントには挑戦されていくと思うのですが、直近でご予定はありますか?

CCFのラストチャンスですね。3月のエリア予選をAC8のせいですべてキャンセルしたので……チームで3人揃ってラストチャンスに行きます(笑)

3人とも抜けていただきたい気持ちで満ち溢れています……! 頑張ってください!
インタビュー後日、ラストチャンストライアルで齋藤さんは見事権利を獲得!
チャンピオンズカップファイナル本戦も二日目まで抜けられたものの、惜しくも19位という結果となりました。お疲れさまでした!
最後にかえて~競技プレイヤーへのエール~

最後に宇都宮さんと共通の質問なのですが、10年以上競技勢を続けられている齋藤さんですが、競技プレイを続けられるコツ、あるいは今競技をされている方・今後挑戦したい方へ何かあればお伺いしたいです!

…カツオは何て言ってたかな…
(説明する眞白井)

「気楽にやることも大切」……か。確かにあいつはよくLoL※やってますからね。
※League of Legendsの通称。5vs5での対戦型ゲームであり、15年以上の歴史を持つとともに、 プロプレイが非常に発達している。

へいかさんも同じようなことはおっしゃっていましたね(笑)

最初に言ったように、僕にとってランクマッチラダーは酒と煙草なので、気楽にやろうというところは同じですね(笑)

ただ、そんな自分の経験を還元してくれる場を提供してもらっていることには、WotC公式には感謝ですよね。
自分でも改めて考えてみると、競技フォーマットから外れてもパイオニア神には出ようと思うので、それこそ第1期スタン神の時みたいな気持ちで、ちょうどいい実力試しの場があるから出てみようとはなりますよね。

幸い、MtGは公式以外にも晴れる屋さんやインフルエンサーさんが場を用意してくれているゲームかなと思うので、実力試しの場に挑むというか、通うのが大事というか……

イベントに参加する理由は友達に会いに行くとか、飲み会が楽しいでもいいと思いますし、自分もそんな感じなので、それでもいいとは思います。
自分は競技的なプレイに出続ける中で、巧者みたいな人達とつながりが出来たのでガツガツしていないですけど、知り合いが増えたら大会に行くし、負けたやつで負けたやつと食事したりドラフトしたり、それが無くてもドラフトするし。

あとはカツオも言っていますけど、プロツアーを体験したらまた来たいとはなるかもしれないですね。

それこそ先ほど、また神になりたいとおっしゃっていたとおり、プロツアーは遠く感じる方も多いかもしれないですが、ちょっと自分より1段階背伸びした場所に立ってみて、そこにまた来たい!を繰り返していく感じでしょうか。

そうですね、目標が遠すぎると諦めてしまいますし、現実味がなくて何していいか分からなくなるのもあると思うので、そういうのは大事ですね。
将棋でもトッププロ同士を見ても分からなさ過ぎて勉強にならないんですよね。
自分より一段階上の人と、二段階上の人が戦っているのを見るのは勉強になります。
自分はいつも一段階上の人にこうされていて負けているのを、二段階上の人がどういなしているか、みたいな。
上手い人同士だとそもそも普段自分が遭遇しているような局面にならないので。

間違えてくれない、ってやつですね。

下手すると何も得られない。
頑張ろうと思って強すぎるところに行って毎回負けてたら、やる気が続かない人が多いと思うので。それで大丈夫な人は少数派だと思いますし。
丁度いい所で、自分の勝ち方・型を身に着けるのも大事だと思います。

それこそ昔よくMOでドラフトをしていたとき、リーグがスイスとSEの2種類あって、SEの方がプライズがいいので基本的にはそちらを優先していたんです。
ただ環境初期はスイスに入るようにしていました。
SEだとせっかくデッキを組んでも1回負けたら終わりですから、自分のデッキやプレイが悪かったのか、それとも引きが渋かったり相手の回りがすごかっただけなのか、判断しづらいなと。
あとはSEの方がやり込んでいるプレイヤーが多いので強いカードがカットされやすく、いわゆる理想形のようなピックがしづらい。
なので最初はもうちょっとゆるふわなスイスの方で、自分の中での理想形・型を作ることを意識していました。
それである程度自信がついたら、SEの方に行って通用するか挑戦してみる、と。
そんな感じで、初めからあまり大きな目標を持ちすぎず、ちょっとした目標をクリアしていきながら自信をつけていくのがいいのかなと。

その後に勝てないとなっても、じゃあサイドどうしよう?とかをやってそれで勝てればいいですし、それでもダメなら型を変えるみたいな。
ただ、その道中のやったことは絶対身になっているので、そういうことの積み重ねかなと思います。

捨てても身になっている、というのはいい言葉ですね。
自分も負けるの嫌なタイプで、負けると「誰もお前を愛さない……」みたいになるんですが、
それってたぶん、型を否定されて、それまでの積み重ねを否定されている気分になっているかなと思うんですよね。
でもそうではないと。

自分も負けると結構そういう気分にはなるんですが、それは環境が悪いみたいな。
自分はあまりデッキを乗り換えなくて、サイドなどでどうにかしようとするタイプなので、それでもだめなら好きなデッキタイプで第2候補・第3候補を使ってみて、それで行けたらラッキー、全部だめなら好きじゃないけど良さそうなデッキを使うか、環境をお休みしてドラフトをするか(笑)

ドラフトに帰らせていただきますと(笑)

パイオニアしかやっていない人だとどうなるか分かりませんが、(行き詰ったら)ドラフトやってみるといいと思います。

ドラフトで身に着けたこともパイオニアに帰ってくるかもしれないですしね。

ドラフトにはMtGの全てが詰まっているので、MtG強くなりたいならリミテッドは絶対やった方がいいと思います。
リミテッドが上手い人はMtG上手いです(笑)

まとめると、自分より少し背伸びした場で立ってみて「また来たい」を繰り返そうというところと、そうしているうちに自分より強い友達が出来るから、その人が負けているのを見て学ぼう、みたいな(笑)
自分もテーブルトップでどうしても勝てない人から学ぶみたいなのはあって、今回のインタビューで、改めてそれは良いものを得られるループなんだなと思いました。

なのでパイオニアは競技フォーマットから外れてしましたが、実力試しの大会は立ち続けよう、そしてまた齋藤さんが神になるから神決定戦に出よう、神決定戦に来ない奴は馬鹿だ!と(笑)

僕は嘘が嫌いなので、これは本当に心から思っていることです(笑)

神決定戦から知った方はちょっとびっくりする言葉の強さかもしれませんが、元神からの心からの言葉ということで。
ぜひ皆さんも神決定戦、挑戦しましょう!
次回予告と宣伝
第15期パイオニア神での戴冠、そして第16期の防衛時にインタビューさせていただきたかったものの、機会を逃してしまっていた齋藤慎也さん。
惜しくも第17期は宇都宮さんに神の座を譲ることとなり、「敗者インタビュー」の形になってしまいましたが、【ゴルガリ・フード】を連続で持ち込まれたことにとても興味を惹かれたこと、そして神決定戦の放送などから伺えるお人柄が印象に残っており、緊張しながらインタビューを打診したことをよく覚えています。
エクスプローラー(現MTGAパイオニア)で開催のAC8や眞白井側の休止期間なども挟まったことで、第17期からはかなり間が空いてしまいましたが、そのぶん齋藤さんのお人柄や『大型大会に向けて未知のデッキ・未知のリストを開拓(pioneer)する難しさ・楽しさ』が伝わる記事になっていればうれしいです!
そして何より、齋藤さんのお話からは「MtGを続ける強さ」だけではなく、「MtGを続ける意義に辿り着くこと」の大切さも感じました。
「強いプレイヤーと仲良くならないと」「結果を出して認知されないと」という思いで神決定戦シリーズに参戦し、その後も競技シーンを走る中で第17期の挑戦者・宇都宮さんをはじめ、コミュニティの友人さん・知人さんを得たことは、齋藤さんにとってはとても幸運なことであり、今でもMtGを楽しむ上での大切な原動力のおひとつなのかなと思います。
そして、その出会いのきっかけ、あるいは集う場となる大会の重要さも自分はお話を通じて感じました。
現在、パイオニアはテーブルトップ・デジタルともに大会が少なくなってきてしまっていますが、願わくばその場が途切れないこと、そして自分も場を用意できる側になれればいいなと思っています。
何よりも! 大会での出会いは参加者の皆さんがあってのもの。
もし、この記事を読んでパイオニアに限らず大会に出ることをためらっている・足が遠のいていた方がいましたら、ぜひ神挑戦者決定戦をはじめ、大会やショップさんに足を運んでいただきたいなと思います!
対戦すること・挑戦することから得られる経験の大切さを知っている齋藤さんのお言葉は、自分にとってもこれから大会に挑戦し続けるエールになりました。頑張っていきます!
改めて、齋藤慎也さん、ありがとうございました!
次回予告と宣伝
今後も、「巧者に訊く」は不定期企画として続きます。
「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!
また掲載報告をはじめ、X/TwitterとYoutube投稿にてパイオニアに関する活動の発信をしておりますので、ぜひフォロー・チャンネル登録をお願いします! 大変励みになります。
ご支援もいただけると大変うれしいです…! 詳しくは下記ページにまとめております!
それでは、また!