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【デュエマ】ある子どもと《究極銀河ユニバース》の思い出

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眞白井エイドです。

今回は、ちょっと珍しく自分語り会です。とりとめなく書いた文章ではありますが、よろしければお付き合いいただければ幸いです。

自分は大人になってから、MtGからゲームとしてのTCGを始めましたが、実はTCGとの出会いはもっと昔のことだったりします。


それは自分がまだ思春期を迎える前の子どもだったときの話。

ある晴れた日の午後、よく行く公園の一番大きな東屋。
そこは近所の子どものいわゆる「青空TCG」のメッカのようなところで、その日も近所の男子児童が集まっていました。
それは日常風景ではあったのですけど、その日はやけに賑わっていて、ちょうど遊びに来ていた自分は、なんだろうかと人垣から珍しく盤面を覗き込んだのでした。

当時はコロコロコミックは読んでいたもののカードゲームのルールは一切知らず、そこで行われていたゲームがデュエル・マスターズとかろうじて分かったことは、割と奇跡の1つでした。
そしてもう1つの奇跡が、自分が盤面を覗き込んだ少し後、1枚のカードによって勝負が決したこと。

《究極銀河ユニバース》




初めて聞いたその単語は、初めて見たフルアートのカードと相まって、ひどく格好良く聞こえました。

「そんでな、これ進化したから下のカード取るんだけど、」
「そしたら俺勝つねん。この試合。」

そして続いた信じられない会話。
ゲームにカード1枚で……勝つ……?
そう聞いた瞬間、目の前の不思議なイラストのカードがすごいものに思えてきて、まるでデュエル・マスターズの漫画のように、カードがオーラを発しているかのように感じました。
周りの男子たちが「ホントかよそれ〜」「カード見せて見せて」「すげー!」と騒ぐ中、ぼうっと焦げ茶の木の天板に裸で乗せられた《ユニバース》を見つめていたことを、やけにはっきり覚えています。
そして男子たちの話題は《ユニバース》で勝つ、勝たないに移っていき、《ユニバース》が別の男子の手に取られたところで、自分はその場を去ったのでした。

《ユニバース》を出した子の名前も、顔も、仲が良かったかも覚えていません。
ただ、あの不気味なような、かっこいいような、よくわからない青紫の何かが描かれた黄色のカードのことだけが、ずうっと頭に残っていました。

それから急に、自分はちょこちょことTCGを買うようになりました。
ゲームとして遊ぼうとは何故か思いませんでした。ただ、時々パックをおこづかいで開けて、イラストを眺めるだけ。
「金色のガッシュ!」のカードゲームが一番枚数を集めたでしょうか。それでもカードの強さとかには興味がなくて、当時好きだったゾフィーのコモンカードと青いバオウ・ザケルガのカードを(今思えばとんでもないシャークトレードで)交換したりしていました。

そんなことをしながら自分は思春期を迎え、公園のあった街を離れ、大人になりました。
その間にも、デュエル・マスターズの話題が口に登るたびに、《究極銀河ユニバース》の話は折に触れて話していました。
あの公園の名前も、漫画「デュエル・マスターズ」の登場人物の名前も、あのとき盤面に出ていた他のカードの名前も忘れてしまいました。
忘れなかったのは、《究極銀河ユニバース》の名前と、イラストと、効果のほんの一部分だけ。

『それがこのクリーチャーの下にある最後の1枚でフェニックスなら、自分はゲームに勝つ。』

……《ユニバース》のことだけをそんなに覚えていたのは、もしかしたら、あの男子のことが羨ましかったのかもしれません。
おこづかいが少なくて、クリスマスにサンタさんへ夏に出たソフトを頼むのが楽しみだったあの頃。
最新弾のレアカードを当てて、デッキを組んでなんて夢の夢だったあの頃。
遊ぶわけでもないのにカードをねだるなんて、きっと当時の自分にはできませんでした。
でもきっと自分は、《ユニバース》を使ってみたかった。カードゲームをやってみたかった。自分の好きなカードで、不思議なことをしてみたかった。

間違いなく、あの東屋での《究極銀河ユニバース》との出会いは、自分にとっての「カードゲームの原体験」でした。

そして大人になり、自分はマジック・ザ・ギャザリングに出会い、ハマり、それを通じてたくさんの友人知人と出会い、彼ら彼女らにももちろん《ユニバース》の話はして……そして誘われて「デュエパーティー」で遊ぶことになりました。

十何年ぶりのデュエル・マスターズとの再会、そしてそれは、

《究極銀河ユニバース》との再会になりました。

ご厚意で、お手元にあった《究極銀河ユニバース》の初版Foilを譲っていただけることになったのです。

久しぶりに見た《ユニバース》は、覚えていたよりイラストが小さくて、相変わらず全容のわからない不思議な感じの姿をしていて、そして「ゲームに勝つ」とはっきり書かれていました。

……頂いた《ユニバース》を眺めていると、不思議と涙が出てきます。
《ユニバース》への憧れがなかったら、きっと自分はTCGに特別な気持ちもなくて、マジック・ザ・ギャザリングにも興味を持っていなかったかもしれなくて、こうして《ユニバース》を頂くこともなかったんだろうなと思うと、巡り合わせに胸が込み上げてくるのです。

あの時はありがとう、《ユニバース》。
これからもずっと、あなたが縁を結んでくれたTCGたちと遊んでいくよ、きっとね。

子どもにTCGに触れてもらう、憧れてもらえるようなカッコよさを作るってことは、そのTCGだけじゃなくTCG全体を広げるためにも大事なんだなあとも思いつつ、どうしても《ユニバース》への特別な気持ちを文字にしたくて、こんな記事を書いてみました。

とりとめのない文章ではありましたが、自分もそういう思い出あったなあとか、このカードに憧れたなあとか、これをきっかけに思い出してもらえたらうれしいです。

それでは、また!

……ところでデュエパーティーだと《ユニバース》で特殊勝利できないの、なんとかなりませんかね?

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