眞白井エイドです。
普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。
さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。
今回は、2023年10月に開催されたMOイベント・Pioneer Showcase ChallengeでTop8に入られた、setolineさんにお話を伺いました。
「おうちでレガシー」にもよく参加されており、いわゆる「おうち勢」でもあるsetolineさん。
そして、第22期モダン神挑戦者にもなり、パイオニアの「シーズン2サイクル1チャンピオンズカップファイナル」の権利も獲得されている、フォーマットを問わず結果を残し続けている強豪プレイヤーさんです。
そんなsetolineさんがShowcase Challengeで握られたのは【黒単ミッドレンジ】。
使用者が多くなく、自分もあまり動きを知らないデッキでした。
今回は、そんな【黒単ミッドレンジ】の秘密についてたくさん語っていただきました!
それではインタビュー本編をどうぞ!
自己紹介
まずは、自己紹介からお願いします!
setolineと申します。
MtGを始めたのは「灯争大戦」が最初で、今年で5年目となります。
普段プレイしているのは晴れる屋TC付近がメインで、競技マジックがある時には関東近辺に遠征することもあります。
コミュニティは「おうちでレガシー」以外には友達間で遊ぶくらいですね。
好きな色は黒!好きなカードは《死の影/Death’s Shadow》!
初めてMtGで作ったデッキかつカードなので愛着もひとしおです!
灯争大戦開始で、最初に作ったデッキがデスシャドウ※…?というのが気になったのですが、ちょっと詳しく伺ってもいいですか?
※デスシャドウ…モダン・レガシーに存在する、《死の影/Death’s Shadow》をキーカードとしたミッドレンジデッキ。
デスシャドウを最初に作ったのは、僕にMtGを教えてくれた友人がモダン・レガシープレイヤーだったので、スタンのデッキを組むよりも先に、モダンとレガシーのデッキを作らされたからですw
なんと。
デスシャドウを選んだ理由としては、当時僕が他のTCGで好んで使っていた戦法とマッチしていたこと、汎用性の高いカードが多く使われていて、いざMtGが面白くなった時に最悪売ってもそこまで安くはならないデッキを友人に聞いて、マッチしていたのがデスシャドウだったからです。
今では売るどころかFoilを集めるくらいには気に入りました!
ハマれなかったときのことも考えながら最初に下環境の2フォーマットを組む……というのはなかなかスリリングな体験と言うかなんというか。
ですが無事に(?)大好きになられたということで、よかったなあとw
そうですね。
自分も最初が下環境だったためにスタンよりも下環境の方をより楽しく感じますし、そちらをより楽しむ方々との交流の方が自然と多くなりました。
ただ、競技マジックという観点ではむしろスタンやパイオニアの方が頻度が多いので、下環境をメインにしていない人との交流も多いです。
ではずばり、今回結果を残された大会名と、出された成績をお願いいたします!
2023年10月15日(アメリカ時間)に開催されたMTG Online Showcase Challengeです。
成績は8-1でSEに上がり、一没を決めてトップ8止まりでした。
といってもMOでも強豪ぞろいの大会でのTop8ですからね!
素晴らしい成績だと思います!
ところでShowcase Challengeって?
……と、自分はとてもすごいと思っているのですが、MOの競技イベントについては日本語での情報が少なく、「Showcase Challenge…?」という方も多いのかなと思います。
Showcase Challengeがどれくらいの規模の大会なのか、どれくらいの強豪が集まる大会なのか、setolineさんから簡単にご説明いただけますか?
簡単に言うと、Magic Online Champions Showcaseという、MOの大会の中でも最高峰の大会の予選の予選となります。
今回戦ったShowcase Challengeで好成績を残すと、12月のショーケース予選に参加でき、そこで優勝すると最後のChampions Showcaseに参加できるようになります。
※図表引用:けいがさん「Magic Online Champions Showcaseを目指そう!」
2021年に市川ユウキプロが優勝したことで話題になったこともあります。
当時は優勝賞金が2万ドル、最下位でも5000ドルだったそうです。
要約すると、世界中の強豪がひしめく世界大会への切符をもぎ取るための大会です。
デジタル世界の大舞台への関門ですね!
そしてShowcase Challenge参加にも、実は日々のLeague、Prelininary※で好成績を残し続けることが必要……ということで、プレイヤーレベルはかなり高い大会だと思っています。
MO自体、League、Prelininaryでも非常に練度の高いプレイヤーさんが多いと思いますし。
※どちらもMOの常設イベント。
League…参加者同士で一定期間内で5回戦を戦うイベント。Preliminary…スイスラウンド3~4回戦を戦うイベント。
そうですね。僕自身参加するための制約が厳しいために、これまでShowcase Challengeに参加したこと自体3回程度ですし、以前までの大会でもボロボロにされました。
何より開催が本場アメリカに寄せた大会が多く、ネット上での大会とは言え日本時間で夜の10時くらいから始まるケースも多かったです。
僕が参加した大会も日曜日の22時から始まり、終わったのが月曜朝6時半でした。眠気眼で授業を受けたのを覚えていますw
時間帯のハンデはデジタルMTG大会ならではですね…!
そんなハンデも乗り越えながらのTop8入り、すごいことだと思います。
デッキについて
デッキ解説
では、今回使用されたデッキと、デッキをあまり知らない方向けの簡単な説明をお願いします。
デッキは【黒単ミッドレンジ】になります。
パイオニアで黒単といえば《無駄省き/Waste Not》を中心にした形が主流かと思いますが、こちらはむしろ【ラクドス・ミッドレンジ】に近いです。
赤が無いぶん、《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》や《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》、《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》などの単体で勝ちに直結するカードや1-2交換しやすいカードを豊富に入れ、【ラクドス・ミッドレンジ】よりもスケール※を大きくしてあるのが特徴です。
※スケール…MtG公式動画「マジラボ」で原根健太氏が提唱した概念。「ラクドスはスケールで攻略」はパイオニア史に残る名言。
基本的には、相手の動きに干渉しながらだらだら過ごしてトップ勝負に持ち込み、長期戦になればリソース差と単体のカードパワーで圧殺できるように構築してあります。
《勢団の銀行破り》と《ヴェールのリリアナ》4枚ずつは、【ラクドス・ミッドレンジ】だと出来ない芸当ですね!
ラクドスではなく黒単にした理由です。
当時のMOの環境では【ロータス・コンボ】と【イゼット・フェニックス】、【ボロス・ヒロイック】が多く、それらに勝とうとすると既存の【ラクドス・ミッドレンジ】では若干不安要素が残るため、それなら刺さりやすいカードだけを4投できる黒単の方が勝てると見込み、実際勝てました。
また、元々多いと読んでいたデッキ以外でも、【ローナ・コンボ】などは《ヴェールのリリアナ》が少なくなった最近の【ラクドス・ミッドレンジ】では勝ち切ることが難しかったですが、《ヴェールのリリアナ》が4枚採用されているこのデッキでは、安定して勝てるようになりました。
そうなると、今回のShowcase Challengeの前までは【ラクドス・ミッドレンジ】を握られていたのでしょうか。
Showcase Challengeの少し前までは使っていました。
【ラクドス・ミッドレンジ】が得意な戦い方と苦手な戦い方を知るために勉強して、有利な所を突き詰め、メタに合った構築を行った結果、気がついたらデッキから赤が無くなっていました。
なまじ覇権デッキなぶん、大会に向けて【ラクドス・ミッドレンジ】の中で強い形を調整しようとされる方もいるのかなと思うのですが、そこで色ごと切る判断をされたのはすごいなと思います!
【ラクドス・ミッドレンジ】は小回りが利いて相手に干渉しやすく、自分が一度攻める側に回るとずっと主導権を得やすくなるのが特徴ですが、自分よりもスケールの大きい相手に対して不利という特徴もあります。
簡単に言うと、自分よりもトップの強い相手を苦手とします。
なのでミラーでは《勢団の銀行破り》《ヴェールのリリアナ》《黙示録、シェオルドレッド》の枚数が物を言うのですが、それらのカードパワーが高いカード達が全て4投された結果トップ勝負が強くなり、【ラクドス・ミッドレンジ】に対してもかなり勝ちやすくなりました。
【ラクドス・ミッドレンジ】ミラーは最終的にトップ勝負、ハンド勝負になるという話は知人のプレイヤーから聞いたこともあるのですが、その土俵に安定して持ち込める、そしてそこで勝ちやすいというのは明確に強みですね!
デッキのよい所
では、今回使用された【黒単ミッドレンジ】の良い所・メリットを教えていただけますか?
たとえば、使っていて楽しい動きなどありましたらお伺いしたいです!
先程申し上げた通り、【ラクドス・ミッドレンジ】よりもスケールが大きく、トップ勝負がしやすいのがメリットです。
正直後半は4枚入ってる《ロークスワイン城/Castle Locthwain》で手札を整えて、引いたカード出すだけなので特別なシーンとかは少ないです。
強いてあげるなら、終盤のトップ勝負で《シェオルドレッド》や《勢団の銀行破り》を引いた時は脳汁が出ます。
自分だけがリソースを稼げる優越感と言いますか、気持ちよさと言いますか。
トップ勝負で勝つのが一番楽しいです。
108あるMtGしんじつのうちの1つですねw
デッキの難しい所
逆に、【黒単ミッドレンジ】の難しい所・デメリットはいかがでしょうか?
終盤戦が戦いやすいのは語った通りなのですが、逆に速攻で押し切られると弱いという欠点があります。
柔軟に立ち回れるデッキではないので、2-3t目に盤面形成されると返すのが難しいです。
なので苦手なデッキタイプとしては、【アブザン・パルヘリオン】や【緑単信心】、【ラクドス・サクリファイス】、【グルール・ビークルズ】などは比較的不利と考えています。
なるほどなるほど。
そこについては、やはりロングゲームを得意とする点とのトレードオフですね。
デッキリストについて
さて、setolineさんが今回使用されたリストがこちら。
今回のリストは【ラクドス・ミッドレンジ】を参考にされたとのことですが、黒単化するにあたって参考にしたリストがあればお伺いしたいです。
友人が黒単でプロツアーの権利を獲得した事があって、彼がその時に使っていたリストを参考に話し合いながら、MOで回して調整しました。
この記事読みました!
そして今、記事のお名前を見て「おうち勢」のえむたろうさんだと認識しましたw
おうち勢のみなさんは、レガシー外のフォーマットもやり込まれている方が意外といらっしゃいますよね。
みなさんかまでは分からないですが、彼はパイオニアもやっていますね。
僕をMtGに誘ったのも彼ですし、今回のデッキ選択にも力を貸してくれて、非常に感謝しています。
えむたろうさんのリストから改造するにあたっての考え方や、setolineさんがご自身で特徴的と思うカード、あるいは工夫した点・気を付けた点をお伺いしたいです。
《ヴェールのリリアナ》4投と、サイドの《減衰球/Damping Sphere》4投ですね。
今の環境だと《ヴェールのリリアナ》が刺さる事は分かっていたのでこれは4投することは決めていて、またメインで【ロータス・コンボ】に勝てない事も分かっていたので、サイド後は絶対に勝てるように減衰球を4枚入れる事も決めていました。
MOだと【ロータス・コンボ】はテーブルトップより多いのもありますしね。
他に、仮想敵として明確に意識したデッキはありますか?
先程上げた通り【ロータス・コンボ】【イゼット・フェニックス】【ボロス・ヒロイック】は、特に厚く見ました。
あとは【ラクドス・ミッドレンジ】やコントロール系デッキには元から有利なので、不利な【緑単信心】や【ラクドス・サクリファイス】を見るために《苦難の影/Misery’s Shadow》は3枚要るかな、と考えました。
この辺りはメタを読んでの枚数調整かなと思います。
自分の土俵に持ち込めば勝てるデッキが多いぶん、土俵に連れていけないデッキ・持ち込みにくいデッキをしっかりメタったわけですね。
意外とサイドボードは有利なデッキに対しても少しお守り枠を割くというか、「丸く」しがちな方も多いのかなという気もしていて。
無駄なサイドを使わないというのはメタ読みも含めて意識されたりしましたか?
意識したというよりも、構築段階からそうしなくても済むのがこのデッキの特徴になっています。
相手ごとにメインで不要なカードもだいたい決まっているのでサイドで抜くカードも最小限ですし、サイド後に相手がカードパワーを上げるサイドチェンジをしようものなら必然的に試合も長期化するので、こちらのレンジに持って行きやすくなります。
構築段階で75枚中に不必要なカードが入らないようになっているのは、デッキを作ったえむたろう君の構築センスの賜物だと思っています。
なるほど……!
けっこうその話は衝撃が大きいと言うか、とてもデッキ構築で大事な話だなと思っていて。
強いプレイヤーさんの記事を読んだり上手い知人の話を聞いていると、60+15ではなく、やはり75枚でデッキが強いかというのがとても大事という話は繰り返し出てくるのですよね。
そして最小限のインアウトで強さが保て、そしてサイドを変えても自分のプランはブレず、相手のプランのブレも勝ちに変えられる。
9回戦の長丁場の中で戦い抜けた理由の一端も、そこにある気がしました。
プレイしての感想
では、実際にプレイされたときのお話を伺っていきたいなと思います。
えむたろうさんと丹念に調整されたリストということでしたが、実際にプレイされての感触はいかがでしたか?
良かった点としては再現性の塊な点であることです。
殆どのカードが4枚採用になってて役割もはっきりしているため、ハンデスも絡めて、相手の次の動きを予想立ててゲームプランを立てやすい構築となっています。
しかし逆に逆転のコンボや切り札などがあるわけではなく、あくまで事前にシミュレートした動きしか行えないので、劣勢を一枚で変えられるわけではありませんし、相手に予想外の一手で返されてしまうことも多いです。
ハンデスの入ったデッキ全般に言えますが、相手の構築や動きをある程度把握していないと、不意の一撃でやられてしまう事は多々あります。
「抜きたいカードをイメージしてハンデスを撃て」はよく聞く格言ですが、その点も含めてプランニングをしっかりして動くことが特に重要なデッキ、ということですね。
「ハンデスは《陰謀団式療法/Cabal Therapy》と思って撃て」という格言もありましたね。
逆に散らして採用しているカードについて伺いたいのですが、1枚採用の《執念の徳目/Virtue of Persistence》《塵へのしがみつき/Cling to Dust》は増やしたい、減らしたいというのはありましたか?
特に《執念の徳目》については、大会当時としては新しいカードなのもあるので個人的に気になっていまして……7マナで撃つことあるのかな?など。
《執念の徳目》は、《ヴェールのリリアナ》+1能力から避けておくことのできるフィニッシャー兼序盤の干渉札と、このデッキに欲しい要素がふんだんに入っているため、とてもマッチしていると感じました。
マナカーブ的にも枚数配分的にもメインには1枚で良いと思いましたが、サイドにもう1枚仕込んでもいいかな、とは思いました。
確かに《ヴェールのリリアナ》4枚だと、相手の墓地にしっかりフィニッシャーに出来る量のクリーチャーは貯まっていそうですね。
そうなると、サイドはどこと入れ替えたいですか?
大会中にあまりサイドインしなかったカードなどありましたか?
4枚入っている《減衰球》は流石に過剰なので、1枚程度変更してもいいかと思います。
もしくは、役割的に《領事の旗艦、スカイソブリン/Skysovereign, Consul Flagship》なども交換候補かなと思います。
《スカイソブリン》は強いカードではあるんですけど、やっぱり5マナでちょっと重いのはネックですよねー。最近は【グルール・ビークルズ】からも抜けていて、一抹の寂しさを感じています…
あとは、《ヴェールのリリアナ》で消耗戦にもつれ込むことをメインのゲームプランとしているので、墓地を肥やして使える脱出カード兼【アブザン・パルヘリオン】対策としての《塵へのしがみつき》は、感触は悪くなかったですが一枚で十分だと感じました。
では、このデッキのベストカードがあれば教えてください!
《ヴェールのリリアナ》と《黙示録、シェオルドレッド》、《勢団の銀行破り》です。
このデッキの要にしてコンセプトカード達です。
強いカードは強い!以上!
モダン級カード!スタンダード範囲最強の4マナ!!堂々のスタンダード禁止カード!!!
うーん、強い!!!
参加したイベントについて
では次に、今回参加されたイベントについての率直な感想をお聞かせください!
正直そんなに力んで出場した感じではありませんでしたね。
QP※余ったし、久し振りに出るか~程度のノリでしたw
※QP…MOでイベントに勝つともらえるポイント。MOでは基本的にイベント参加にはQP支払いが必要。
なるほどw
あれ、これは勝ち進めるのでは…?と思い始めたのはどのくらいのタイミングだったかは覚えてたりしますか?
大体5-0した辺りですね。
うん?今日調子いいか…?と感じ始めて緊張し始めました。
午前2時半くらいのことです。深夜テンションもあったかもしれないです。
おおー、すごい深夜……!
ただ、そのあとのラウンドで1敗されてしまったと思うのですが、その時はどうやって切り替えられましたか?
かなり強豪の【ラクドス・ミッドレンジ】使いの方に負けたので、悔しさよりも学びを得られたと逆にポジティブに捉えられましたね。
他の大会でプレミした時も、「やってしまった」と考えるよりも「次は負けない」と反骨心に切り替えてました。
やはり「負け」にある程度ポジティブに向き合うことが大事ですよねー……がんばります。
では、勝った試合の中でのベストバウトがあれば教えていただけますか?
すごい細かい話ですが、【アブザン・パルヘリオン】相手に《変わり谷/Mutavault》でチャンプアタックを仕掛けた時ですね。
相手が上手いプレイヤーだということをそれまでのゲームで判断したため、ここでチャンプアタックを仕掛けて紛争達成して《致命的な一押し/Fatal Push》、という動きを読んでもらおうとして、《致命的な一押し》が手札に無いのに《変わり谷》でチャンプアタックを仕掛けました。
結果、相手はそれを読んで攻撃をスルーしてくれて、最終的に2点足りてリーサルになったという試合でした。
完全にリスキーな動きでしたが、相手の深読みに助かった試合でした。
なんて細かい読み合い……!!!
「劣勢を一枚で変えられない」デッキだからこそ、そういった細かいやり取りの重要度はさらに高くなりますよね。
特に【アブザン・パルヘリオン】は、先ほど話していただいた苦手なデッキ…一撃で返してくるデッキでもあるので、きちんと詰められるときに詰める意識は重要な気がしています。
逆に、今回のイベントでの反省点や次の舞台までに改善したい点などはありましたでしょうか?
苦手な【ラクドス・サクリファイス】や【グルール・ビークルズ】が思ったよりも増えていて、それらにサイドプランを詰めきれていなかった点ですね。
現在、それらに対策できるような構築をプレイヤーズコンベンションに向けて鋭意製作中です。
おお!
そうなると……次の舞台のチャンピオンズカップファイナルは、再び黒単で挑むということでしょうか?
秘密です。
やむなし。
次の大会でのご活躍も期待しております!
ありがとうございます!
おわりに代えて =黒単ミッドレンジを握る人へ=
今回の記事を読んで、【ラクドス・ミッドレンジ】にはない強みのあるミッドレンジの選択肢として、【黒単ミッドレンジ】に魅力を感じて使いたくなった方もいるのではないかと思います!
そして、「黒単」を愛するプレイヤーさんにとって、【黒単ミッドレンジ】はパイオニアで使える強い黒単の選択肢でもあります。
これから【黒単ミッドレンジ】を握る人へのアドバイス、あるいは気を付けてほしい基本のプレイングなどがあればお願いします!
いつも心がけている事としては 、
・1-2交換を常に心がける
・ゲームレンジは遅めを意識
・《思考囲い》を使うタイミングを考える
・ヴェリアナ!シェオル!最強!
以上になります!
強いカードをブン回しつつ、しっかり有利な交換をしていきましょうということですね!
レガシーに挑む人たちへ
そして最後にもう1つ。
レガシープレイヤーであり、パイオニアプレイヤーでもあるsetolineさんにお伺いしたいことが。
12月に開催される大型大会「THE LAST SUN」。
今回のフォーマットがパイオニア&レガシーということで、今回レガシーに初めて挑戦されるパイオニアプレイヤーさんも多いのではと思います。
レガシーの先達として、パイオニアとの違いで特に意識されていること、プレイにあたっての大きな心構えなど、アドバイスをいただけますか?
意識していることについて2点ほど。
ゲームレンジの違いと強いカードの種類に違いがあることを気を付けて頂きたいですね。
パイオニアでは2~3T目は序盤と言っても差し支えないですが、レガシーでは2~3T目は中盤戦、デッキタイプ次第では終盤戦になっている事がザラです。
4マナ圏ではゲームを終わらせるカードの方が多く、ゲームスピードがパイオニアとは段違いです。
それがレガシーの楽しさでもありますが、普段パイオニアを主軸としてプレイされている方にはこの感覚にいきなり慣れるのは難しいかもしれないですね。
2点目の強いカードについてなのですが、パイオニアではパーマネントが強く、1-2交換できるカードが強いフォーマットなのですが、レガシーは違います。
いかに相手の強力なスペルを軽く弾けるかが主流となる戦いがメインとなるので、パーマネントよりも軽いスペルの方が強いフォーマットになります。
なので相手の動きを軽くいなし、自分の動きを強く押し付けることができるデッキが上位にきやすくなっています。
まとめると、
「ゲームスピードはめっちゃ速い!」 「押し付けの強いデッキを使うべし!」
以上2点が自分が特に意識している点です。
こうやって整理していただくと、本当に全く違う環境なんですねー…
大会まで残り1ヶ月と少し、権利を獲得された皆さんはこのアドバイスを参考に、レガシー環境を攻略していただければと思います!
少しでも参考になって頂けたなら光栄です!
当日自分も参加いたしますので、皆さんとの対戦を楽しみにしています。
チャンピオンズカップから大型大会続きだ……!
どちらの大会でも良い成績を出されることを願っております!
setolineさん、ありがとうございました!
眞白井のひとこと
初めましての方ということで、自分も実は緊張しながらお話を伺っていたのですが、独自デッキの貴重なお話をたくさん伺えて、非常に勉強になったインタビューでした。
そして強く感じたのは、デッキの柱を決めてそれを貫くことの重要さ。
ベースのリストがありながらも、自分が「強い!」と信じたカードをしっかりと入れ、それを強く使う構成……今回の場合は《ヴェールのリリアナ》を強く使う構成に変化させたというお話は、とても印象に残りました。
新しいデッキを練る方、そしてリストをアレンジする方には参考にしていただきたいところです!
また今回のインタビューは、「おうちでレガシー」主催・マッサンさんの後押しがあって実現したものです。この場を借りて御礼申し上げます!
おうちでパイオニア1回しか参加できなかったのとても心残りなので再開催をお待ちしております…!
改めましてsetolineさん、ありがとうございました!
次回予告と宣伝
「巧者に訊く」は、不定期企画として今後も続きます!
「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!
また掲載報告をはじめ、X/TwitterとYoutube投稿にてパイオニアに関する活動の発信をしておりますので、ぜひフォロー・チャンネル登録をお願いします! 大変励みになります。
Youtube chメンバーシップ・欲しいものリストも公開しておりますので、ご支援いただける方はよろしくお願いいたします…!
それでは、また!