パイオニア情報

【海外大会結果】SCG CON RCQ(地域チャンピオンズシップ)のメタゲームを調べたり考えたりした【MtGパイオニア】

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眞白井エイドです。

普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。

https://melee.gg/Tournament/View/63398

今回は、アメリカ「SCG CON Washignton DC」で開催された、最大規模の地域チャンピオンシップより、メタゲームの傾向についてお届けします。

DAY2抜けデッキの集計については、目視で調べたもののため他の方の結果とブレがあるかもしれません。ごめんなさい!

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メタゲーム俯瞰

まずはどんなデッキが使われた・選ばれたのか、メタゲームを俯瞰していきましょう。

DAY1

DAY1の最大勢力は【アゾリウス・コントロール】と【ラクドス果敢】。

パイオニア最高速の速さで相手を叩き伏せる【ラクドス果敢】と、それに対してのカウンターデッキかつ他の上位デッキにも優位を取りやすい【アゾリウス・コントロール】が多く選ばれた形です。

一方で、直近やや伸び悩んでいた【イゼット・フェニックス】も三番手につけており、ややアメリカ独自のメタゲームとなっていました。

また、「ダスクモーン:戦慄の館」で強化パーツを手に入れた【奇怪な具現】【アブザン・パルヘリオン】【黒単ミッドレンジ/黒単デーモン】【スピリット】【ラクドス地獄の樹/大釜】や、【ラクドス果敢】【イゼット・フェニックス】への強力なカウンターデッキである【ボロス・コントロール】 以前より多く選ばれていました。

DAY2

では、勝ち星を挙げてDAY2に進出したデッキたちはどのような面々だったのでしょうか?

DAY2も変わらず最大勢力は【アゾリウス・コントロール】と【ラクドス果敢】。

【イゼット・フェニックス】も食いついており、また「ダスクモーン」強化組では【奇怪な具現】と【黒単ミッドレンジ/黒単デーモン】が存在感を示していました。

名前が挙げられているデッキでのDAY2進出率は下記の表のとおり。
(一部集計のためデッキ名が異なります)

上位デッキ5つの中では【ラクドス果敢】のDAY2進出率がやや低め。とはいえ20%は超えているので、全体的に見れば十分勝っていると言えるのではないでしょうか。

上位デッキ5つで一番の勝ち組は【奇怪な具現】。全体で見てもかなり高い28.2%のDAY2進出率をたたき出しました。

毎回支配率の割に負け気味…と言われがちな(気がする)【アゾリウス・コントロール】も、DAY2進出率25.8%と十分な数字を出すことが出来ていました。

第2集団は明暗が分かれました。

一番の勝ち組は【黒単ミッドレンジ/黒単デーモン】
リソース源兼クロックとなる《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》を手に入れたことがこれまでとの大きな相違点であり、勝利に貢献したのでしょうか。実際、トップ集団のデッキはリソース確保に長けており、食いつくのに必要なカードとも言えます。

【サクリファイス】【アブザン・パルヘリオン】【ボロス・コントロール】はどれもDAY2進出率が2割を切り、苦戦していました。

《一時的封鎖/Temporary Lockdown》に弱い【サクリファイス】、妨害手段が少ない【アブザン・パルヘリオン】、打消しに非常に弱い【ボロス・コントロール】と、主に【アゾリウス・コントロール】【奇怪な具現】が大きな壁になったように思われる面々です。

【アブザン・パルヘリオン】が同じ黒系の墓地活用デッキである【ラクドス地獄の樹/ラクドス大釜】とDAY2進出率に開きが出たのは興味深い点です。
これについては、【ラクドス地獄の樹/ラクドス大釜】はメインボードから《思考囲い/Thoughtseize》《強迫/Duress》を採用できており、妨害の枚数が絶対的に多かった影響はあるでしょう。
【無駄省き】についても勝率がかなり低かったですが、こちらはデッキ速度によるものではと考えられます。

一方で、【ロータス・コンボ】や【緑単信心】のような爆発的ムーブを持つシナジーデッキは20%を超えるDAY2進出率を出していることは面白い点です。
どちらも《減衰球/Damping Sphere》を大きな弱点とするデッキであり、ガードが下がっていたことが伺えます。

第3集団で注目したいのが【スピリット】【オーラ】【セレズニア・カンパニー】。

どれもMO上で環境デッキ/メジャーデッキとして使われているとはやや言い難く、特定プレイヤーに愛好されている印象の強いデッキですが、どれもメジャーデッキ相当のDAY2進出率を収めました。

【スピリット】【オーラ】は「ダスクモーン」で除去エンチャント・《幽霊による庇護/Sheltered by Ghosts》を手に入れたこと、【セレズニア・カンパニー】は第1集団の【ラクドス果敢】【イゼット・フェニックス】への強力な対策カードである《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》の採用しやすさが躍進の要因でしょう。

特に【セレズニア・カンパニー】の活躍は目覚ましく、なんとSCG公式で名前が挙げられたデッキ内最高の進出率42.1%をたたき出しています。

その他の指標として、各デッキの勝率をSierkovitzさんが計算してくださっています。

こちらでも、【黒単ミッドレンジ/黒単デーモン】【セレズニア・カンパニー】【ラクドス地獄の樹/ラクドス大釜】の高い勝率が触れられており、今回立ち位置が良かったことが示唆されています。

イゼット・フェニックス活躍の理由?

自分が結果を追っていて真っ先に気になったのが、【イゼット・フェニックス】の躍進です。

DAY1全勝者に2名を送り込み、突破率25%超え、TOP8にも2名入賞と非常に安定した成績を残しており、自分が追っていた直近のMOイベントの結果とやや食い違いを感じたのです。

もちろんMOイベントでもTOP8に定期的に入賞する実力派デッキなのですが、8/26の禁止改訂以前ほど立ち位置は良くない印象であり、また【アゾリウス・コントロール】【奇怪な具現】の《真昼の決闘/High Noon》のメインボード採用の印象も強かったため、ここまでの活躍は想像できていませんでした。

そこで、【イゼット・フェニックス】への強力な対策カードである《真昼の決闘/High Noon》および《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》、そして《安らかなる眠り/Rest in Peace》のメイン+サイドの75枚中の平均採用枚数を調べてみました。

墓地対策で数字を追うのを《安らかなる眠り/Rest in Peace》のみに絞ったのは、《未認可霊柩車/Unlicensed Hearse》《虚空の力線/Leyline of the Void》と異なり後引きした際にも墓地対策としての効果が高く、また【イゼット・フェニックス】の《宝船の巡航/Treasure Cruise》を安定して妨害できるカードのため、真の意味での対策カードであると考えたからです。

結果としては、《真昼の決闘/High Noon》は依然として採用意識が高かったものの、《安らかなる眠り/Rest in Peace》の採用枚数は明確に少なく、墓地へのガードが下がっていることが伺えました。

特に第1集団である【アゾリウス・コントロール】は明確に対策を《真昼の決闘/High Noon》に寄せている傾向があり、《安らかなる眠り/Rest in Peace》の平均採用枚数が1枚を切っていることは特筆に値するでしょう。

【アゾリウス・コントロール】内でも上位入賞デッキ(DAY1・7勝ライン)を調べてみると、

・相棒に《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》を据えた上で《真昼の決闘/High Noon》合計3枚・《安らかなる眠り/Rest in Peace》2枚
・相棒に《孤児護り、カヒーラ/Kaheera, the Orphanguard》を据えて《真昼の決闘/High Noon》2枚・《安らかなる眠り/Rest in Peace》0~1枚

という傾向が見られ、【イゼット・フェニックス】へのガードがやや下がっている印象を受けました。
(ヨーリオンデッキでの2枚採用は通常デッキの1.5枚採用換算となる)

まだRCQにおけるマッチアップ別勝率は出ていないものの、参考までにSCG CON内でのサイドイベント17回・2470マッチでの【アゾリウス・コントロール】の対【イゼット・フェニックス】勝率は44%。

RCQで10勝以上した【アゾリウス・コントロール】23名の対【イゼット・フェニックス】勝率は17/29マッチで58.6%。

これらを総合して推測すると、一部の上位勢を除いた【アゾリウス・コントロール】はかなり【イゼット・フェニックス】に負けたと考えられるのではないでしょうか。

RCQ全体の勝率が出たら答え合わせをしてみたいですね。

また、優勝デッキである【ラクドス地獄の樹/ラクドス大釜】の活躍も、道中での墓地対策の少なさが影響していたかもしれません。

実際、優勝したCory Lack氏のマッチアップを見ていると、SEラウンド含む全17ラウンド中7回墓地対策が薄い(0~1枚)デッキと当たっており、うち1回は準々決勝でのPatric Wu氏の【アゾリウス・ロータス】。
準決勝のSoohwang Yeem氏の【奇怪な具現】も《安らかなる眠り/Rest in Peace》2枚採用ながらも相棒《空を放浪するもの、ヨーリオン/Yorion, Sky Nomad》。

もちろんLack氏の実力も多いにあるかと思いますが、環境の追い風もあったのではないかと思います。

ちなみにLack氏の2敗のうち1敗は《除霊用掃除機/Ghost Vacuum》をサイド3枚採用した【アゾリウス・スピリット】だったりします。それは無理そう。

今回は調べきれませんでしたが、非白デッキの墓地対策の傾向も調べてみると面白い結果が出たかもしれませんね。

おわりに

ということで、SCG CONでのRCQについて、ざっくりとメタゲーム分析、そして思わぬデッキの活躍の理由を調べてしてみました。

新デッキ【黒単ミッドレンジ/黒単デーモン】【ラクドス地獄の樹/大釜】の躍進、そして古参デッキ【アゾリウス・コントロール】の久々の活躍、第3集団デッキの思わぬ活躍と非常に見ごたえのある結果でした!

来週10/12・13はいよいよ日本のRCQ・チャンピオンズカップファイナル!

参加される方・観戦される方のご参考になっていれば幸いです!

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