(サムネイル画像はこちらのツイートより)
眞白井エイドです。
日本時間2023年2月17日深夜~19日深夜にかけて行われる「プロツアーファイレクシア/PRO TOUR PHYREXIA」!
フォーマットは「ファイレクシア:完全なる統一(以下、ONE)」ドラフトと……パイオニア!!!
そして大会に先んじて、パイオニアのメタゲームブレイクダウンが公開されました!
選りすぐりのトッププレイヤーたちはどんなデッキを選んだのか?
ONE新カード・新環境の影響は?
毎週パイオニア情報紙を出している自分が、ドドンと解説しちゃいます!
プロツアーファイレクシアの詳細ページはこちら!
メタゲームブレイクダウン
本記事でのデッキ名は、上の画像準拠で記載させていただきます。
また、参考資料として「週刊ふんわりパイオニア便り」で使用した主要デッキの相性表と、配信「パイオニアとヴィンテージの交差点」で使用した主要デッキの系統チャートを貼ります。(一部デッキ名表記が違うものがあります)
こちらもみていただけると、理解が進むかと思います!
プロツアーファイレクシア:パイオニアラウンド ここに注目!
① いま熱いデッキ!グルール・ビークルズ初の大舞台
環境随一の対応力を持つ「ラクドス・ミッドレンジ」
生半可な相手を押しつぶす圧倒的パワーを持つ「緑単信心」
パワーを軽々いなすコントロール力を持つ「アゾリウス・コントロール」
妨害がなければ容易くコンボを完遂する「ロータスフィールド・コンボ(ロータス・コンボ)」
パイオニア環境でも強い影響力を持つこの4デッキを、自分は勝手にBIG4と呼んでいます。
そしてここ3~4か月に生まれた新デッキであり、BIG4のうち3つ、「ラクドス・ミッドレンジ」「緑単信心」「ロータスフィールド・コンボ」に有利な立ち位置にあるのが、「グルール・ビークルズ」です!
グルールらしいパワフルなクリーチャーに、ラクドス・ミッドレンジが苦手とする機体を盛り込んだ2本柱のビートダウン。
クリーチャー主体にして殴りに特化しても良し、《鏡割りの寓話》を入れて安定性を高めても良し、はたまた《大いなる創造者、カーン》で銀弾戦術をしても良し、のグルールらしからぬ(?)器用さを持つデッキです。
そして、ONEではグルール・ビークルズに新カードが続々加入!
マナベースの大幅改善となる《銅線の地溝》、非常にパワフルな起動型能力を持つアタッカー《迷宮壊し、ミグロズ》、そしてサイドボードにはミラーや緑単信心に入れられる《鉱炉と前線の剣》、コントロール耐性が非常に高い《沈黙を破る者、スラーン》!
地味な所だと、2/3/2という優秀なスタッツを持つ置物破壊生物《腐れ花》もありますね。
やはりトッププレイヤーも注目していたのでしょう。今回のプロツアーでの支配率は9.6%(21名)。
これはMTGGoldfishのトーナメント掲載リストでの直近2週間(2/3~2/16)の支配率・8.4%(24デッキ入賞)を上回ります。
そして追い風となっているのが、ラクドス・ミッドレンジが多いことを読んで避けられたのか、天敵・コントロールデッキがやや少なめなこと。
最近のMO環境では、グルール・ビークルズ対策としてアゾリウス・コントロールの勢力が増していたのですが(8.7%(25デッキ入賞))、今回のプロツアーでは、アゾリウス・コントロールの支配率は6.4%(14名)とグルール・ビークルズを下回ります。
決して無視できない支配率ではあるものの、その代わりに緑単信心が多めなこともあり、グルール・ビークルズが活躍しやすい土壌があると言ってもいいでしょう。
②予想できない戦いに? 普段と傾向が違うデッキたち
イゼット・クリエイティビティ/ラクドス・サクリファイス
プロツアーのメタゲームで特徴的な点が、「イゼット・クリエイティビティ(独創力)」と「ラクドス・サクリファイス」の多さです。
イゼット・クリエイティビティはプロツアー支配率6.4%(14名)でアゾリウス・コントロールと同程度。
ラクドス・サクリファイスは派生のマルドゥ型も含めると7.8%(17名)で、ロータスフィールド・コンボと並びます。
この数字は、MOやテーブルトップにおける支配率とは大きく異なります。
イゼット・クリエイティビティのMTGGoldfishのトーナメント掲載リストでの直近2週間のMOイベント支配率はわずか0.4%(1デッキ入賞)。《世界棘のワーム》+《歓楽の神、ゼナゴス》型のティムール・クリエイティビティと合わせても1.5%(5デッキ入賞)と、少数派のデッキです。
(プロツアーでは「イゼット」表記ですがワーム型である確率もあるため合算して出しました)
ラクドス・サクリファイスはイゼット・クリエイティビティほど少数ではないものの、直近2週間のMOイベント支配率は2.8%(8デッキ入賞)。
これらのデッキはMOでの使用率が低い≒研究があまり進んでいない側面があるため情報が少なく、トッププレイヤーたちがいかに独自研究を進められたか、そしてそれを当たる側が対応できるかがカギとなります。
そして、これらのデッキはどちらも「ハマれば勝つ」デッキ。
対策が薄ければ、その間を縫って駆け抜ける可能性もあります。
特に、最大手たるラクドス・ミッドレンジがサイドボードでどのデッキを中心に見ているか……
具体的にはラクドス・サクリファイスを見て《碑出告が全てを貪る》《コラガンの命令》が入っているか?
イゼット・クリエイティビティが苦手とする《強迫》《真っ白》などの追加ハンデスがあるのか?どのくらいの枚数か?
これらについては、デッキリストが公開されたら注目したい所です。
またこの2つのデッキは、上で紹介したグルール・ビークルズにも有利なのも良い点。
イゼット・クリエイティビティは豊富な火力呪文でクリーチャーを除去しながら、《奔流の機械巨人》《世界棘のワーム》で押しつぶせますし、ラクドス・サクリファイスは《不運な目撃者》や《大釜の使い魔》で地上を止めながらダメージを削れ、サイド後は《削剥》をはじめとしたアーティファクト除去を搭載できる色です。
一方で、アゾリウス・コントロール、緑単信心、ロータスフィールド・コンボの、BIG4のうち3つを苦手とするのも共通点です。
これらへの対策をトッププレイヤーたちはどのくらい見出せているのか?
はたまた、グルール・ビークルズの影響で、BIG4たちの成績にどのくらい影響が出るのか?
注目したい所です。
……ちなみに、ラクドス・サクリファイスは、最近あの《偉大なる統一者、アトラクサ》のリアニ要素を追加したものが出たとか出ないとか。
本当にここ数日で出てきたので、プロツアーでもし使われていたら驚きですね!
エニグマティック・ファイヤーズ
逆に、MOやテーブルトップよりも支配率がかなり低いデッキもあります。
エニグマティック・ファイヤーズ(エニグマ・ファイヤーズ/奇怪な具幻)です。
直近2週間のMOイベント支配率は4.5%(13デッキ入賞、5C+4C)とそれなりの支配率であり、限られたプレイヤーしか参加できないPioneer Showcase Challengeでは優勝、その他のChallengeでも上位入賞、Leagueでも5-0多数、と存在感を放っているデッキ。
ONEで《機械の母、エリシュ・ノーン》《偉大なる統一者、アトラクサ》といった大型強化パーツも手に入れています。
ですが、プロツアー支配率は1.4%(3名)とかなり少数派。
最大手ラクドス・ミッドレンジには強く、一度盤面が固まれば他の追随を許さない強固さを誇るデッキではありますが、BIG4のアゾリウス・コントロール、ロータスフィールド・コンボ、そして多いであろうグルール・ビークルズには不利傾向なのが避けられた理由でしょうか。
とはいえ直近の実力派なのは事実。
ぜひ、注目していただきたいデッキです!
白単人間
そして支配率の話で言うと、触れたいのが白単人間。
チャレンジャーデッキ2022にも選ばれた看板デッキの一つであり、トーナメントシーンでも長らく人気で成績も残しているデッキですが……実はONE環境で風向きが変わっているデッキでもあります。
1/19~2/2の2週間では30デッキが入賞していましたが、2/3~2/16の直近2週間では、10デッキ入賞と、結果が落ち込んでいるのです。
原因と思われるのは火力とクリーチャーサイズで勝るグルール・ビークルズの増加と、アゾリウス・コントロールの採用カードの変化です。
グルール・ビークルズの《踏みつけ/砕骨の巨人》《抹消する稲妻》《領事の旗艦、スカイソブリン》がキツいのは言わずもがな。
アゾリウス・コントロールは、これまで白単人間にとっては比較的有利なデッキでしたが、最近MOでは《軍備蜂起》を採用して1マナ除去を増やしただけでなく、《孤児護り、カヒーラ》を活用してサイドボードから《オレスコスの王、ブリマーズ》《威厳あるカラカル》を投入する新しい形が出てきており、相性差が埋められつつあります。
プロツアーでの白単人間の支配率は6.8%(15名)。メタゲームの一角を占める勢力となっています。
果たしてプロツアーの舞台ではどこまで暴れられるのか? 注目です。
③ジャイアントキリングなるか!?少数派デッキにも注目!
ここからは、MOでもあまり見かけないデッキたちについて、デッキ名からの推測でご紹介します!
オーラ
常滑で行われたプレイヤーズコンベンション2022で、行弘賢さんの調整チームが持ち込んだことで一時有名になった「セレズニア・オーラ」。
これの派生と思われるオーラデッキが、アブザンで4名・セレズニアで2名・バントで1名参加しています。合計だと7名・3.2%なので、セレズニア・エンジェルと同規模ですね。
ちなみにデッキ名の色はマナベースの色基準。
パイオニアのオーラデッキは《皇の声、軽脚》でオーラをサーチしてくる戦術を取るため、デッキ名の色=採用カードの色ではないことには注意です。
詳細なデッキ解説は上の公式記事に任せますが、ONEでの強化として予想できるのが《離反ダニ、スクレルヴ》。
(2/16の週刊ふんパイでも紹介してます!)
疑似プロテクションを付与する能力を持っており、攻守両方を支えるカードとなっています。
MOでは一部の白単人間で試されていましたが、たしかに単体除去が致命的になり得るオーラデッキでは、白単人間以上に重要性が高まりそうです。
市川選手に「パイオニアのハンマータイム」と言わしめたセレズニア・オーラ。
新カードでどこまでの爆発力を見せてくれるのでしょうか?
Omnath to Light
《白日の下に(Bring to Light)》を使用したデッキを海外では「○○ to Light」と呼びます。
なので、日本で言う5Cニヴ=ミゼットは「Niv to Light」になるのですが……え、オムナス?
そんな謎のデッキを4名が持ち込んでいます。
おそらくこの「オムナス」は、《創造の座、オムナス》だと思われるのですが(《怒りの座、オムナス》は7マナで出ないし、《乱動の座、オムナス》は《白日の下に》のメリットが薄いため)、そうなると浮かび上がってくるカードが1枚あります。
ONEの看板カード、《機械の母、エリシュ・ノーン》です。
素出しも出来るマナシンボルに、ETBを倍にする能力。
マナ基盤を5色にすれば、《白日の下に》からも呼び出せます。
これで《創造の座、オムナス》やそれを支援するETBを倍にしてめちゃくちゃにするのでは???
果たしてどんなデッキなのか、非常に気になります。
ぜひフィーチャーテーブルに出てきてほしいところですね!
Storm Herald Combo/Grinning Ignus Combo
Storm Herald Comboは《嵐の伝令》《著大化》《燃え盛る怒り》を使用したワンパンコンボ。
Grinning Ignus Comboは《にやにや笑いのイグナス》《語りの神、ビルギ》《ハゾレトの碑》からの無限キャスト・無限マナを活用するコンボ。
ロマン型コンボデッキが、なんとプロツアーの場にも姿を見せています!
それぞれ1名ずつが使用です。正直びっくりしました。
どちらも適切なタイミングで対応しないと走り切られてしまう、いわゆる「わからん殺し」の側面を持つデッキ。
はたしてプロツアーの大舞台でコンボは決まるのか!?!?
まとめ
ということで、プロツアーファイレクシアのパイオニアラウンド注目ポイントを、メタゲームブレイクダウンからまとめてみました!
他にもラクドス・ミッドレンジはどうやって対策を捌くのか、古株イゼット・フェニックスはどう環境に切り込むのか、セレズニア・エンジェルはコントロールにどう立ち向かうのか、タッチ青ラクドスミッドレンジことグリクシス・ミッドレンジおるやん!、ティムール・ビークルズってなんやねん、アブザン・グリースファング(パルヘリオン)減ったなぁ…、ゴルガリ・エルフ頑張ってほしいな、ジャンド・シタデルおる!?、Golgari Devotionってなんなんだ、というかスピリット少なすぎやしないか!?……などなど語りたいことは山ほどありますが、長くなりすぎるのもアレなので、ここで一旦筆を置こうと思います。
果たして予想は当たるのか、当たらないのか! 自分も結果がとても楽しみです。
そんなプロツアーファイレクシアの日本語放送情報はこちら!👇
復活のテーブルトッププロツアーの1回目、みんなで盛り上がっていきましょう!
ちなみに自分は用事でリアタイできません!!!!!!!!!!!!!!!!!!(かなしみ)
また、自分は「週刊ふんわりパイオニア便り」というパイオニア情報紙を連載しています。
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