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【もっと! #週刊ふんパイ 】01/15週で気になったデッキ紹介

デッキ紹介

眞白井エイドです。

普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。

今週から、毎週火曜日の「デッキリスト・チェッカーズ!」、毎週木曜日の「週刊ふんわりパイオニア便り(以下、週刊ふんパイ)」で見つけたデッキや環境を、より詳しく紹介したいと思います!

具体的にはこの記事→配信→切り抜き動画みたいな流れで出来たらいいなーと。ルーティン化がんばります。

ということで今回は、「週刊ふんパイ」より【奇怪な具幻/エニグマ・ファイヤーズ】【ゴルガリ・スケープシフト】、「デッキリスト・チェッカーズ」より【クイントリウス・コンボ】【”バント”ロータス・コンボ】をご紹介します!

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前置き:現在の環境について

Anaël YAHI氏による、2023/12/19~2024/01/16までの4週間分のMO+Melee戦績の分析結果をお借りして、まずは現在のパイオニア環境の概観を見てみましょう。

現在のパイオニア環境で「前提」……これらを相手にして一定勝てないとトーナメントを勝ち抜くのは厳しいデッキは【ラクドス・ミッドレンジ】【フェニックス】【アブザン探検コンボ】【アゾリウス・コントロール】の4者。

特に【アブザン探検コンボ】に対する妨害手段を持つかどうかは、トーナメントを勝ち抜くうえでは非常に重要です。

YAHI氏の画像より拡大

この4者の戦績を見てみると、一番使用率が高いのは【ラクドス・ミッドレンジ】で、一番勝率が高いのは【フェニックス】。一番勝率が低いのは【アゾリウス・コントロール】です。

豊富な火力とサイドからの打消しで【アブザン探検コンボ】に対抗できること、そして《宝船の巡航/Treasure Cruise》でのアドバンテージ確保がどのデッキを相手取る時も非常に強力ということが、【フェニックス】の高い勝率の理由でしょうか。

苦戦している【アゾリウス・コントロール】は、使用率トップに陣取る【ラクドス・ミッドレンジ】が《太陽の執事長、インティ/Inti, Seneschal of the Sun》を軸に高速化している影響が大きそうです。【アブザン探検コンボ】に対しても打消しを中心に妨害手段は持っていますが、インスタント除去の数は多くないため一定の不安は残りそう。《神聖なる月光/Hallowed Moonlight》がメインに取られることが増えている点も、その不安を物語っています。

そして、これだけ警戒されてもなお勝率5割をキープできている【アブザン探検コンボ】、恐ろしい。01/13・14で開催されたPioneer Challenge計3回でも全て優勝を飾っており、ポテンシャルの高さが伺えます。

一方で、使用率ダントツトップを走りながらも勝率が5割を切る苦しい様子が見える【ラクドス・ミッドレンジ】。その理由は、追走してきている使用率中位のデッキたちの顔ぶれにあります。

YAHI氏の画像を一部拡大

勝率5割ラインの上に並ぶ、【奇怪な具幻/エニグマ・ファイヤーズ】【ロータス・コンボ】【クイントリウス・コンボ】【5Cニヴ=ミゼット】……【ラクドス・ミッドレンジ】が苦手とするビッグアクションデッキの数々

【アゾリウス・コントロール】の使用者が多い環境ながら、多様なビッグアクションデッキが勝てているのです。そして、この面々のうち【ロータス・コンボ】以外は、除去を一定得意とするデッキ。そう、【アブザン探検コンボ】を相手取れるのです。

まとめると、

  • 【アブザン探検コンボ】への対抗手段があることが環境で勝ち抜く条件
  • 【ラクドス・ミッドレンジ】に勝てるような強い押し込み、あるいはアドバンテージ確保能力も必要
  • 【フェニックス】は上の2点を満たしており、使用率上位集団の中でも勝ち組
  • 上の2点を満たせるビッグアクションデッキも、勝ち組に入っている
  • ビッグアクションデッキに対抗できる【アゾリウス・コントロール】も多いが、【ラクドス・ミッドレンジ】【アブザン探検コンボ】に抑えられている

といった感じです!

【奇怪な具幻/エニグマ・ファイヤーズ】

《奇怪な具現/Enigmatic Incarnation》で狙ったクリーチャーを呼び出す銀弾戦術を中核にし、多種多様なエンチャントを駆使して盤面をコントロールしながら、最終的にはクリーチャーの質と物量で押し切る、パイオニアのビッグアクションデッキの代表格です。

「ファイヤーズ」の名は、もう1枚のキーカード・《創案の火/Fires of Invention》に由来します。

【緑単信心】にはクリーチャーの展開速度で劣るため、なかなか環境での使用率を伸ばせていなかったこのデッキですが、《大いなる創造者、カーン/Karn, the Great Creator》禁止で【緑単信心】が惜しくもトーナメントシーンを去ってからは、その椅子に座る形で定着しています。

先述のYAHI氏の分析によれば、相棒2種類を合わせて使用率(Presense)は5.8%、勝率は53.7%と好調な成績です。

01/13開催のPioneer Challengeで6位に入賞したのは《巨智、ケルーガ》を相棒にした型。

《砕骨の巨人》《力線の束縛》、《一時的封鎖/Temporary Lockdown》、サイドからは《光輝の炎/Radiant Flames》も足して序盤を凌ぎ、4~5マナに辿り着いたらこちらのゲームレンジ!

特に《機械の母、エリシュ・ノーン/Elesh Norn, Mother of Machines》は、【アブザン探検コンボ】がサイド後含めて基本的に触れない対策カードで、マッチアップを有利にしてくれている1枚です。

サイド後からは追加で《揺れ招き/Quakebringer》も。こちらも【アブザン探検コンボ】が触りにくい対策カードです。

《機械の母、エリシュ・ノーン》《揺れ招き》共に5マナなので、《奇怪な具幻》からアクセスしやすく枚数を取らなくていい=デッキの動きを歪めなくていい点は、【エニグマ・ファイヤーズ】ならではのメリットです。

《空を放浪するもの、ヨーリオン》を相棒にした型も、01/14開催のPioneer Challengeで12位に入賞。

こちらのリストでは、序盤の除去は《岩へのつなぎ止め》・《力線の束縛》《ポータブル・ホール/Portable Hole》が4枚ずつ12枚というラインナップ。

《ケルーガ》型と異なりインスタント除去が4枚だけなのは【アブザン探検コンボ】を考えると少し不安にも見えますが、サイド後は《引き裂く流弾/Rending Volley》も入るので、思ったよりは介入できそう。

《豆の木をのぼれ/Up the Beanstalk》が4枚積まれており、後半は失ったアドバンテージをガンガン取り戻して手数で押し切れるようになっています。

地味ながら、《世界樹への道/Path to the World Tree》も良いカード。

序盤の色事故を防ぎながら《奇怪な具幻》での3マナクリーチャーアクセス手段になり、後半に余ったマナを注ぎ込めばライフ・カード・盤面のアドバンテージ差を広げてくれます! 眞白井は熊ビームと呼んでいる

ゴルガリ・スケープシフト

かつての名デッキ・【ヴァラクート】のキーカードでもあり、スタンダードでも《死者の原野/Field of the Dead》とタッグを組んで暴れたパワーカード、《風景の変容/Scapeshift》

このカードを中心に組まれた無限コンボデッキが、01/14開催のPioneer Challengeで8位に入賞しました。

その名は、【ゴルガリ・スケープシフト】!

《洞窟探検/Spelunking》の効果で、《風景の変容》《見事な再生/Splendid Reclamation》で戦場に出した土地がアンタップインすることを利用し、特定の土地を揃えることで「無限に《見事な再生》を唱え、3マナと食物・トークンを増やし続けられる」状況を作ります。

揃える土地は、「アンタップインしたときに誘発する能力」を持つ《お菓子の小屋/Gingerbread Cabin》《神秘の聖域/Mystic Sanctuary》、1枚で3マナ出る土地《睡蓮の原野/Lotus Field》2枚、起動型能力でデッキトップから呪文を唱えられる《隠された死滅都市/Hidden Necropolis》

そして最後に、デッキトップに積んだ《鏡に願いを/Beseech the Mirror》から《首謀者の収得/Mastermind’s Acquisition》を唱え、サイドボードの《苦悩火/Banefire》にマナを注ぎ込んで叩きつけます。

具体的な手順を説明していくと、かなり長くなるので格納。

クリックすると出てきます
  1. 前提として、《洞窟探検》をコントロール&土地4枚以上&協約コスト用パーマネントがある
  2. 《鏡に願いを》を協約コストで唱え、《風景の変容》をサーチ&唱える。
    土地を4枚生け贄にして、《睡蓮の原野》《隠された死滅都市》《お菓子の小屋》《神秘の聖域》をサーチして戦場に出す。
  3. ①《お菓子の小屋》《神秘の聖域》のアンタップイン条件が誘発するので処理。
    ・《お菓子の小屋》→食物トークン生成
    ・《 神秘の聖域》 →《鏡に願いを》をデッキトップに積む。
    ※誘発条件は「アンタップインしたら」なので、森・島3枚の条件要らない!
    ②《睡蓮の原野》のETB誘発のスタックで、《睡蓮の原野》から黒3マナ、《神秘の聖域》から青1マナを出し《睡蓮の原野》《神秘の聖域》を生け贄にする。
  4. [3.①]の4マナ+アンタップ状態の《お菓子の小屋》の1マナで《隠された死滅都市》の起動型能力を起動。
    発見4を行い、デッキの一番上の《鏡に願いを》を[3.①]で出た食物トークンを使って協約コストで唱え、《見事な再生》をサーチ&唱える。
    [2.]で生け贄にした土地4枚&[3.②]で生け贄にした《睡蓮の原野》・《神秘の聖域》・起動で墓地に行った《隠された死滅都市》が戦場に戻る。
  5. 《神秘の聖域》のアンタップイン条件誘発で《風景の変容》をデッキトップに積む。
    《睡蓮の原野》ETB誘発は[3.②]と同様に処理。《睡蓮の原野》《神秘の聖域》を生け贄にする。
    《隠された死滅都市》で再び発見4を行い、《風景の変容》で[4.]でタップした《お菓子の小屋》と[4.]で戦場に戻ってきた土地4枚の計5枚を生け贄にして、《残響する深淵》・《睡蓮の原野》・《隠された死滅都市》の2枚目、その他の土地2枚をサーチして戦場に出す。
    《残響する深淵》は墓地の《神秘の聖域》のコピーにする。
  6. 《神秘の聖域》のアンタップイン条件誘発で《見事な再生》をデッキトップに積み、[5.]と同様に《隠された死滅都市》で発見4。
    《お菓子の小屋》《神秘の聖域》《隠された死滅都市》《睡蓮の原野》2枚が揃う。
    そうすると、《お菓子の小屋》+《神秘の聖域》+《睡蓮の原野》×2で8マナ出した状態で5マナで発見4を行い、デッキトップの《見事な再生》で全ての土地を戻し、《見事な再生》をデッキトップに積み、8マナ出して……を繰り返せる!
    そのためマナが3マナずつ・食物トークンが1つずつ、1回のループで増える=無限任意マナ・無限ライフゲイン!
  7. 最後は《鏡に願いを》をデッキトップに積んで《隠された死滅都市》の発見4を行う。
    協約コストを食物トークンを使って追加で支払い、《首謀者の収得》をサーチ&唱える。
    サイドボードの《苦悩火》を手札に加えて、マナを注ぎ込んでプレイヤーにキャスト!

このデッキの特長は、《鏡に願いを》《神秘の聖域》でコンボパーツの枚数が非常に圧縮されていること。

そのため、除去・ハンデス・アドバンテージ源といった、ミッドレンジ的なパーツをデッキに採用できるのです。

今回のリストでは、除去は《致命的な一押し》《喉首狙い/Go for the Throat》《食肉鉤虐殺事件/The Meathook Massacre》、ハンデスは《思考囲い/Thoughtseize》《強迫/Duress》、アドバンテージ源は《名もなき都市の歩哨/Sentinel of the Nameless City》《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》が採用されています。普通にミッドレンジです。

特に《名もなき都市の歩哨》は、3マナのカードでコンボ始動時必須の土地4枚目を探しに行けるカードとして非常に優秀! 3/4警戒のスタッツも、攻防共に頼もしいです。

アドバンテージ源の《勢団の銀行破り》、アグロに強い《食肉鉤虐殺事件》も一見普通のカードに見えて、コンボ始動時必須の「協約コスト用パーマネント(トークン or アーティファクト or エンチャント)」に宛てられるのが面白いですね。

コンボパーツが省スペースで、今後の拡張性にもある程度期待できる、新進気鋭のコンボデッキです。

クイントリウス・コンボ

新顔に負けていないのが、こちらも4ターン目始動ワンショットを持つ【クイントリウス・コンボ】。

……というかお前も十分新顔なんだよな……

以前、別の記事でも特集しましたが、《地質鑑定士/Geological Appraiser》の禁止に伴い「発見コンボ」自体がかなり下火になってしまい、一過性のブームとして消えてしまった……かのように思われていました。

実は、版図ギミックに寄せたタイプのリストが、今なおMOで好成績を残しているのです!

01/14開催のPioneer Challengeではなんと3位。トップ32ラインにも複数名顔が見え、ビッグアクションデッキの中では攻め手が速い方という立ち位置に収まりつつあります。

メインボードはほぼ固まっており、《群れの渡り/Herd Migration》《大狸/Greater Tanuki》でインスタントタイミングで土地を伸ばしながら、早期に《クイントリウス・カンド/Quintorius Kand》《嘶くカルノサウルス/Trumpeting Carnosaur》に辿り着くことを目指します。

それまでの道のりは、《力線の束縛》《豪奢+誤認/Bedeck+Bedazzle》、《徙家+忘妻/Consign+Oblivion》や《遠隔+不在/Far+Away》といった軽量除去でしのぎます。

《力線の束縛》《豪奢+誤認》は基本的に4枚採用、バウンス枠が2枚というリストが多い印象です。

さらに最近のリストで面白いのが、《風への放流/Release to the Wind》の採用!

《減衰球/Damping Sphere》《弁論の幻霊/Eidolon of Rhetoric》《エメリアのアルコン/Archon of Emeria》など、致命的な対策カードも多い【クイントリウス・コンボ】。それらに相手のエンドステップで干渉し、自分のターンで勝ちに行くためのバウンスカードですね。

面白いのが、「3マナだけど発見でめくれて大丈夫なカード」という点。

そう、コンボ中に捲れたら、《灯の分身/Spark Double》や《嘶くカルノサウルス》を戻せばいいだけ!

【クイントリウス・コンボ】は面白いカードの面白い使い方が次々見つかっていて、見ていて楽しいです。

往時のワンショットキル!の迫力はやや薄れましたが、「必殺技を持つ中低速デッキ」として、今後も見かけることは多そうです。草葉の陰で《地質鑑定士》さんも喜んでいることでしょう。

“バント”ロータス・コンボ

冒頭のYAHIさんの図を最初に見たとき、「おや?」と思ったことがありました。

……なんかロータス・コンボが2つに分かれてるな……

そしてデッキリストを見始めて納得。【ロータス・コンボ】に派生形が出ていたのです!

YAHIさんの図では【”バント”ロータス・コンボ】と書かれているこのデッキは、【ロータス・コンボ】の序盤の土地加速手段が《樹上の草食獣/Arboreal Grazer》から《厳しい試験官/Strict Proctor》に替わったものです。

替わった理由は、おおむね【アブザン探検コンボ】の存在でしょう。

【ロータス・コンボ】と【アブザン探検コンボ】では、【アブザン探検コンボ】の方が最速3ターン目とコンボが成立するのが早く、そのうえ【ロータス・コンボ】はコンボパーツが多く、干渉手段を積むことがとても難しいデッキです。

なら逆に考えるんだ。
コンボパーツを干渉手段にすればいいんじゃないか、と。

ということで採用されたのが、【アゾリウス・ロータス/ロータス・コントロール】でマナ加速手段として採用されていた《厳しい試験官》。まさかの本家ロータス逆輸入。

【アマリア探検コンボ】は非常にETB誘発に頼っているデッキのため、《厳しい試験官》が出ると動きが止まってしまいます。《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》を2マナ浮かせて出すしかない。

そんな悠長なことを【ロータス・コンボ】が許してくれるかというと……許してはくれません。

そのほかのデッキの動きは、これまでのロータス・コンボ=【”シミック”ロータス・コンボ】と同じ。普通に4~5ターンキルを狙ってきます。

2ターン目に3マナ動かせるようになる《樹上の草食獣》と、3ターン目に2マナアンタップを絡めて4マナ以上動かせるようになる《厳しい試験官》……なかなか好みが分かれそうな印象がありますが、単純な成績だけを見れば、YAHI氏の分析では【”バント”ロータス・コンボ】の方が勝率は上。

【アブザン探検コンボ】以外にも、《力線の束縛》《一時的封鎖》の追放・《嘶くカルノサウルス》の発見・《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》のドレイン、細かいところだと《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》の血トークン生成といったところを《厳しい試験官》は睨んでくれますし、アグロに対しても1/3のスタッツはブロッカーとして安心感があります。

今後、どちらのロータス・コンボが主流になるか、注目していきたいところです!

おわりに

ということで、今週気になったデッキの紹介でした!

皆さんのご参考になれば幸いです!

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