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パイオニアひとくちデッキ紹介 第2回【バント・オーラ】

デッキ紹介

眞白井エイドです。
普段はYoutubeで、MtGパイオニア環境に関する配信活動をしています。

この記事は、パイオニアで最近話題のデッキ・気になる人が多そうなデッキを、手軽にデッキ概要を把握できるようにまとめたものです。
みなさんの日頃のパイオニア環境情報収集に生かしていただければ幸いです!

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【バント・オーラ】ってどんなデッキ?

【バント・オーラ/Bant Auras】
(MTG Goldfishでは4c Auras表記)

クリーチャー主体 ○○●○○ 非クリーチャー主体
     攻撃的 ●○○○○ 防御的

執筆時点のMTGGoldfish直近2週間使用率:1.9%

主なカード
《皇の声、軽脚/Light-Paws, Emperor’s Voice》
《サイバの暗号術師/Saiba Cryptomancer》
《天上の鎧/Ethereal Armor》

【バント・オーラ】は、クリーチャーを強化するエンチャント「オーラ」を多用し、除去耐性のあるクリーチャーやシナジー能力を持つクリーチャーを集中的に強化するデッキです。
「ラヴニカへの回帰」でキーカード・《天上の鎧/Ethereal Armor》が登場したことで成立したデッキで、イニストラード・ブロック+ラヴニカへの回帰ブロック期のスタンダードで活躍しました。

また、《夢の巣のルールス/Lurrus of the Dream-Den》禁止前のパイオニアでは、《皇の声、軽脚/Light-Paws, Emperor’s Voice》を中核に据えた【オルゾフ・オーラ】の形で環境で存在感を放っており、チャレンジャーデッキにも選出。
最近の類似リストとしては、チャンピオンズカップサイクル1のファイナルへ行弘賢選手らのチームが持ち込んだ【セレズニア・オーラ】もあります。

ちなみに【オルゾフ・オーラ】も、オリジナルは行弘賢選手が開発したデッキです。
上のインタビューによれば、オーラデッキばかり使っているのはたまたまとのこと。

アーキタイプとしては、相手より強いクリーチャーを使ってライフを強気に削るビートダウン。

パイオニアでは、各エキスパンションから選りすぐりの強力なオーラを、《皇の声、軽脚/Light-Paws, Emperor’s Voice》での銀弾戦術を絡めながら使い倒します。

 

どんなカードが使われているの?

では、どのようなカードが使われているのでしょうか?
今回は、4/30のPioneer Showcase Challengeで10位入賞されていた、HughC氏のリストをサンプルに見ていきます。

クリーチャー

《林間隠れの斥候/Gladecover Scout》:4
《皇の声、軽脚/Light-Paws, Emperor’s Voice》:4
《サイバの暗号術師/Saiba Cryptomancer》:4

オーラを身に纏うクリーチャーは、精鋭の3種12枚。

《林間隠れの斥候/Gladecover Scout》は、パイオニアでは唯一の1マナ呪禁クリーチャー。

《皇の声、軽脚/Light-Paws, Emperor’s Voice》は、オーラが戦場に出るたびにデッキからオーラを追加展開!
しかも条件は、戦場にあるオーラと異なる名前かつ、マナ総量がそれ“以下”なので、《きらきらするすべて/All That Glitters》から《天上の鎧/Ethereal Armor》なんて無法なチェインも可能です

これらの2枚は【セレズニア・オーラ】でも使われていたカード。
これだけでも強いのですが、青を足してバントカラーになった理由のカードがコチラ。

「機械兵団の進軍」からの新戦力《サイバの暗号術師/Saiba Cryptomancer》です。
2マナ瞬速で飛び出しながら、他のクリーチャーに+1/+1カウンターと呪禁を付与できる、“呪禁クリーチャー”。
週刊ふんわりパイオニア便り・2023/5/4号でも紹介した1枚です。

同マナコストの《不可視の忍び寄り/Invisible Stalker》のような回避能力こそありませんが1枚で2枚分の役割ができ、そしてその役割がオーラ持ちクリーチャーを守れる、というのは非常にありがたい性能。
そしてこのカードのために青を入れたことで、他の非クリーチャー呪文の幅も広がっており、デッキパワーの底上げにつながっています。

 

非クリーチャー

《呪文貫き/Spell Pierce》:2
《液態化/Aqueous Form》:1
《無鉄砲/Audacity》:4
《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》:2
《執着的探訪/Curious Obsession》:3
《天上の鎧/Ethereal Armor》:4
《グリフの加護/Gryff’s Boon》:1
《ケイヤ式幽体化/Kaya’s Ghostform》:1
《歩哨の目/Sentinel’s Eyes》:1
《きらきらするすべて/All That Glitters》:3
《最上位権限/Alpha Authority》:1

白・青・緑の強力なオーラがずらっと並んでいます。

白からは、強化幅の高い《天上の鎧/Ethereal Armor》《きらきらするすべて/All That Glitters》、追加能力を付与する《グリフの加護/Gryff’s Boon》《歩哨の目/Sentinel’s Eyes》《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》

緑からは、チャンプブロックを許さず除去されたときのディスアドバンテージを緩和する《無鉄砲/Audacity》、《無鉄砲/Audacity》との相性も良い《最上位権限/Alpha Authority》

青からは、スピリットデッキでお馴染みのドローソース《執着的探訪/Curious Obsession》、回避能力を付与しながらドローの質を高められる《液態化/Aqueous Form》

特に、青が増えたことで採用できるようになった《執着的探訪/Curious Obsession》は、ハンドをコンスタントに切り続けるオーラデッキには非常にうれしい1枚です。

《呪文貫き/Spell Pierce》も、《煤の儀式/Ritual of Soot》《一時的封鎖/Temporary Lockdown》といった早めの全体除去に対応できる、青が入ったことによる強化ポイントです。
《至高の評決/Supreme Verdict》は諦めましょう

一方で、長らく布告除けとして活用されていた《結束のカルトーシュ/Cartouche of Solidarity》は、《シェオルドレッドの勅令/Sheoldred’s Edict》や《シェオルドレッド/Sheoldred》/《真実の教典/The True Scriptures》のような、「トークン以外を生け贄要求」のカードが増えてきており、やや信頼度が落ちていることは留意です。

 

なぜ注目されているの?

一番大きいのは、《サイバの暗号術師/Saiba Cryptomancer》の登場で、単体除去耐性が向上したことでしょうか。

オーラを多用するデッキは除去がない・除去が単体火力依存のデッキにはめっぽう強く、単体確定除去・全体除去に滅法弱いというピーキーな面があります。
そして後者の代表例が、貫禄の支配率トップ【ラクドス・ミッドレンジ】と、環境の番人【アゾリウス・コントロール】と、かなり支配率の高い2デッキでした。

ですが、その片方…単体除去を豊富に取った【ラクドス・ミッドレンジ】への耐性がやや上がったとなったら、それはオーラデッキを再び握る・試すモチベーションではあるでしょう。
また、《ポルクラノスの再誕/Polukranos Reborn》で【緑単信心】の人気も戻ってきており、そして【緑単信心】は得意なデッキなのも追い風かもしれません。

 

また、上振れしたときの爆発力は、先述のチャンピオンズカップで行弘選手と同デッキを持ち込んだ市川ユウキ選手に「パイオニアのハンマータイム」と言わしめるほど。

【アブザン・パルヘリオン】【異形化/新生化アトラクサ】【独創力】など、同じく爆発力の高いデッキの支配率がある程度高い環境下で、ダメージレースに持ち込めるのは大きな利点です。
【ロータス・コンボ】【ローナ・コンボ】以外のデッキなら、キーカードが決まったターン中の即死も基本ないため、相手にコンボを決められても、回避能力や横展開でライフを最後に押し込める可能性があります。

 

【バント・オーラ】の登場には、新カードを試したい、だけではない理由はあるかと思います。

 

今後はどうなりそう?

このデッキの弱点は明確。全体除去です。

そして、パイオニアで一番全体除去を強く使うデッキは【アゾリウス・コントロール】。
活躍できるかどうかは【アゾリウス・コントロール】の支配率に大きく左右される面はあり、そして【アゾリウス・コントロール】の支配率は【ラクドス・ミッドレンジ】の支配率と結びついています。

パイオニア環境には、ざっくりとしたバイオリズムがあり、

①「ラクドスが増える」
②「ラクドスに対抗できるコンボ・ビッグアクションデッキが増える」
③「それに対抗できるアゾリウス・コントロールが増える」
④「アゾリウスに対抗できるクロパ・ラクドスが増える」
⑤「クロパがラクドスに食われ、コンボ・ビッグアクションデッキが増える」
⇒③に戻る

という流れになっています。

執筆時点は⑤のあたりで、【ラクドス・ミッドレンジ】【独創力】【アブザン・パルヘリオン】が増えているタイミング。
となると、次にはビッグアクションデッキ、そして【アゾリウス・コントロール】が帰って来て…という流れが来そうなので、一旦苦しい時期に入るかもしれません。

ですが、④・⑤のタイミングではポテンシャルを発揮しやすいデッキでもあります。
もし、トーナメントや権利のあるイベントで使う場合は、流行をきちんと読む必要がありそうです。

また、ビッグアクションデッキの中でも、《白日の下に/Bring to Light》から《至高の評決/Supreme Verdict》《殺戮遊戯/Slaughter Games》を撃てる【白日オムナス】【5Cニヴ=ミゼット】、《一時的封鎖/Temporary Lockdown》を採用しやすい【エニグマ・ファイヤーズ】は注意しないといけない相手です。
これらのデッキの流行度も注意したい所ですね。

 

まとめ

【バント・オーラ】は、オーラでのクリーチャー強化を主軸にしたビートダウン!
《サイバの暗号術師/Saiba Cryptomancer》の登場で、単体除去耐性が上がった!
・青を加えたことで、ドローや打消しなどデッキの地力も上がった!
全体除去に弱いのは変わっていないので注意!
・勝利を掴むためには、環境の動向を見ることが特に必要!

ということで新装開店オーラデッキ【バント・オーラ】の紹介でした!
みなさんのパイオニアライフの参考にしていただけたら幸いです。

また、自分は毎週火曜日に「デッキリストを見る配信」で、MOを中心としたパイオニアのデッキリストの情報収集配信をしています。

この記事も大いに配信の内容が参考になっているので、ぜひ配信もご覧になっていただけると嬉しいです!
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それでは、また!

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