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【パイオニアインタビュー企画】#巧者に訊く 第14回:宇都宮巧さん/ラクドス・デーモン

パイオニア情報

眞白井エイドです。

普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。

さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。

今回は、2024年11月23日・24日に開催された「第17期パイオニア神挑戦者決定戦/神決定戦(以下、神決定戦)」で見事神の座へ就任された宇都宮巧さんにお話を伺いました。

長年競技シーン挑戦し続けてきた、歴戦の「巧者」のお一人である宇都宮さん。

ですが、「神」の座に辿り着いたのは、今回がようやく初めてのことでした。

歴戦の「巧者」は、いかにして神の座に辿り着いたのか?

それでは、インタビュー本編をどうぞ!

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自己紹介

眞白井
眞白井

ではまずは、自己紹介からお願いします!

宇都宮さん
宇都宮さん

宇都宮 巧です。オンラインではkatuo079595のアカウント名で活動しています。

宇都宮さん
宇都宮さん

普段はMSDというチームで都内を中心に競技イベントに参加しています。
好きな色もアーキタイプにも大きなこだわりがありませんが、マジック人生で最も勝たせてもらったので、《復讐蔦/Vengevine》が好きなカードですね。

眞白井
眞白井

読者の皆さんの中にはMtG競技シーンにあまり詳しくない方もいらっしゃるかと思うので、自分の方から補足させていただきますと、2015年頃より10年以上にわたって競技シーンに挑まれ続けている、日本競技勢の古豪!と言っても過言ではないお方です!

以前は晴れる屋さんのプロチーム「Hareruya Hopes」に所属されており、また、2017年にはプレインズウォーカー・ポイント日本最上位要するにWotC認定イベントに日本で一番参加した方にもなっています。すごいです。

眞白井
眞白井

お話に挙げていただいた《復讐蔦/Vengevine》は、モダンで開催されたMtGでも最大規模の大型大会・グランプリで2回連続Top8入賞された際のデッキのキーカードですね!

眞白井
眞白井

……と、色々これまでのご活躍を挙げさせていただきましたが、上のご活躍の通り、宇都宮さんは競技中心にずっとプレイされていることと思います。
これまでMtG、あるいは競技MtGにはどんなモチベーション・スタンスで取り組まれていましたか?

宇都宮さん
宇都宮さん

「常により大きな大会で、より良い結果を」というのをモチベーションにしています。
グランプリのような規模の大きい大会や、プロツアーのような特別な大会が好きで、それらに出場するために頑張っています。

眞白井
眞白井

グランプリは今度から「スポットライトシリーズ」として復活しますし、プロツアーもエリア予選廃止などシステムが変わって間口が広がるので、今後もますます挑戦し甲斐がありそうですね!
そして「より大きな大会でより良い結果を」、いいフレーズですね…!
これまでもフォーマット、ましてやデジタル・テーブルトップも問わず活躍されてきた継続力の源を見た気がします。

眞白井
眞白井

ではずばり、今回の神決定戦での戦績はどうでしたでしょうか!

宇都宮さん
宇都宮さん

6-1-1で予選ラウンド8位通過、通算で9-1-1で神に就任することが出来ました。

眞白井
眞白井

当時の神である斎藤さんを信頼してのサイドボーディングやプレイは、レベルの高いまさに「巧者」同士の戦いで、非常に見ごたえがありました…!

眞白井
眞白井

これまでも幾度となく挑戦されてきたと思う神決定戦シリーズですが、今回の神決定戦にはどのような気持ちで臨まれていましたか?

宇都宮さん
宇都宮さん

今回はそこまで気負わず参加していたんですが、いざ挑戦者になったら勝ちたい思いも強く、どうしたら勝てるかを考えていましたね。
メイン戦が結構厳しい印象だったんで勝てそうな展開のイメージをしていました。
元々昔のお互いデッキを読み合って戦っていた時のシステムがすごい好きで、その頃から憧れていたので、僕にとって神決定戦は思い入れのあるタイトルです。
これまでの3回の挑戦では、神に負けていたこともあって、なんかの神になるまでは出続けるつもりでした。

眞白井
眞白井

あまり詳しくないのですが、過去の神決定戦シリーズはちょっと仕組みが違ったのですか?

宇都宮さん
宇都宮さん

12期頃までは挑戦者決定戦戦の翌日に神決定戦ではなく、各フォーマットの挑戦者が決定後まとめて神決定戦を行っていたんですよね。
その時は挑戦者と神がお互いを認識した状態で、改めて当日持ち込むデッキを用意するシステムだったんです。

宇都宮さん
宇都宮さん

読まれてることを加味してあえて外したデッキを選ぶ人もいたし、読まれていたとしても自分の信じるデッキを使う人もいて、見ててすごい面白かったんですよね。
毎度勝手に予想して、神と挑戦者の読み合いのコーナーを読んで合ってるかどうか答え合わせしてました。

眞白井
眞白井

参加人数も増えた今では難しいのかもしれませんが、そのシステムも面白そうですね……!

使用されたデッキについて

眞白井
眞白井

では、今回の神決定戦に話を戻して。
今回使われたデッキはなんでしたでしょうか?

宇都宮さん
宇都宮さん

使ったデッキは【ラクドス・デーモン】です。
パイオニアを代表するミッドレンジデッキで、「ダスクモーン:戦慄の館」からの新戦力である、《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》が非常に強力だったことから、【ラクドス・ミッドレンジ】ではなく【ラクドス・デーモン】と呼ばれるようになりました。
軽い妨害が大量に入っていて、《不浄な別室/Unholy Annex》で引き増したそれらで、相手の行動を妨害して勝つデッキです。

眞白井
眞白井

パイオニアの玉座に座り続けている王道中の王道、環境の最前提たる「Tier 0 」の座にふさわしいデッキですね…!

眞白井
眞白井

今回、【ラクドス・デーモン】を使われた理由をお聞かせいただけますか?

宇都宮さん
宇都宮さん

前回の地域CS※のパイオニアの際に最終的に使用したので、その時に重点的にプレイしたのと。前身である【ラクドス・ミッドレンジ】は多くの大会で使用してきました。

※プレイヤーズコンベンション静岡2024で併催された、チャンピオンズカップファイナルシーズン3サイクル1のこと。以下「地域CS」と表記。

眞白井
眞白井

当時から【ラクドス・デーモン】を使われていたのですね!
当時はたしか黒単の方から発見されていて、ラクドスはまだ少数だったと思うのですが、どのような経緯で使用された・《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》を採用されたのでしょうか。

宇都宮さん
宇都宮さん

地域CSはMSDのメンバーと調整していましたが、僕が触っていたのは主に【ズアー・オーバーロード】や【イゼット・フェニックス】でした。

眞白井
眞白井

当時の【ラクドス・ミッドレンジ】、あるいは噂が流れ始めていた【黒単デーモン】に一矢報いることが出来るとされていた面々ですね。

宇都宮さん
宇都宮さん

デーモンに関しては僕はほとんど触っておらず、上記のデッキの感触が悪かったためチームメイトの組んでくれたデッキに乗った形です。
単色では引きムラが起こりやすく、それを防ぐために《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》を採用したいという経緯でラクドスカラーになったように記憶しています。
海外の結果も追っていてプロの誰かがラクドス型を使っていたのもありましたね。

MtGカード・鏡割りの寓話
眞白井
眞白井

その点はチーム調整の良い所ですね!
しかし《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》……やっぱりパイオニアパワー9なだけある……。

眞白井
眞白井

「ダスクモーン:戦慄の館」以前の【ラクドス・ミッドレンジ】については過去にお話をうかがったことがあるのですが、はどちらかというと妨害で少しずつ相手を消耗させ、クリーチャー(キキジキの鏡像含む)の質の良さで差を広げていた…というイメージがあります。
逆に言えば自分も消耗していくので、妨害の打ち方が実は難しいという話も聞いたことがあるのですが、《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》の加入でデッキパワーが上がったことで、そのあたりのプレイ感覚は変わりましたか?

宇都宮さん
宇都宮さん

《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》の加入で、序盤を捌き、《不浄な別室/Unholy Annex》を定着させ、あとはそこからのドローアドバンテージで圧殺するという明確なプランが出来ました。
以前は明確なゴールといえるほどのカードはなく、引いたカードと相手の動きを見て柔軟に動く必要がありました。

眞白井
眞白井

「ラクドス・ミッドレンジのミラーは《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》と《砕骨の巨人/Bonecrusher Giant》を上手く使えるか勝負」なんか呼ばれていた時期のお話ですね。
それが相当にプランが変わったと。

宇都宮さん
宇都宮さん

今のリストでは、部屋を安全に着地させればいいので序盤に盤面を捌くために適当に除去を吐くことも肯定されますし、部屋が定着したらドローが多すぎて雑にカードを投げても問題ないくらいです。
どういう展開に持ち込めばいいかが明確になったことで、簡単になったと思っています。
《不浄な別室/Unholy Annex》がある状況さえ維持できれば、多少雑なプレイであっても圧倒出来るだけの力がこのカードにはあります。

眞白井
眞白井

「適当に除去を吐いてもいい」……なかなか言えない言葉ですね(笑)
ちょっとお話が重なってしまうかもですが、今回使用されたデッキの良い所・メリット、あるいはデメリットを教えていただけますか?

宇都宮さん
宇都宮さん

上に書いた通りこのデッキは細かいテクニックが少なく、比較的簡単な方だと考えてます。
環境最強のミッドレンジですので比較的相性差が無く、どんな相手にも勝てるポテンシャルがあることが一番のいいところだと思います。

宇都宮さん
宇都宮さん

難しい部分を強いて挙げるとするとライフ管理かなと思います。
このデッキは《不浄な別室/Unholy Annex》の維持を目指すデッキなので、デーモンが盤面に用意できないの際のライフ支払いや、《思考囲い/Thoughtseize》のコストが重なると、驚くほどライフがなくなります。
部屋の展開の際も3マナ払って盤面には影響がないので、アグロ相手だとターンパスしているのと同じような状態です。
最終的な勝ち手段にもなる《不浄な別室/Unholy Annex》をいかに安全に定着させるかは、難しいところかもしれません。

眞白井
眞白井

そこは相手の脅威度を正確に見定めてどこを止めるか・どのようなゲームを目指すかを見抜く、【ラクドス・ミッドレンジ】時代から変わらない腕の見せ所ですね!

眞白井
眞白井

ではこれらの前提の上で、今回このデッキを使用しようと思った理由はなんですか?

宇都宮さん
宇都宮さん

実は元々は、出たばかりの「霊気走破」のカードを使用した面白そうなデッキでエンジョイ参加のつもりでした。
《復讐蔦/Vengevine》のような挙動をする、《アフターバーナーの専門家/Afterburner Expert》と《竜航技師/Draconautics Engineer》をフィーチャーしたデッキや、《忍耐の記念碑/Monument to Endurance》を採用したサイクリング等をテストしたのですが、あまりうまくいかなかったんですよね。
エンジョイできなそうなので勝つ選択をしようということになり、環境で最強のカードである《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》を最も強く使うラクドスを使おうということになりました。

眞白井
眞白井

……組もうとされていた面白そうなデッキの話、めちゃくちゃ気になります。
よろしければ詳しく伺えませんか?

宇都宮さん
宇都宮さん

とりあえず使いたかったのが《陰湿な根/Insidious Roots》×消尽パッケージでした。
大量に並べた根トークンを《竜航技師/Draconautics Engineer》の速攻で走らせたり、アガサに竜航技師を放り込んだり。すごい相性いいんですよね。

宇都宮さん
宇都宮さん

断念した理由がいくつかあるんですが、一番大きいのは入れたいカードが多すぎてパンクしちゃっていたんですよね。
赤いカードを入れてその素出しも強いんですが、20枚程度の土地枚数で3色を満足に出すマナベースって結構大変で…。
元々デッキの固定スロットが多いデッキで《恐血鬼/Bloodghast》のようなカードもあってで、入れたいカードの取捨選択+マナベースの問題を解決できるほどの時間はないなと思って断念しました。

宇都宮さん
宇都宮さん

他にも【グルール昂揚】や【サイクリング】をテストしたんですが、これらは単純にパイオニアのデッキパワーじゃなかったですね…。残念ながらスタン位のパワーでした。
サイクリングは特にすごくて、マナ払ってサイクリングし続けて最終的に土地だらけになってることばかりでしたw

眞白井
眞白井

サイクリング、自分もパイオニアなら!でエクスプローラーで組んでみたのですが、《忍耐の記念碑/Monument to Endurance》が実質4マナ以上のカードなのと、今の環境速度だと《天頂の閃光/Zenith Flare》が間に合わないのもあって寂しくなりましたね……。

宇都宮さん
宇都宮さん

《忍耐の記念碑/Monument to Endurance》さえ置けていれば土地ばかりの状況は回避できるんですが、依存度があまりにも高くて今のパイオニアでは簡単に処理されてしまいますしね。
《陰湿な根/Insidious Roots》デッキは結構しっかり強化されていると思うし、リストがまとまらなかっただけではあるので、どこかで再チャレンジしたいです。

眞白井
眞白井

《竜航技師/Draconautics Engineer》入り陰湿な根は、たしかに横展開からの速攻付与がとても強いですね!
《アフターバーナーの専門家/Afterburner Expert》も縦の打点として強力ですし。形になっているところをぜひ見てみたいものです…!
読者の皆さん、よろしくお願いします(笑)

使用されたリストについて

眞白井
眞白井

では、具体的なデッキリストの話について伺っていこうと思います。
一般的なリストと比較した際の、今回使用されたリストの特徴や工夫した点をお教えください。

宇都宮さん
宇都宮さん

実は特に無いです。
今の流行っているリストの完成度が高く、大きな変更をする必要が無いと思いました。
また神がそんな奇抜なデッキを使ってくるとは思わなかったので、特別なサイドボードを採用する必要も無いと思いました。
サイドの《絶望招来/Invoke Despair》と《碑出告が全てを貪る/Hidetsugu Consumes All》はどちらを3枚にしようか悩んだのですが、神もデーモンだろうと思って、《絶望招来/Invoke Despair》を選択しました。

眞白井
眞白井

実際には神の斎藤さんは【ゴルガリ・フード】を持ち込まれましたが……意外度としてはどんな感じでしたか?

宇都宮さん
宇都宮さん

ラクドスは斎藤さんが使い込んでいて、かつあんまり相手を選ばない最強デッキなのでほぼラクドスだろうと思っていました。
ラクドスが出てこない場合は、前回もプレイしていたゴルガリが出てくるかもなくらいは考えていましたが、ラクドスが出てこない可能性が5%くらいだろうと思っていたので、そっちの方に予想が当たってしまったなという感じです。

眞白井
眞白井

自分も齋藤さんは柔軟にデッキを使われるタイプの印象を持っていたので、【ゴルガリ・フード】継投は結構驚きましたね!

眞白井
眞白井

リストに話を戻して。
今回宇都宮さんが使われたタイプのリストは、MOはもちろん紙でも使われている方が多くて、完成度と安定感が好まれているリストなのかなと思います。
いっぽうで、今回top16にラクドスデーモンで入賞されていた方々はまた違ったリストだったかなと思います。
それぞれのリストで面白い・取り入れてみたいと思ったアイデアはありましたか?

宇都宮さん
宇都宮さん

トップ16にはお二方入賞していましたが、どちらもメインに《絶望招来/Invoke Despair》をいっぱい入れていた事が印象的でしたね。
相手を選ぶカードではあると思っていますが、同型での威力は絶大ですので環境がデーモンだらけだよねと予想してのことだと思います。
同型以外にも各種才能を処理したり、バーンダメージで押し込む展開もあるかもしれません。
同型以外でそこまで足を引っ張ることが無いのか試してみたいです。

眞白井
眞白井

けっこう【ラクドス・デーモン】はメインの数枚・サイドの数枚で、プレイヤーさんの仮想敵ややりたいゲームが見えてくるので、今回のリストもそれぞれお三方の個性やスタイルが出ていて面白いな~と思って見ていました。
【ラクドス・デーモン】ばっかりの大会!……という印象を持ってしまう方も多いのかなと思うんですが、そこは違うんですよ!と声を大にしたいポイントですね(笑)

眞白井
眞白井

それでいうと、今回のフィーチャーマッチでは様々なタイミングでの《黙示録、シェオルドレッド》の活躍が印象的だったと感じました。
最近3枚にまた戻ってきたこともあり、再評価されている1枚なのかなとも思うのですが、宇都宮さんとしてのご評価はいかがでしょうか?

宇都宮さん
宇都宮さん

《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》の評価は、同じマナ域の《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》の評価が大きく落ちたことによる再雇用の印象がありますが、環境にもデッキにもマッチしているグッドカードだと思っています。
よく残れば強いと言われますが、このデッキでは驚異の量も多く、ハンデスも大量に採用されていて残せる構成になっていると思います。
デーモンではありませんが、能力により実質デーモンなのもいいところですね(笑)
いろんなデッキでシェオルドレッドを使ってきましたが、歴代でも屈指のパワーを感じました。

眞白井
眞白井

脅威の連打で消耗戦を仕掛け、相手より大きな脅威で蓋をする……そのプランが先述の通り、《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》で狙いやすくなったと考えると、今の《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》は確かにパワフルな1枚と言えそうですね……!
なんなら【ラクドス・ミッドレンジ】時代は一時期抜けちゃってたりしましたからね(笑)
あるいは、いかに《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》が「ラクドス・ミッドレンジ」というアーキタイプを変えたのかという証明かもしれません。

今回のイベント

眞白井
眞白井

では今回のイベント……第17期パイオニア神挑戦者決定戦/神決定戦ですが、率直な感想はどうでしたか?

宇都宮さん
宇都宮さん

まさか勝つとは思っていませんでしたが、長年取りたいと思っていたタイトルを取れて素直に嬉しいです。

眞白井
眞白井

かなり思い入れのある大会、そして目標とおっしゃられていましたからね!
喜びもひとしおのことかと思います!

眞白井
眞白井

今回のイベントでのベストバウト、お伺いしたいです。

宇都宮さん
宇都宮さん

挑戦者決定戦のSEはどれもいいゲームで難しいのですが、挑戦者決定戦の準々決勝のvs【マルドゥ・パルヘリオン】にしようと思います。
動画とか残ってないんですが、《反逆のるつぼ、霜剣山/Sokenzan, Crucible of Defiance》のトークンで10点位削って押し切ってG2を勝って、《変わり谷/Mutavault》で10点位削ってG3を勝ちました。
引き的には相当渋かったんですけど、何とか正しく殴って勝てたので良いプレイが出来てたと思います。

眞白井
眞白井

「正しく殴る」、幾度となく自分も周囲の上手いプレイヤーさんから聞いてきた言葉ですが、やはりそれを大舞台で出来るというのは、素晴らしいことだと思います…!

眞白井
眞白井

逆に、今回のイベントでの反省点や、次の舞台までに改善したい点があればお教えください。

宇都宮さん
宇都宮さん

ちゃんと勝てたので反省というほどではないですが、サイドを少々雑に組んでしまったのでそれくらいですね。

眞白井
眞白井

それでも勝ててしまう、デッキと宇都宮さんのパワーに感服です……!

最後に~ラクドス・デーモン使いへのエールと今後について~

眞白井
眞白井

では、最後のご質問パートになります。
今回の宇都宮さんの結果を受けて、【ラクドス・デーモン】を使ってみようと思う方、あるいは今後も頑張ってみよう!という方もいらっしゃるのではと思います。
宇都宮さんから、そんな方々へのアドバイスやエールをお願いします!

宇都宮さん
宇都宮さん

あまり慣れてない方にはとりあえずハンデスでゲームのプランを立てることをお勧めします。
それが一番簡単です。
ある程度わかっている方には対戦しうる各デッキ用のプランを軽く立てておくことをお勧めします。
デッキの中身は相手を妨害するカードと自分から攻めていくカードの2種類なので、今どちらが必要か、何を引けば勝てるのかを考えるのが大切です。
ルーティングやドローが多いデッキなので、しっかりとしたプランがあれば、その強みを最大限に生かせるはずです!

眞白井
眞白井

どんなに強いカードが詰まっているデッキでも、それを最大効率・最大出力でプレイするに越したことはありませんからね!
個人的にも、「環境の最前提」ということは「すべてのデッキに狙われ、すべてのデッキを倒す」ことが求められるデッキなのかなと思うので、ぜひパイオニアを深ーく知るきっかけにしてほしいなと自分も思います!

眞白井
眞白井

最後に、今後の目標や挑んでみたいこと、大型大会などの予定があればお教えください!

宇都宮さん
宇都宮さん

前回の地域CSでプロツアーの権利を獲得しました。
ここ数年プロツアーの権利とは縁が遠く、念願の権利だったので、そこでしっかりチェインが出来るように頑張りたいです。

眞白井
眞白井

実は前回のCSでTop8に抜けられたみなさんにもこの企画でインタビューさせていただき、先日のプロツアー・霊気走破の様子を応援させていただいていたのですが、皆さん相当の強者・巧者であるにもかかわらず、チェインされている方はわずかで……いかにプロツアーが厳しい場なのかというのを感じました。
一筋縄ではいかないことかと思いますが、ぜひチェイン目指して頑張ってください!

眞白井
眞白井

では最後に、インタビューのまとめとして……。
「巧者」を目指すということは、競技的なプレイに挑戦「し続ける」ことではないかと、これまでのインタビューを通じて感じてきました。

10年以上にわたって戦われ続けている宇都宮さんとして、競技勢を続けるコツ・戦い続けるコツとはズバリなんでしょうか!
いま、競技を戦われている皆さん・挑戦しようとしている皆さんに伝えたいことがあればお願いします!

宇都宮さん
宇都宮さん

大きな大会で勝つのが自分のモチベーションと話しました。
大きな大会の緊張感や好成績を残せた時の達成感は、本気で打ち込まないと得ることが出来ません。
競技をやりたいと思っている人には、ぜひプロツアーレベルの大会でそれを感じてほしいです。

宇都宮さん
宇都宮さん

ただ本気でやることと前がかりになる事は違っていて、気楽にやることも大切だと最近感じています。
カードゲームである以上、運の要素からは逃れられません。
僕もめちゃくちゃ準備して挑んだ大会で、何度も即負け退場してきてます。

宇都宮さん
宇都宮さん

ただ、そこまでの過程がちゃんとしていれば、自分がちょっとツイてる日にちゃんと勝てるようになると思います。
負けた悔しさを次に生かして何度も挑戦していってほしいです。

眞白井
眞白井

人事を尽くして天命を待つ、ですね。
自分もけっこう負けが込むとめげてちょっと離れてしまうタイプなので……(笑)
見習わせていただきます!

おわりに

数々の公式カバレージに名を残し、今なお競技シーンをひたむきに走り続ける「巧者」・宇都宮さん。

大変お恥ずかしい話、自分は今回のインタビューまで詳しいご経歴を存じていなかったのですが……これまでのMtGとの歩みの長さ、そしてカバレージの随所からうかがえるMtGへの確固たる熱意に、とても感銘を受けました。

自分もMtGを初めて5年以上になってしまい、それでも大きな結果を出せていない焦りと強くなれないもどかしさを感じることは多々あります。
ですが、今回の宇都宮さんから頂いたメッセージは、「それでも続ける」ことへの意義を感じる、自分にとっては大きなものでした。
個人的な感想になってしまいますが、お礼を言わせてください。ありがとうございます!

そして、王者デッキたる【ラクドス・デーモン】の真のパワーの理由、そしてパワーをしっかり発揮する難しさ・奥深さというのも伝わっていれば幸いです。

ただ強いだけではなくて、強さを正しく振るうことも大切なのです!

改めて宇都宮さん、ありがとうございました!

次回予告と宣伝

今後も、「巧者に訊く」は不定期企画として続きます。

「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!

また掲載報告をはじめ、X/TwitterYoutube投稿にてパイオニアに関する活動の発信をしておりますので、ぜひフォロー・チャンネル登録をお願いします! 大変励みになります。

Youtube chメンバーシップ欲しいものリストも公開しておりますので、ご支援いただける方はよろしくお願いいたします…! 

 

それでは、また!

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