眞白井エイドです。
普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。
さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。
今回は、2024年10月12日・13日に開催された「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド1(以下、CCF3-1)」で見事優勝された小笠原智明さんことjgさんにお話を伺いました。
「3度目の正直」で辿り着いた日韓の頂点。
「ダスクモーン」で現れた新デッキ・【黒単デーモン】で大舞台に挑戦したjgさんは、『一歩先』を見据えて戦いに臨んでいました。
jgさんが短い期間で『一歩先』に辿り着けたのはなぜか?
それでは、インタビュー本編をどうぞ!
自己紹介
改めまして、このたびはチャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド1・優勝おめでとうございます!
2022年愛知のプロツアー進出、2023年千葉での準優勝、そして今回の2024年静岡での優勝と、たゆまない努力の末辿り着かれた頂点は、本当に喜ばしい物だったかと思います。
今回の「巧者に訊く」では、公式インタビューでは触れられていなかった点を中心にお伺いできたらと思います!
ではまずは、自己紹介からお願いします!
小笠原”jg”智明と申します。
MTG歴は「イクサラン(2017年9月)」からなので約7年ほどになります。
コミュニティとしては「マスとん」や「山田軍団」の方々と遊んでいます。
山田軍団は公式記事のほうでは出せませんでしたが、たまに競技的な大会に出るといった方が多いコミュニティです。
直近ではリミテッド神のTop7に2人入っていたりしますね。
普段は、店舗予選やラストサン予選、神決定戦などの競技性の高い大会に出ていることが多いです。
フォーマットやアーキタイプ、色などには特に拘りは無いので面白いと感じれば何でも触っています。スタンダードからMTGを始めましたが、次に触り始めたフォーマットはレガシーだったりもします(笑)
ちなみにきっかけはGP千葉2016の決勝ヤマケンさん対木原さんのアーカイブを見たこと、オススメです!
スタンダードからレガシーは、カードパワーの差で風邪を引きそうですね(笑)
競技的なプレイを中心に遊ばれているということで、様々なフォーマットを触られていることかと思いますが、特に好きな・得意なフォーマットはありますか?
好きなフォーマットはレガシー、得意なフォーマットはモダンだと思っていますが、実績的にはパイオニアのほうが圧倒的に上になってしまいました(笑)
3回CCFでTop16以上ですからね(笑)
レガシーについては先ほども述べたようにスタンダードの次に始めたフォーマットでもあり、今でも《意志の力/Force of Will》を打つのはカッコいいと思っているくらいです(笑)
公式の競技フォーマットからは外れていますが、プレイできる時間があれば触りたいと常に思っていますよ。
モダンを触る機会はスタンやパイオニアと比べて少ないものの、いつも勝率が良く楽しめているのでフォーマット自体と親和性があるんだと思います。
……ぶっちゃけるとパイオニアはどう思われているんでしょうか。(どきどき)
パイオニアは一昔前のモダンのような立ち位置になってきていて、かつスタンダードの影響も受けやすいエターナルフォーマットなので楽しくプレイしています。
ただ、少し前の【ラクドス吸血鬼】と【アブザン探検コンボ】が暴れていた環境だけは疲れていましたね……
長らくラクドスカラーが強い環境が続いているので、そろそろ大きなアップデートがあると良いなーと思っています。
個人的にはフェッチランドを使いたいので解禁と残りの5種の再録をどこかでお願いしたいです!
パイオニアフェッチ解禁はなかなかの思い切りですね!(笑)
スタンダードにフェッチを経由させるのはちょっと難しそうなので、ホライゾン系が必要そう…
残念ながら2025年の競技シーンでのパイオニアの予定は無くなってしまいましたが、実は2025年5月開催予定のチャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド3はプレイヤーズコンベンションでの開催ではないと明言されています。
この周辺で以前公式発表のあった新しいイベント・「マジック・スポットライト・シリーズ」がパイオニア開催で来るのではないかと個人的に予想しているので、楽しみに発表を待ちたいと思います!
あくまで私個人の予想なので、外れるかもしれませんが……。
そうですね~。
パイオニアは「チャンピオンズカップ」の最初のフォーマットにも選ばれて、競技イベント共にコロナ禍を挟んでの人気低迷を盛り返すことが出来た印象があるので、競技イベントがパイオニアからしばらく離れてしまうのはさみしいです。
しばらくコンベンションでのオープン系イベントもなかったので、「マジック・スポットライト・シリーズ」で取り上げてもらえると嬉しいですね!
レガシーがお好きというお話はちょっと意外でした。
スタンの次にレガシー挑戦は、MtGにかなり序盤からしっかりのめり込まれていたという感じがするのですが……。
公式記事でも「プロツアーに出たいという目標があった」とおっしゃられていましたが、具体的にその目標を持ったのはいつ頃だったのでしょうか?
また、きっかけなどもお教えいただきたいです。
昔からどんなゲームでも上を目指す思考でした。
例えば順位があるゲームでは1位を目指しますし、スコアやタイムを求められるゲームならそのベストを目指して遊ぶ。
同じようにデジタルカードゲームを始めた時もラダーで1位を目指していましたが、そのうち「メンコ※」と揶揄される状況を楽しめなくなっていました。
ソーサリータイミングの動きが基本なので、トップ勝負になりやすいんですよね。
※メンコ…お互いに強いカードを交互にぶつけあうゲームの意。多くは「要素がそれだけのゲーム」としてマイナスの意味で使われることが多い。
そんな時にたまたまニコ生でプロツアー「破滅の刻」の放送があり、赤単ミラーのインスタントの応酬に目を奪われました。
「僕がやりたいカードゲームはこんな感じのものだ!」って感じです。
そんな気持ちでMTGを始めたので、基本的には最初からプロツアーに出るという目標は持っていましたね。
具体的には1年目にPPTQ※突破、2年目にRPTQ突破を目標としていました。
半年くらいでPPTQは突破できたのですが、RPTQの突破=プロツアーへの出場はコロナ禍を経て5年目とかでの達成にはなってしまいました。
※昔はPPTQ→RPTQ→プロツアーという流れが一般的だった
なるほど、MtGに触れた時から「競技プレイ」が念頭にあったのですね。
公式記事でも触れられていた調整チーム「マスとん」さんについて、現在何年くらいご一緒に活動されているのでしょうか?
また、ご一緒に活動するようになって一番大きな変化・良かったことがあれば伺いたいです。
僕が最初に出場したRPTQのフォーマットがチームスタンダードだったんですよね。
そこでチームメイトとして誘ったのがマスとんの人で、そこから少しずつマスとんの方との交流が増えていきました。
ある日「エルドレインの王権」のドラフト会をマスとんが主催しており、そこに誘ってもらってから一員として受け入れられたと思っているので、一緒に活動しているのは5年くらいですかね。
競技大会に向けて取り組んでいる方が多いので、普段の練習や大会に向けての調整などがチームの大きなメリットだと感じています。
あと同じ目標に向かって一緒に頑張る友達がいるというのはゲームをする上でとても楽しいことなので、純粋に毎日が楽しくなりましたね。
会場でも誰も知り合いがいない、という状況が激減したのでそういった面も助かっています。
公式カバレージのとても仲が良さそうなお写真が非常に印象に残っているのですが、今回のCCFでも仲良しエピソード・楽しかったエピソードがあれば伺いたいです!
CCFの10日くらい前の僕の第一候補って【アブザン・パルヘリオン】だったんですよ。
《ベイルマークの大主/Overlord of the Balemurk》でミッドレンジプランが太くなっていて、メタゲーム的にも【アゾリウス・コントロール】や増える可能性のある【ラクドス・ミッドレンジ】あたりには有利なので良いなと思っていて。
それをメンバーの小林遼平くんにも伝えたらリーグで回してくれて彼も好感触でウキウキでした。
ただ対【ラクドス果敢】だけはMOリーグレベルでは勝ち越していたものの、リスト公開制を踏まえた時の練習はしていなかったので要検証として残していました。
それをCCF1週間前の土曜日に検証しようってなって回してみたら、20分で7ゲームくらい負けて一瞬で没になった時は笑いました。
一応、採用カードを色々検討し直しましたが、アーキタイプレベルでの相性差を覆すのは容易ではないと判断して、土曜の昼には別のデッキを探し始めました。
直前に右往左往するのはいつものことですねw
マスとんさんは本当にjgさんにとってホームといいますか、大切なコミュニティさんなのですね。
同じ目標に並走してくださる方がいる大切さはこれまでの「巧者に訊く」でもたびたび出てきたワードで、競技最前線を走られる方にとっては大きなモチベーションなんだなと思います。
調整の失敗も笑い合えるのは素敵ですね!
ありがとうございます!
マスとんは調整チームではなく、仲が良い人同士で遊んでいるという感じなので、それが良い形で出たのかなと思います。
使用されたデッキ/デッキリストについて
では、今回使用されたデッキと、デッキをあまり知らない方向けの簡単な説明をお願いします。
今回のCCFで使用したのは【黒単デーモン】です。
大量のハンデスと除去で相手の序盤の動きを妨害し、《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》や《不浄な別室/Unholy Annex》《アクロゾズの放血者/Bloodletter of Aclazotz》といった3マナ以降の強いスペルでボードを優位にしていきます。
3マナ以降のスペルはどれも単体で強いですが、《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》と《アクロゾズの放血者/Bloodletter of Aclazotz》の一撃コンボなど急にリーサルが来るタイミングもあり、相手視点では非常にやりにくいと思います。
《絶望招来/Invoke Despair》でエンチャントを触れたり、《腐食の荒馬/Caustic Bronco》で序盤のクロック+アドバンテージを稼いだり、各種墓地対策もあったりと黒単色でありながらサイドボードを含めて出来ることが多いのがデッキの長所です。
ちなみに《腐食の荒馬/Caustic Bronco》はライフを詰めてこない相手(青白コン、エニグマ、異形化など)用で、ミラーに入れる想定ではありません。
「ダスクモーン:戦慄の館」で新しく成立したデッキですね。
今回使用された【黒単デーモン】はリスト提出直前の水曜日(10/9)に乗り換えを決意されたと公式記事でお話されていましたが、月曜から触り始めての短期間で、乗り換える特に決定打になった点はなんだったのでしょうか?
履歴を振り返ったら、乗り換えを決意したのはリスト提出当日の朝4時でした(笑)
スクショにもありますが、週末~週明けまでは【ラクドス地獄の樹】をそこそこ回したり、海外のデッキガイドを読み漁ったりして時間を費やしていました。
MOリーグを潜っていると【黒単デーモン】と当たる機会があり、そこで【ラクドス地獄の樹】では恐らく微不利くらいはあるなと感じました。
逆に黒単を攻略しようと考えた時に、あまり良い解決策を思いつけなかったんですよね。
なるほど、敵視点から強さに気づかれていたと。
その辺りから自分の中での優先順位で徐々に【黒単デーモン】が上がってきまして、水曜に回したところデッキ自体が強いなと感じて決めたという流れです。
通常のリストは《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》と合わせて4マナ域が7~8枚入っており、ダブついた時の動きの悪さが気になっていましたが、友人たちが着目した《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》レス黒単はそこが改善されておりシュッとした部分に惹かれました。
気になるのは対イゼットフェニックス戦ですが、海外と比較して日本での使用率が低い点、そもそも《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》が無くても圧倒的に不利というわけではない点からデッキの方向性はこれで良いなと考えました。
乗り換える判断をするにあたって、これまでのご自身の経験などが活きたなと思う点はありましたか?
「マスとん」メンバーの皆さんの影響も大きかったと思いますが、ご自身の中での考えの推移といいますか。
何人かのチームメイトが黒単を回していましたが、そこまで激推しされていたというわけではなかったと思います。
というか週明けのタイミングではほとんどのメンバーが使用デッキをほぼロックしていて、僕とラストチャンスに出る友人くらいしかデッキ探しの旅に出ていた人はいないと思います(笑)
僕自身は1つのデッキを使い込んでマスターして戦うというよりも、メタゲーム上の立ち位置の良いデッキや最新弾で強化されたデッキを探して本番で使うというタイプのプレイヤーなので、数日前に乗り換えるという判断はいつものことでした。
少なくともパイオニアではそれが成功しているので、僕のデッキ選択の特性と噛み合っているのかなと思います。
メタの間隙を突くのが非常にお上手なのですね!
今回使用されたリストは《絶望招来/Invoke Despair》4枚採用・《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》不採用と、当時としてはやや珍しいリストでしたが、短期間でその調整・採用判断をするまでの経緯をお伺いしたいです。
《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》は先述の通りかと思いますが、《絶望招来/Invoke Despair》についてはいかがでしたでしょうか?
《絶望招来/Invoke Despair》については、CCFではメインサイド合わせて3枚くらいは取られているリストが多かったと思います。
僕もリスト提出15分前までは《絶望招来/Invoke Despair》3枚で、代わりに《苦難の影/Misery’s Shadow》の2枚目を取っていました。
「4枚は多いよ~」とか話していたら友人から「同系統のミラー(ラクドス系含めて)が多くなりそうだから4取ってエッジを出した方がいい」と言われギリギリに《絶望招来/Invoke Despair》の4枚目を選択しました。
本戦では《苦難の影/Misery’s Shadow》もかなりの活躍をしたので、いまだにどちらの選択のほうが正しかったのかは不明ですw
ちなみに《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》は採用しているリストが弱いとかは思っていなくて、別に無くても強いなといった感触です。
まさにその選択が、決勝でも命運を分けた感じがありますよね。
丸さを取るかエッジを出してとがらせるかというのはなかなか難しい所もありますが、自分は少なくとも当時の【黒単デーモン】ではjgさんの選択が最適解だったと思っています。
とはいえ、《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》不採用を始め、なかなか思い切った判断をされたのではと思います。正直なところ、CCF大会中のお気持ちはどうでしたか?
黒単を一緒に調整した友人と「これでボロ負けしたら、『やはり《ドロスの魔神》無しのリストなんてあり得ない』とか言われちゃうよね~」とかは話していました(笑)
ですがCCFの前日にラストチャンス予選があり、そこで同じようなリストの黒単を使う友人が3人出ていて1人はSE進出のバブルまで、もう1人はバブル(あと1勝で本戦権利)まで勝ち進んでいたんですよ。
その時点で全くの見当違いであるとかリストが相当弱いとかそういうことは無さそうだね、と軽く安心したのを覚えています(笑)
そこもご友人さんのパワーを受け取った感じですね!
先にリンクを貼りました公式インタビューではMVPカードは《沼/Swamp》とお話されていましたが……もう1枚MVPを選ぶとしたら何でしょうか?
《思考囲い/Thoughtseize》や《廃墟の地/Field of Ruin》、《切り崩し/Cut Down》など非常に活躍したカードもありますがMVPという観点では《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》ですね。
当然かもしれませんが、3ターン目にストレートで置けたゲームはほとんど勝っていたと思います。
【セレズニア・カンパニー】相手には非常に小回りの利くカードで、《エイヴンの阻む者/Aven Interrupter》で捉えられた時には2マナで《祭儀室/Ritual Chamber》のほうをキャストできるようになりますし、《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》相手には指定されていない部屋からキャストすれば通常通りキャストできます。
部屋を開放するのは起動型能力でもないので2マナ付加も影響ありません。
また、《祭儀室/Ritual Chamber》が開放されていればマナ総量も5以上で《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》で追放されることもありません。
おお、《スカイクレイブの亡霊/Skyclave Apparition》の話はよく考えていましたが、前半の《エイヴンの阻む者/Aven Interrupter》《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》周りのテクニックはあまり意識したことがありませんでした。たしかに……!
【セレズニア・カンパニー】もCCF当時急浮上してきたデッキでなかなか対策を考えるお時間も無かったかと思いますが、短期間でその強みを見出されていたのも流石です。
今回のイベント
では今回のイベント……チャンピオンズカップファイナル・シーズン3サイクル1ですが、率直な感想はどうでしたか?
同じデッキを握った友人3人と2日目に進出でき、そして決勝でも当たれたりと出来過ぎでしたね(笑)
またプロツアーや世界選手権に参加できることになり素直に嬉しいです!
ただ自分にしては上振れな結果だったと思うので、これからも日々MTGに触れて研鑽を積みたいと思います。
CCF自体にはだいぶ慣れてきたこともあって満足度は高いです。
やはり競技的な大会の独特な緊張感は何回味わっても良いものですね。
直近1年のCCFでは2日目への進出ができていなかったこともあり、少なくとも2日目には行きたいなとは思っていました。
ですが皆さんもご存知のとおり、マジックのトーナメントで勝つぞ!と意気込んでも大抵は無に帰すことになるので、正直なところ特に気負いすることはありませんでした。
ただ、EWとCCFが被っていることだけどうにかしてほしいですね……。
レガシーでエルドラージが使いたかったです……。
強者ならではの悩みですね(笑)
過去2回の挑戦と今回の挑戦で、何か変えた点・改善した点というのはありましたでしょうか?
CCFごとに改善点を考え、次のCCFや別の大型イベントで新しい試みを実行する、というのはいつもやっていました。
前回のCCFはスタンダードで友人の小林遼平くんがTop8に入ったものの、75枚同じリストの僕は初日落ちだったんですよね。
そこでは明確に練度不足だなと感じまして、単にメタ上で強いデッキを握るだけじゃダメだなと思い「ある程度早い段階でデッキを固定し、練度を上げる期間を作る」というのを今回の課題にしていました。
結果はというとまあ普通にリスト提出の朝まで固定しなかったわけですが(笑)、一応は意識して最後の土日の時点でいつもよりは択を絞って練習していました。
今回はその意識が結びついたというわけではありませんが、次回以降も同じ課題感を持って取り組んでいこうとは思います。
本当に今回の大会は、過去のCCFの経験、そしてご友人さんとの協力も実った、jgさんの集大成といってもいい結果だったのだなとこれまでのお話を伺ってきて思います。
ストイックに挑戦されてきたからこそ、きちんと形となって帰ってきたのだろうなと!
反省点としては、友人からもう少しデッキ選択を早めてくれと言われたので、そこは頑張ろうと思います(笑)
あとはパイオニア以外での結果も出したいので、次のモダンはしっかり練習しようと思います。
他のフォーマットでのご活躍も期待しております!
今回のCCFでのベストバウトがあればお教えいただけますか?
Top8入りのバブルマッチ・【ラクドス果敢戦】でサイド後、土地が3枚くらいで止まりつつも無限に除去を引いてライフを守っていました。
隙がある時に《変わり谷/Mutavault》で殴ったりしていましたが、結局身をほとんど引かず、最終的には《目玉の暴君の住処/Hive of the Eye Tyrant》が2回殴って勝ちと珍しい展開になりました。
おお、ですがきちんと勝利条件を見逃さないで戦われていたのですね。流石です!
最後に~黒単デーモン使いへのエールと今後について~
では、最後のご質問パートになります。
今回の小笠原さんの結果を受けて、【黒単デーモン】を使ってみようと思う方、あるいは既に手に取られた方もいらっしゃるのではと思います。
jgさんから、そんな方々へのアドバイスやエールをお願いします!
リストの解説やサイドボードガイドについては友人が書いてくれたのでそちらをご参照ください!
実際のプレイ感についてですが、コントロール寄りにずっしりと重く構える感じで良いと思います。
具体的な例ですが、CCF準決勝: 亀崎さんvs浅野さんのゲーム3。
最初の《強迫/Duress》で亀崎さんのハンドに《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》が残っていることを知っています。
その後先手3ターン目に浅野さんは《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》を起動し《沼/Swamp》を引けたことから《強迫/Duress》まで繋げました。
しかし、次のターンのドローが仮に土地であったら、結局《不浄な別室+祭儀室/Unholy Annex+Ritual Chamber》を置くことになります。
もし《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》のドローで《沼/Swamp》を引けていなかったら《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》がキャストされ、かなり不利になっていたでしょう。
ここはドローをせずに《強迫/Duress》で《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》を落としてゲームを進めるほうがよかったと感じています。
おお、細かい話ですが、リスクとリターンを考えると確かに…!
どうしてもマナカーブが気になって毎ターンフルタップしたくなる気持ちも分かりますが、入っているカードでいくらでも捲ることはできるので、大船に乗った気持ちでゲームを進めてください。
最後に、今後の大舞台……プロツアー、そして世界選手権にむけての意気込みをお願いします!
昨年、世界の場で戦ってみて自身の実力不足を痛感しました。
「次にまたこの舞台に戻ってくるのにどれだけかかるんだろう」と途方に暮れたりもしました。
当たり前ですが、わざわざ海を渡って大会に出に行くのに負けていいなんて思うわけがありません。
しかし現実は非情で、実力が無ければ容赦なくトーナメントから排除されます。
ですがそんな厳しい状況でも、「また出たい!」と思わせる不思議な魅力が実際のプロツアー会場にはあります。
家から配信で見たスター選手が目の前にいて「意外と身長高いな」とか思ったりもしますw
PT指輪物語ではあと1勝でチェインというラインで気持ちが切れ、後悔が残るプレイングをして負けてしまいました。
プロツアーでは今度こそ、チェインという目標まで勝ちを重ねたいです。
世界選手権も2日目への進出をまずは目標に、ドラフトを鍛えていこうと思います。
ぜひ、プロツアー・世界選手権でのリベンジ、頑張ってください!
おわりに
何度もカバレージで名前をお見掛けしてきた小笠原さん、改めjgさん。
コンスタントに好成績を残され、ついに日韓の頂点に立たれた「巧者の中の巧者」。
デッキ構築やプレイに関するお話についてはもちろん感服することながら、やはり自分の印象に強く残ったのは、「最初の夢」を追い続けるひたむきな挑戦者精神と、「MtG」を軽やかに楽しむいちプレイヤーとしてのお姿でした。
強烈なファーストインプレッションを与えてくれたプロツアーの舞台。
そして、その場に詰まっていた「MtG」の楽しさ・奥深さに、本当にjgさんは心を奪われたのだなと思います。
言葉の端々から、MtGの生み出す競技性・ゲーム性に惚れこんでいるのが伺えて、この思いの大きさが今回の最上級の結果につながったのかなと感じました。
このインタビューを読んだ方にその思いの「熱」が伝播し、もっと「MtG」を遊びたい・強くなりたいという思いが生まれていてくれたら、インタビュアーとしてはこの上ない喜びです。
改めてjgさん、ありがとうございました!
次回予告と宣伝
今後も、「巧者に訊く」は不定期企画として続きます。
「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!
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