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#パイオニアひとくちデッキ紹介 第1回【ディミーア・ローグ】

デッキ紹介

眞白井エイドです。
普段はYoutubeでMtGパイオニア環境に関する配信活動をしています。

この記事は、パイオニアで最近話題のデッキ・気になる人が多そうなデッキを、手軽にデッキ概要を把握できるようにまとめたものです。
みなさんの日頃のパイオニア環境情報収集に生かしていただければ幸いです!

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【ディミーア・ローグ】ってどんなデッキ?

【ディミーア・ローグ/Dimir Rogues】

クリーチャー主体 ●●●○○ 非クリーチャー主体
     攻撃的 ●●●○○ 防御的

執筆時点のMTGGoldfish直近2週間使用率:5.2%

主なカード
《盗賊ギルドの処罰者/Thieves’ Guild Enforcer》
《空飛ぶ思考盗み/Soaring Thought-Thief》
《湖での水難/Drown in the Loch》

【ディミーア・ローグ】は、特定の部族でデッキ内のクリーチャーをまとめた「部族デッキ」の一つです。
スタンダード環境が出自のデッキで、「エルドレインの王権」~「ゼンディカーの夜明け」期に、強力な「ローグ(Rogue)」=「ならず者」クリーチャーが登場したことで、デッキとして成立しました。

スタンダードのチャレンジャーデッキ2021にも選ばれていました。

ちなみに「ローグ」には「メタ外のデッキ」という意味もありますが、英語圏では「ならず者デッキ」は「Rogue“s”」と複数形で区別されます。

アーキタイプとしては、飛行クリーチャーを打点の中心として、優秀な除去・打消しを使うクロック・パーミッション。
相手のライブラリーを切削し、墓地の枚数を参照するシナジーが含まれているのが特徴的ですね。

パイオニアでは、スタンダード時代にはなかった強力な除去・ハンデスを手に入れ、相手への妨害力が高まっています。
とはいえクリーチャーの顔ぶれは、スタンダードからほぼ変わらないのですから驚きです。

どんなカードが使われているの?

では、どのようなカードが使われているのでしょうか?
今回は、4/22のPioneer Challengeで6位入賞されていた、TheSandwichKing氏のリストをサンプルに見ていきます。

クリーチャー

《盗賊ギルドの処罰者/Thieves’ Guild Enforcer》:4
《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》:3
《空飛ぶ思考盗み/Soaring Thought-Thief》:4
《厚かましい借り手/Brazen Borrower》/《些細な盗み/Petty Theft》:3
《夜鷲のあさり屋/Nighthawk Scavenger》:3
《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》:2

1~3マナのクリーチャーが中心となっており、かなり軽い構成です。

また、多くが瞬速を持つクリーチャーなのも特徴でしょう。
瞬速クリーチャーは後述の妨害インスタントとの相性がとても良く、相手の動きを抑制しながらクロックを展開出来ます。

特に《空飛ぶ思考盗み/Soaring Thought-Thief》は、瞬速2マナ1/3飛行とブロッカーとしての性能も高く、相手の墓地が肥えればロードとしても働いてくれます。
《厚かましい借り手/Brazen Borrower》も、1枚で2枚分の働きをしてくれ、瞬速3マナ3/1と高い攻撃性能を持ちます。
《夜鷲のあさり屋/Nighthawk Scavenger》は瞬速こそありませんが、接死・絆魂はアグロが一定居るパイオニアでは大事な能力。

そして、スタンダード期に無かった強力なカードの姿も。
それが《フェアリーの黒幕/Faerie Mastermind》、そして《黙示録、シェオルドレッド/Sheoldred, the Apocalypse》です。

《フェアリーの黒幕》は、「機械兵団の進軍」で追加されたフェアリー・ならず者。
そして、【ディミーア・ローグ】を再びパイオニア環境に復活させた立役者とも言える1枚です。

瞬速2マナ2/1の身軽さはもちろんの事、強力なのは相手の2枚目のドローに誘発する追加ドロー。
相手が追加ドローしようとしたときに出して、こっちもオマケに預かるわけですね。
ハンドが消える=妨害が出来ない=詰みやすいクロック・パーミッションでは、非常に追加ドローは染みる能力。

その上で、起動4マナとやや重いですが、お互いドローする能力を持ちます。
相手ターンに起動すれば……あれ、おかしいなこっちは2枚引くぞ?

そこに、強力なドローシナジークリーチャー、《黙示録、シェオルドレッド》が追撃を加えます。
スタンダード環境、そしてパイオニアでは【ラクドス・ミッドレンジ】でお馴染みの今を時めく法務官。
自身のドローには2点ゲイン、相手のドローには2点ルーズを与えます。

彼女がいる状態で《フェアリーの黒幕》を相手ターンに起動すると、
……あれ、おかしいなこっちは4点ゲインして相手は2点ルーズするぞ???

ということで、ならず者ではなく、4マナと重い《黙示録、シェオルドレッド》が採用されているわけです。

《黙示録、シェオルドレッド》がいなくても、相手のドローを抑制したり、途中からドローエンジンになり、クロックとしてもきちんと使える《フェアリーの黒幕》は強力な1枚。

TheSandwichKing氏が入賞する前のリストでは、お試しというのもあったのか、《フェアリーの黒幕》は2枚のリストが多かったのですが、強さが広まったのか、入賞後は3枚採用が中心になっています。
重い所に《トリックスター、ザレス・サン/Zareth San, the Trickster》を採用したリストも多かったのですが、こちらも《黙示録、シェオルドレッド》に移行しつつあります。

非クリーチャー

《漆月魁渡/Kaito Shizuki》:3
《致命的な一押し/Fatal Push》:3
《呪文貫き/Spell Pierce》:2
《思考囲い/Thoughtseize》:4
《湖での水難/Drown in the Loch》:4
《喉首狙い/Go for the Throat》:2

PWは定着しやすいドローエンジンの《漆月魁渡/Kaito Shizuki》が採用。
積極的に攻撃していき、いざとなったら瞬速でブロッカーを立てることもできるデッキなので、相性がいいですね。

《湖での水難/Drown in the Loch》は、相手の墓地の枚数を参照する、除去・打消し両方の役割が出来る名カード。
相手の墓地さえ肥えてさえいれば、パイオニアでトップクラスの除去・打消し性能を誇ります。

特に打ち消しはかなり《湖での水難》を信頼しているのか、序盤用・カウンター合戦用の《呪文貫き/Spell Pierce》だけになっています。

除去はいつもの《致命的な一押し/Fatal Push》に加え、現環境を定義するカードの1つ・《偉大なる統一者、アトラクサ/Atraxa, Grand Unifier》に対応できることを重視したのか、《喉首狙い/Go for the Throat》を採用。

これらのインスタントを構え、妨害を散らしながら瞬速クロックを展開していくわけです
まさにクロック・パーミッション!

なぜ注目されているの?

【ディミーア・ローグ】はパイオニアでは長いこと使用率が低いデッキだったのですが、実は「ファイレクシア:完全なる統一」環境末期から使用率が復帰しつつありました。

MTGGoldfishのデータによれば、2/18~3/17では9デッキがトーナメント入賞していたのですが、3/18~4/18(※「機械兵団の進軍」実装日)では19デッキが入賞。
そして4/19~4/29の10日間では24デッキが入賞と、入賞数は増加傾向。

この背景には、《偉大なる統一者、アトラクサ》の登場による屈指のコンボ中心環境があります。

各フォーマットで様々な方法で踏み倒されている《偉大なる統一者、アトラクサ》。
パイオニアでもそれは例外ではなく、《新生化/Neoform》《異形化/Transmogrify》そして《不屈の独創力/Indomitable Creativity》と、多様なカードが踏み倒し手段に使われ、そして一定のデッキパワーを持つところまで形になっています。

その入賞数、3/18~4/18の1ヶ月でなんと123デッキ。

そして、アトラクサデッキに対抗するために、それより早く話を決められる【アブザン・パルヘリオン】(同期間149デッキ入賞)や【ロータス・コンボ】(同期間105デッキ入賞)といった不干渉型コンボ、

そしてそれらを止められる【アゾリウス・コントロール】(同期間146デッキ入賞)が、非常に数を増やしていました。

アトラクサデッキ、不干渉型コンボ、そしてコントロール。

これらに同時に対応できるのが打ち消しと十分な速度のクロックを持つ、クロック・パーミッションというデッキだったのです。

実際、クロパ仲間の【スピリット】も、2~3月期は53デッキだったのが、3~4月期は123デッキと入賞数が大きく増えています。

クロック・パーミッションというアーキタイプ自体へ追い風が吹いているところに、《フェアリーの黒幕》追加によるパワーアップがあったことで注目度も高まり、入賞数が急増していたというわけですね。

今後はどうなりそう?

とはいえ、クロック・パーミッションも万能ではありません。
細かく動いて面で攻めてくるアグロ、あるいは火力が多く採用され、クロックをコンスタントに除去してくるデッキは苦手です。

前者の代表としては【アタルカ・レッド】や【白単人間】、後者は【ラクドス・ミッドレンジ】独創力コンボ】や【グルール・ビークルズ/グルール機体】、【赤単バーン】が挙げられます。

特に【アタルカ・レッド】【独創力コンボ】【グルール・ビークルズ】は、直近で数を伸ばしつつあるデッキでもあり、今後使用者数が伸びてくると、かなりつらい相手になるかと思います。
【異形化アトラクサ】も、除去を増やしたグリクシス型が開発されており、こちらも仮想敵になりそうです。

未だに最大手を走る【ラクドス・ミッドレンジ】は言わずもがな。
特に最近は、《偉大なる統一者、アトラクサ》対策で《戦慄掘り/Dreadbore》よりインスタント除去を優先しているリストも多いため、注意が必要です。

また、先述のように同じく数を伸ばしている【スピリット(アゾリウス・スピリット)】は、同じフライヤー中心のクロック・パーミッションながら、《至高の幻影/Supreme Phantom》や《執着的探訪/Curious Obsession》とタフネスを含めたスタッツを上げる手段が多く、展開が遅れるとクロック負けする可能性もあります。

一方で、すぐに【アトラクサ系】【アブザン・パルヘリオン】【ロータス・コンボ】は生半可なデッキは突破するパワーがあり、そして何より【ラクドス・ミッドレンジ】に有利を取れるデッキのため、特にトーナメントシーンでは、急に使用率が下がるということは考えにくいかな?とも思います。

そうなると【ディミーア・ローグ】は、しばらくはいい立ち位置が続くデッキなのかなと個人的には感じています。スピリットとクロパ仲間だしな!
逆に、これらの大振りデッキを握る方は、仮想敵として警戒した方が良いかもしれませんね。

まとめ

・【ディミーア・ローグ】は、墓地シナジーもある飛行主体のクロック・パーミッション!
・《フェアリーの黒幕》の追加でデッキパワーが高くなった!
・コンボ中心環境で立ち位置がよさそう!
・横展開アグロ、細かい除去コントロールには注意!
・大振りデッキ使いは今後要警戒!

ということで復権の部族クロパ【ディミーア・ローグ】の紹介でした!
みなさんのパイオニアライフの参考にしていただけたら幸いです。

また、自分は毎週火曜日に「デッキリストを見る配信」で、MOを中心としたパイオニアのデッキリストの情報収集配信をしています。

この記事も大いに配信の内容が参考になっているので、ぜひ配信もご覧になっていただけると嬉しいです!
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それでは、また!

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