眞白井エイドです。
普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。

さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。
今回は、2025年7月20日(日)・21日(月)に開催された「第18期パイオニア神挑戦者決定戦/神決定戦(以下、神決定戦)」で見事神の座へ就任された髙濵 真之介さんにお話を伺いました。
なんと、6月28・29日に開催された「マジック・スポットライト:FINAL FANTASY」でスイス4位通過・そしてTop4入賞の勢いのまま、神の座に就かれた髙濵さん。
そしてその両方で使用したのが――形はやや違えど、スタンダード・パイオニア共に環境の第一線を走っていた【赤単アグロ】でした。
2フォーマットを股にかけて栄光を手にした「巧者」による、【赤単アグロ】の極意とは…!
それでは、インタビュー本編をどうぞ!
自己紹介

ではまずは、自己紹介からお願いします!

今回、パイオニア神となった髙濵 真之介です。xのハンドルネームは「shin」でやってます。

MTG歴は、「ドミナリア(2018年4月)」~「ラヴニカのギルド(2018年10月)」間ぐらいから始めて、6年~7年ぐらいやってます。
普段プレイしてるのは、関東周辺でTC東京が一番多いです。

主なコミュニティは、TCで仲がいい人を集めた「晴れる屋24時の部」、TCモダン勢を集めた「みちこのかれぴ」、競技マジックをやりたい人が集まった、海外で活動しているMyraが主催しているサーバーのコミュニティの3個になります。
最後のMyraのサーバーのコミュニティは、大会の記録や解説等を動画にしていくことを同時に進めています。

Myraさんは、プロチーム「Worldly Counsel Heavy Play」に所属されている競技プレイヤーさんですね。優良な情報発信をはじめ、最近は活動者さんのコーチングなどもされている方です!

そして独特のお名前のコミュニティさんが多いですね(笑)
コミュニティ関連でいうと、今回、元パイオニア神の細川さん※がとても祝福されていたのを拝見したのですが、細川さんとはかなり仲がよろしいのでしょうか?
※細川さん:第14期パイオニア神の細川 航汰氏のこと。

僕らは「髭」って呼んでるんですが(笑)
細川とはここ2年ぐらいで仲良くなった感じです。
きっかけは、元スタンダード神の宮田 健太郎経由で、スパーリングを頼まれたのがきっかけだったような気がします。
彼が第14期パイオニア神決定戦の時、松原さん※との試合に臨むときに、【ボロス・ヒロイック】が上手い人で練習相手を探していると宮田から連絡があり、自分に白羽の矢がたった感じです。
※松原さん:松原 雄介氏のこと。第7期~13期パイオニア神就任。第14期は過去に防衛経験があり、《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》で強化された【ボロス・ヒロイック】を使用した。一方の細川氏は《懲罰者、ケアヴェク/Kaervek, the Punisher》《敵意ある調査員/Hostile Investigator》採用の【黒単無駄省き】を使用した。

おお、細川さんの神就任の立役者だったのですね!
そしてその時の縁がずっとつながっていて、今回の髙濵さんの神就任というのも熱いですね!


では、MtGを始めたきっかけ・ハマったきっかけをお教えいただけますか?

TCG自体は、小学生のころ、「デュエルマスターズ」や「遊戯王」をやったのがきっかけです。
中学生、高校生ぐらいになると回りがやめてしまいやらなくなってしまいました。
弟がやっていたので、付き合う程度にはやっていましたが、本格的にやってませんでした。
高校生ぐらいになるとギターを始めてしまい、音楽で飯を食っていこうと奮闘していたら余計にカードから遠ざかってしまいました(笑)

カードゲームを再開し始めたのは、音楽活動をやめて働き始めたころ位です。
その時に、会社の人がMTGをやっていてドラフトに誘ってくれたのがきっかけで、MTGを始めました。

社会人になられてからMtGに触れられたのですね!
ドラフトがきっかけとのことでしたが、そこからパイオニアに触れたきっかけ・始めたきっかけはなんでしょうか?

元々構築を始めるときは、パイオニアから始めました。
アリーナとかでも始めたばかりの時期にスタンダードは触れてましたが、本格的に始めたのはパイオニアからですね。あまりにも勝てなくてやめてしまいました(笑)
当時使っていたデッキは、【赤単ミッドレンジ】です。
そこから、違うデッキも使いたいという願望がわいて、《スプライトのドラゴン/Sprite Dragon》や《嵐翼の精体/Stormwing Entity》などが入った【青赤果敢】なども回してました。


うわ、懐かしすぎる~~~!!!
自分もその2枚は大好きでした! いいカードですよねえ。

当時、【青赤果敢】はカードパワーが足りず、カードプールがより広いモダンで強いとの噂聞き、そのままモダンを始めてしまい、一旦パイオニアから離れてしまいました。
その後、モダンで【ジャンド】※と出会うのですが、これが非常に楽しいデッキでした(笑)
ジャンドをずっとこすってましたね。こすりすぎて食傷気味になってしまいました。
やりすぎた結果、空気を換えたいなと思いパイオニアに再び戻りました。
※【ジャンド】…《思考囲い/Thoughtseize》《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》《タルモゴイフ/Tarmogoyf》《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》《荒廃稲妻/Blightning》などで、相手とアドバンテージ差を広げながら戦うミッドレンジ。長らくモダンの顔の1つと言えるデッキとして存在。

「空気を換えたい」というのは…?

モダンの空気から少し離れたかったのかなと今は思います。
あと、【ジャンド】というデッキが「モダンホライゾン」※勢の波に押しつぶされてしまったのが大きいかと思います。
確か、2022年5月頃くらいだったかなぁ~…モダンホライズン2の時期くらいです。
自分が好きで使っていたのが、《血編み髪のエルフ/Bloodbraid Elf》を入れたタイプの古いジャンドだったので、余計にカードパワーの差を感じましたね(笑)
《ウルザの物語/Urza’s Saga》を入れた【ジャンド・サーガ】というデッキが結構強かったので使ってみましたが、どうも好きになれない部分が多く。
パイオニア版のジャンドと言われる【ラクドス・ミッドレンジ】に移行した感じですね。
※モダンホライゾン…「スタンダードを経由しないモダン用セット」として発売された特殊カードセット。スタンダードを経由しないことでこれまで不可能だったカードパワーのカードが多数収録された。

2022年5月というと…「神河:輝ける世界」の後なので、《税血の収穫者/Bloodtithe Harvester》《鏡割りの寓話/Fable of the Mirror-Breaker》《勢団の銀行破り/Reckoner Bankbuster》《絶望招来/Invoke Despair》が入った後の、ちょうどパワーが1~2段階上がった頃の【ラクドス・ミッドレンジ】ですね!


戻った時には、【赤単ミッドレンジ】も【青赤果敢】もメタゲームからいなくなっており、別のデッキを探す必要があったのもあります。
【ラクドス・ミッドレンジ】の前は【黒単吸血鬼】で、こちらもかなり気に入って使ってました。

その後の変遷は、【ラクドス・ミッドレンジ】→【イゼット・フェニックス】→【ボロス・ヒロイック】→【赤単アグロ】の順番で使っていました。
こう見るとずっとミッドレンジばかり触ってましたね。アグロ系を握ったのは、ここ二年~三年ぐらいです(笑)

となると、MtGで好きな色・カード・戦略は…?

黒が好きです!
《思考囲い/Thoughtseize》が一番好きなカードです!
あとはPWが好きなので、PW絡めた戦略が一番好きです。


そうなると、まさしく《ヴェールのリリアナ/Liliana of the Veil》加入後の【ラクドス・ミッドレンジ】は好みにピッタリなデッキだったわけですね!


ではずばり、今回の神決定戦での戦績はどうでしたでしょうか!

7-1でスイスラウンド1位抜け、SEはbye※、その後2勝して優勝という感じです。
※第18期パイオニア神は、都合によりTop8の方が1名SEラウンドをドロップされていた。


歴戦の「巧者」である宇都宮さん相手に一歩も引かない攻めを見せ、見事攻め切った決定戦は、当時の「Tier0デッキ」である【赤単アグロ】のパワーを感じました…!
使用されたデッキについて

では、今回使われたデッキはなんでしたでしょうか?

今回使用したデッキは【赤単アグロ】です。
基本的には攻め続けて相手のライフを削りきるデッキになります。
マジック初期から存在してるアーキタイプであり、古い人だとスライとか呼んだりするデッキになります。まぁ簡単に言えば、令和版スライって感じです。

「ブルームバロウ」のハツカネズミパッケージと《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》、そして「ダスクモーン:戦慄の館」で《叫ぶ宿敵/Screaming Nemesis》が加入したのち、「霊気走破」期あたりから長らくTier 1~Tier 0として、MOイベントで使用率20%台を推移している、「勝ちたいならこれを使え!」なデッキですね。


デッキ自体はどれくらいの期間使われていますか?

実は、3か月ぐらいです。
「マジック・スポットライト:FINAL FANTASY(以下、スポットライトシリーズ)」に出る際に揃えた感じなので、使用期間は短いです(笑)

下列右端が髙濵さん

そう! なんと髙濵さんは、スタンダードで開催された1000名越えの超大型イベント・スポットライトシリーズでスイス4位通過・Top4入賞をされた方なのです!
よろしければ、その時のお話を伺えますか?

赤単を選んだ理由は、直近で使っていたモダンのデッキ・【ボロス・エネルギー※1】と使用感が似ていたことと、試合時間が短い点でデッキを選択しました。
あと、15ラウンドもやるので、絶対ミスするなと思ったのが大きいです。
第二候補として、【イゼット果敢※2】も選択肢にあったのですが、調整中に向いてないことが判明して赤単に戻った感じです。
結果としては、正解だったのかなと今では思ってます(笑)
※1 ボロス・エネルギー:エネルギーシナジーを活用しながら、《オセロットの群れ/Ocelot Pride》《ナカティルの最下層民、アジャニ/Ajani, Nacatl Pariah》《魂の導き手/Guide of Souls》といった軽量クリーチャーで攻める、アグロデッキ。
※2 イゼット果敢:禁止改定前に存在した、《嵐追いの才能/Stormchaser’s Talent》《コーリ鋼の短刀/Cori-Steel Cutter》を使用し、ドローソースや火力でそれぞれの打点を挙げながら攻めるアグロデッキ。当時はTier 1の立ち位置にあり、平林 和哉氏を優勝に導いた。

スタンの赤単からパイオニアの赤単に移行されたということで、メインの《無謀な怒り/Reckless Rage》《変わり谷/Mutavault》、サイドの《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》など、パイオニア化による追加パーツも多かったことかと思います。
追加パーツを得たことによるプレイ感やゲームプランの変化はありましたか?


ゲームプランには大きな変化はなかったですが、プレイ感は結構変わりましたね。
全部のカードが強いしマナコストが軽いので、1ターンでとれるアクション数が増えたのは、大きな変化だと思います。

影の功労者は《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》ですね。
このカードはこのデッキと噛み合いすぎて恐ろしいカードだと思いましたね。
ミラー対策の《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》もかなりの変化でしたね。
スタンダードではミラー対策で《塔の点火/Torch the Tower》をサイドに入れていたのですが、これがかなり弱かったので、ミラーもかなり余裕を持って戦っていましたね。


《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》は、戦場に出すと最低でも4点ダメージを底上げしてくれるカードですからね!
スタンダード当時も、これがローテーションで落ちたことで当時の赤単のパワーがグッと落ちてしまったことをよく覚えています。

では、今回使用されたデッキの良い所・メリットを教えてください。

カードが好きですし、デッキの動きが好きです。
あとは、カードがかわいいが暴力的に相手を攻め続けることが出来るところ・ゲーム時間が短いので大きい大会向きなところです。


「ブルームバロウ」のハツカネズミのみなさんですね。
本当に1~4マナまで隙がなく、そしてフィニッシャーである《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》にしっかりつないでくれる線の太いパッケージだと思います。

逆に、今回使用されたデッキの難しい所・良くない所・デメリットはありますか?

良くないところやデメリットは個人的にはないと思っています。
それくらい強いデッキだと思うし、気に入っています。
強いて上げるなら、デッキの方向性が一直線なところぐらいかと思います。
難しいところは僕はないと思っているのですが、相手の手札を予想しながら動く点、プレイングの選択肢の難しさなのかなと思います。

あとは、《変わり谷/Mutavault》《岩面村/Rockface Village》といった無色ランドが地味に足を引っ張るところですね。


《岩面村/Rockface Village》とクリーチャーでキープしたら、《山/Mountain》が足りなくて強化呪文や火力が2回撃てない!というシーンは、対戦していてもよく見かけますね。

プレイに関して。
過去にはミッドレンジ系のデッキを好まれていたこと、細川さんとのエピソードで「ボロスヒロイックの名手」という評があったことから、ミッドレンジ使いとしてもアグロ使いとしても経験を一定詰まれているのかなと感じました。
今回の赤単アグロの動かし方に関して、ミッドレンジ使い・アグロ使いそれぞれでこれまでの経験や視点が役に立った部分はありますでしょうか?

名手って(笑) そうですね…言語化すると難しいのですが…
対戦相手の除去の切り方で、違和感や疑問を覚えることになったのが結構大きな点かなと思います。

簡単な例だと、自分が後手で《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》をプレイしました。
先手の相手がこれを倒すために、相手が《致命的な一押し/Fatal Push》を使うのではなく、《喉首狙い/Go for the Throat》を使って倒したとします。
このプレイってかなり違和感があるプレイで、効率的に《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》を倒すカードが相手の手札にないことを示しています。


これは対【イゼット・フェニックス】とかでも起こります。
《焦熱の衝動/Fiery Impulse》を使って《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》を倒すのではなく、《稲妻の斧/Lightning Axe》で倒したとしたら、手札のカード2枚使って一体のクリーチャーを倒してくるので、非常に効率の悪いプレイといえます。


こういった、効率が悪いプレイ等の違和感をゲーム中に見つけていくのが、色んなデッキを触っていく中で身についた視点なのかなと思います。
この視点はアグロデッキを使う上では、かなり大事な視点ではないかと個人的には思います。


行動から手札を推測して、じゃあこのカードを使っていけば相手は困るのではないか・対応できないではないかという動きをしていくことで、相手の選択肢を狭めながらライフを削る動きですね。
自分もアグロプランが取れる【スピリット】を使っているので、なんとはなしですがその感覚はわかります。

では、色々語って頂いた上で…今回このデッキを使用しようと思った理由はなんでしょうか?

デッキの中に入っているカードが好きなのと、スポットライトでもいい成績を残しているので、使いたいなという思いから使った感じです。

カードパワー、そして直近の好成績への信頼ですね!
使用されたリストについて

では、具体的なデッキリストの話について伺っていこうと思います。
一般的なリストと比較した際の、今回使用されたリストの特徴や工夫した点をお教えください。

直近のリストでは、【赤単アグロ】は主に3パターン存在していたと記憶しています。
《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》が4枚メインに採用されている形、《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》がメインに複数程度取られている形、《影槍/Shadowspear》がメインに入っている形です。


それぞれは特徴があると思っていて、《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》型は《無謀な怒り/Reckless Rage》を複数枚入れやすいので、ミラーと天使デッキに対するガードを上げた形。
《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》型は、【アゾリウス・コントロール】【ラクドス・デーモン】などの中低速デッキにガードを上げた形。
《影槍/Shadowspear》はミラーを強く意識している形だと思っています。

今回、自分が使用したリストは、どれのパターンにもない、スタンダードで活躍した《雇われ爪/Hired Claw》を4枚採用した形です。
1マナ域が12枚と、かなりアグロ向けにリストを組みました!
《損魂魔道士/Soul-Scar Mage》型と《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》型は、ゲーム中盤、後半での《岩面村/Rockface Village》の恩恵を受けられないと思い疑問を思ったので、変更しました。

《岩面村/Rockface Village》でのパワーアップと速攻付与で、より早く攻めていくことを意識しながら、先述の無色土地の問題を緩和した形ですね!


メタゲーム的には、【イゼット・フェニックス】【赤単アグロ】【ラクドス・デーモン】【サクリファイス】【セレズニア・エンジェル】が流行ると考えていたので、
・【イゼット・フェニックス】【サクリファイス】
→《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》《引き裂く流弾/Rending Volley》(《帳簿裂き/Ledger Shredder》が見えたら入れる)
・【赤単アグロ】
→《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》
【ラクドス・デーモン】
→《ウラブラスクの溶鉱炉/Urabrask’s Forge》《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》
・【セレズニア・エンジェル】
→《引き裂く流弾/Rending Volley》《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》
みたいな感じでサイド決めた感じです。

実際には天使はかなり少なく、ハンマータイムや呪禁オーラのような《幽霊による庇護/Sheltered by Ghosts》デッキが意外と多かったメタゲームでしたが、スイスラウンドでは遭遇されたりしましたか?

実はスイスラウンドでは、当たってないですね(笑)
ただ、同じ【赤単アグロ】で遭遇して散っていた人が何人かいましたね…。

やはり【赤単アグロ】キラー…。

実際に対戦したマッチアップは、こんな感じでした。
赤単⭕️⭕️
青白コン❌❌
イゼフェニ⭕️⭕️
赤単ゴブリン⭕️❌⭕️
ゴルカリフード⭕️❌⭕️
グルール果敢⭕️⭕️
ゴルカリフード❌⭕️⭕️
ディミーアミッド⭕️❌⭕️
一位抜け
bye
ジャンドフード⭕️❌⭕️
ラクドスミッド⭕️⭕️

自分的には、あんまり不利なマッチアップはないと思っていたのですが、実際に当たって不利だなと思ったのは、【サクリファイス】でしたね。
《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》で無限にチャンプブロックされてしまうので、ハツカネズミ達の攻撃が通りにくいマッチアップだと感じました。
デッキの構造とかがこっちの戦術に対して強いデッキだとも思いました。


…本当のことを書くと、【サクリファイス】の動きはあまりよくわかってないまま試合してました(笑)
《全てを喰らうもの、イグラ/Ygra, Eater of All》の無限コンボのやり方も、スイスラウンドの道中で対戦相手に教えてもらったくらいです(笑)

意外と最近搭載されたギミックですからね(笑)

意識していたデッキについて、直近ではパミュレットこと【スケープシフト】が日本人プレイヤーで話題になっていたかと記憶しています。
こちらについては何か意識されたりした部分はありましたか?


【パミュレット】については本来の速度で勝つと思ったので、意識はしていましたが最低限の対策で良いと思ったので、最終的なゴールが《森の轟き、ルムラ/Lumra, Bellow of the Woods》を用いたクリーチャーコンボなので《墓掘りの檻/Grafdigger’s Cage》、土地が並ぶので《陽背骨のオオヤマネコ/Sunspine Lynx》だけ入れた感じです。

そこはやはり【赤単アグロ】の強みの1つですよね。
とりあえず最高速度を叩きつければ勝てるデッキが多い!


それで言えば、現在の【赤単アグロ】はコンボ殺しという印象があるかなと、個人的に感じていますが…プレイヤー目線だと実際どうなのでしょうか?

最速3キルが出来るデッキなので、コンボ殺しの側面が強いのは同感です。
プレイされて楽なのは、実はあんまりないです(笑)
アグロデッキって、場面によって最適な回答を模索することが多いので、これされたらこれってというテンプレ的なプレイはあんまりないと思っています。

意外とこっちも苦労しているんだぞと(笑)
ちょっと代表的なコンボの皆さん…【ロータス・コンボ】【パルヘリオン】【サクリファイス(イグラコンボ)】について、所感を伺ってもよいでしょうか?


【ロータス・コンボ】は比較的有利なマッチアップです。
お互い自分の動きを優先するので、互い干渉せずゲームが進んだ場合は、【赤単アグロ】側が速度で勝つので比較的戦いやすい相手の認識です。

【パルヘリオン】に関しては…このマッチアップは【赤単アグロ】側がどうこうというより、相手の墓地の落ち具合に依存する部分が多いので、なんと言えない部分が多いのですが、【パルヘリオン】側が最高速度で回った場合は、出力が赤単側より高いので、かなり負ける印象です。
普通の速度で回った場合は、赤単の方がダメージを与える速度が速いので、比較的勝つかなと思います。サイドカードも含めて、五分五分な認識です。

【サクリファイス】とのマッチも【パルヘリオン】と似ていると思っていて、相手の墓地の落ち具合に依存する部分が多いです。
【パルヘリオン】よりもきついのが、《大釜の使い魔/Cauldron Familiar》と《魔女のかまど/Witch’s Oven》のドレインシナジーです。
先程も記載しましたが、自分の攻撃が通りづらくなるためライフを削り切れない展開が多く存在し、そのままコンボが決まって負けとパターンが基本的な負け方です。
この戦術が赤単にはきついので、比較的不利なマッチアップだと思ってます。

なるほど…「楽ではない」の言葉の重みを感じます。

では最後に、マッチアップのお話の流れということで…。
おそらくしばらく、【赤単アグロ】は以前の【ラクドス・ミッドレンジ(ダスクモーン以前)】のようにTier 1、あるいはTier 0デッキの立ち位置に居続けるのかなと思います。
これまでの内容と被るところもありますが、使い手目線で、赤単アグロを相手取る際のキーポイントや意識すべき点をお教えいただけますか?

基本的に一瞬で決まるコンボデッキとかはきついです。ライフ関係ないので(笑)
あと、除去コントロールをしてくるデッキなどは割ときついです。
序盤は除去等で過ごして、中盤から綺麗に動かれると余裕で負けます。

意識すべきポイントはマリガンです。
メインはしょうがないですが、サイド後はきちんとマリガンしておくことをおすすめします。
自分がサイド後のゲームで目指したい盤面等をイメージしてマリガンすると、苦手なマッチアップも改善することがあるかもです。
マリガンしすぎも負けるので、バランスに注意してください。

これは全ての対面に通じる言葉でもありますが、先ほどご自身でもおっしゃられていたとおり、「デッキの動きが一直線」な【赤単アグロ】だからこそ、自分側のゲームプランをしっかり対【赤単アグロ】でイメージしていこうということですね!
今回のイベント

では今回のイベント……第18期パイオニア神挑戦者決定戦/神決定戦ですが、率直な感想はどうでしたか?

パイオニアは現在、競技フォーマットではないので、人がそこまで多くないかなぁ~と思っていたら、150人以上と比較的人数が多くて驚きました。
競技人口が少ないとメタゲームなどが分からないためか、好きなデッキでみんなやってるなと感じました。

そうですね!
自分も当日参加していて、「もしかして100人切ってしまうのでは…?」とまで考えていたのですが、ふたを開けてみたら163名での8回戦で驚きました(笑)

メタゲームも、上位デッキこそMOイベントに近い形ではありましたが、使用者1名デッキの多さとその自由さはやはりパイオニアの醍醐味ですね!


では、今回のイベントでのベストバウトは何だったでしょうか?

宇野宮さんとの最後の試合で、バーライ…《噴出の稲妻/Burst Lightning》で決めたことですね。
最近、自分が写ってる動画よくよく見返したらこれで勝っていたことが多いので、結構印象に残ってますね(笑)


バーライを愛し、バーライに愛されし男、というところでしょうか(笑)

逆に、今回のイベントでの反省点や、次の舞台までに改善したい点があればお教えください。

勝ったので反省等はありません!
次の舞台はチャンピオンズカップファイナル(サイクル4-1)で、フォーマットは普段からやっているモダンです。
今のところ、改善したいところなど思いつかないですが…普段通りやっていければいいかなと思ってます(笑)

自然体で勝てるなら、それに越したことはありませんからね!
既にプロツアーの権利は獲得されているとのことですが、せっかくなら優勝して世界選手権まで行っていただきたいです!
最後に~赤単アグロ使いへのエールと今後について~

では、最後のご質問パートになります。
今回の髙濵さんの結果を受けて、赤単アグロを使ってみようと思う方、あるいは今後も頑張ってみよう!という方もいらっしゃるのではと思います。
実際、MOでも《雇われ爪/Hired Claw》採用型が8月に入ってから活躍していたりなどもしており、影響の大きさも感じております。
髙濵さんから、そんな方々へのアドバイスやエールをお願いします!

赤単アグロは、シンプルに見えて実は繊細なデッキです。
一つ一つの選択が勝敗に直結するからこそ、自分の成長を実感しやすく、やり込みがいがあります。

これから始める方には、「勝ち筋を見極めて、それに一直線に進む」ことを意識してみてください。
すでに使っている方には、「1点をどこで稼ぐか」「どこで手を緩めるか」といった細かい部分を突き詰めていく楽しさを、ぜひ味わってほしいです。
何より、赤単は触っていて楽しいデッキです!
自分なりに極めてください!

今後の目標や挑んでみたいこと、あるいはパイオニア神になったのでこういうことをやってみたい!などありますでしょうか?

今後の目標は、先ほども触れた直近のチャンピオンズカップファイナルですね。
実は出場したことないので、結構楽しみです。
その次が、ラストサン本選、そしてプロツアーです。
本来のプロツアーは「久遠の終端」のプロツアーだったのですが、時間がとれず次回のローウィン再訪のプロツアーにパスすることにしました。

大舞台続きですね…!
フォーマットもバラバラなのでご準備が大変かと思いますが、ぜひ頑張っていただきたいです!

では最後に、次なる大舞台たち、そして少し気が早いかもですが…次回の防衛戦への意気込みをお願いします!

まずは次のチャンピオンズカップファイナルを、しっかり準備して自分のプレイが出せるように頑張ります。
対戦は楽しみでもあるので、気負いすぎず、でも全力でいきたいですね。
ちょっと先になりますが次の防衛戦ももちろん意識しています。
今回の結果に満足せず、次も結果を出せるように日々アップデートしていきたいです。

ぜひ、連続就任していただきたいです!
今後のご活躍にも期待しております!
おわりに
「最新の赤単」の鮮やかな強さを見せつけて新たなパイオニア神となった髙濵さん。
その鮮やかさを発揮できた理由は、意外にも、これまで親しみ積み重ねてきたミッドレンジデッキでの経験でした。
また、デッキのメリット・デメリット、有利・不利を冷静に評価されていながらも、それでも選んだ理由に「好きなカードが使えるから」が真っ先に挙げられていたことは自分にとっては意外な驚きでもあり、初心者時代の【青赤果敢】やモダン時代の【ジャンド】の話とも通ずる、強さだけではなく「好き」を楽しむ髙濵さんの変わらぬプレイスタイルも感じました。
お話の端々からも、対戦、あるいはMtGそのものを臨機応変に伸び伸びと楽しむ髙濵さんのお人柄が伺えてきて、大型大会への意気込みにも出たとおりの「自然体」でMtGを楽しまれている方なのだなと個人的には思います。
ストイックなグラインダーの強さや、主義を貫くスペシャリストの強さとも異なる、髙濵さんの強さの裏を感じたインタビューでした!
改めて、髙濵さん、ありがとうございました!
次回予告と宣伝
今後も、「巧者に訊く」は不定期企画として続きます。
「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!
また掲載報告をはじめ、X/TwitterとYoutube投稿にてパイオニアに関する活動の発信をしておりますので、ぜひフォロー・チャンネル登録をお願いします! 大変励みになります。
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それでは、また!