眞白井エイドです。
普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。
さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。
今回は「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド1(以下、CCF3-1)」特集!!!
前回のこまさんに引き続き、2024年10月12日・13日に開催された「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド1(以下、CCF3-1)」でトップ8に入賞された方の中から、下河部 耀成さんことプロレイジーさんにお話を伺いました。
自分がお手伝いさせていただいているMTGA有志大会「まじ☆すと」、そして環境最速スタンダード大会「蒼紅杯」で優勝経験を重ね、デジタルMTG界で躍進を続けられているプロレイジーさん。
以前には「晴れる屋」店舗タイトル・東海王でもあった、フォーマットを問わず活動されているテーブルトップ競技勢の方でもあります。
そんな実力者が今回握ったのは白単人間…ではなく【アゾリウス人間】!?
青が加わったことで、人間デッキはどこまで強くなったのか?
なぜメタ外の人間デッキがここまでの好成績を残せたのか?
それでは、インタビュー本編をどうぞ!
自己紹介
では、自己紹介からお願いします!
プロレイジー(シモカワベアキナリ)です。
MtGは「イクサランの相克(2018年1月)」から始めました。
活動地域は愛知、コミュニティはチームごみ箱、横谷海賊団、地獄の中田軍団、ウォーブレ村にお世話になっています。
好きな色は「白」、好きなカードは使っているカードなら《ミナ・ハーカー/Mina Harker》※、使っていないカードなら《敬慕されるロクソドン/Venerated Loxodon》です。
……ちなみにあえての《ミナ・ハーカー/Mina Harker》には理由があったりするのでしょうか。
そっち出てから使うようになったからですね。
なんで通常版持ってなくて《ミナ・ハーカー/Mina Harker》だけ持ってます。
あー、たしかに「イクサランの相克」からだと《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》に触れる機会は「イニストラード:真紅の契り」だけですね。
実は、プロレイジーさんはMtG歴が長い印象が勝手にあったので、今回のインタビューで「イクサランの相克」からと聞いてけっこうびっくりしました。
使用されたデッキについて
では、今回使用されたデッキと、デッキをあまり知らない方向けの簡単な説明をお願いします。
【アゾリウス人間】です。
大枠としての【人間デッキ】は、多くの1マナや2マナのカードを採用し、1ターン目から3ターン目まで連続して動いて相手のライフを削り切る高速アグロデッキです。
従来からあるデッキの【白単人間】に《マネドリ/Mockingbird》と《反射魔道士/Reflector Mage》が入っただけのデッキとも言えます。
《マネドリ/Mockingbird》というカードが人間デッキの強い動きの再現性を上げるため採用しました。
《マネドリ/Mockingbird》のお話は、あとで出てくるプロレイジーさんのnoteに詳しく書かれていましたね。
デッキ自体はどれくらいの期間使われていますか?
【アゾリウス人間】はファイナル合わせて5日。
【白単人間】は2年くらいです。
5日。すごい。
その短期間でデッキを自分に合わせるのはなかなか大変だったのではとも思うのですが、2年使われていたという【白単人間】のノウハウが活かせたところ・逆に大きく違うなと思ったところはありましたか?
基本的には【白単人間】を使ってるのと感覚変わらないです。
これは自分以外の使用してみたい人にも(アドバイスとして)言えることだと思っています。
大きく違うと感じたところは土地からのダメージです。
特に(セットランドが)《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》スタートになると、自分へのダメージがバカにならないので、ミッドレンジ戦はそれが負け筋になる場合があります。
分かる~~~(アゾスピ使い)
《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》、ありがたいんですけど序盤に重なったときは本当に腹立たしいんですよね……。多色化のデメリットといえば飲み込むしかないんですけど。
【白単人間】と動きが大きく変わらないというのは、【白単人間】が好きだった・使っていた方にとっては朗報ですね!
ではさっそく、このデッキの良い所・メリットを教えていただきましょうか。
箇条書きで列挙すると下の通りです。
1. 最多勢力と思っていた【ラクドス果敢】に有利である
2. それ以外にも多数勢力と考えていた【奇怪な具現】や【黒単デーモン】に有利に立ち回ることができる
3. 環境が横並びのデッキに対して意識されていなく、デッキとしてのガードが下がっている
4. アグロデッキであるためメインとサイド後先手で勝って○×○で勝つみたいなことが容易にできると考えていた
5. デッキリスト公開性においてアグロデッキはケアしないといけないところが見えて優位性が高い
6. 様々なぶんまわりパターンがあり、容易に勝つ展開が多い
おお、【ラクドス果敢】と【黒単デーモン】に有利が取れるんですね。
どちらもCCF後の今でも数が多く、意識する必要があるデッキかと思いますが、有利の理由って教えていただけますか?
【ラクドス果敢】は《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が有効です。
また、1マナクリーチャーが人間側のが多く、軽くカードを並べて攻める側になりやすいです。
さらに言うと、【ラクドス果敢】側はあまり【人間デッキ】を分布の問題で意識できないですが、【人間デッキ側】はトップデッキ相手なので(【ラクドス果敢】を)意識したリストになりやすいです。
最後の所はローグデッキ(少数派デッキ)ならではの強みですね。
人間がローグデッキ側に回っているのは寂しさもあるんですが……
【黒単デーモン】については、CCF直後現在のリストだと軽いクリーチャーをあまり採用してなく、尚且つハンデスが多く入っていたりしていて、【人間デッキ】側のクリーチャー連打の動きを咎めにくいです。
サイド後も、全体除去や軽いライフゲインクリーチャーを採用しているわけではないので、その点が改善しないですね。
リストの変化の話をすると、【ラクドス果敢】は構造上《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》がきついので、相性はあまり変わらないと考えています。
ただし《騒音の悪獣/Cacophony Scamp》のようなカードが採用されなおすと話が変わってきます。
【黒単デーモン】は意識するデッキを変えることで【人間デッキ】側がきつくなる可能性があります。
【人間デッキ】がそんなことなさそうですがすごい増加するようだったら全体除去や軽いライフゲイン持ちクリーチャーを採用してくるため、有利不利が変わる可能性はあります。
なので、相性については現時点で意識されていないだろうという点も大きいです。
けれど【人間デッキ】を意識するようなリストになったらデッキパワー落ちるからやらないだろうとか思ってはいます。
逆に、デッキの難しい所・良くない所・デメリットはなんでしょうか。
こちらも箇条書きになりますが。
1. 【セレズニア・カンパニー】【マルドゥ・パルヘリオン】がかなり不利
2. そもそもデッキ強化はそんなされていない
3. 《スレイベンの守護者、サリア》が有効か否かが有利不利に依存しているマッチが多く、引けなかった場合有利をこぼしてしまう
4. 横並びが意識されていないという願望ベースであり意識されていたら破綻する
不利な2デッキはちょうどCCF直近で急激に活躍し始めたデッキですね。
【セレズニア・カンパニー】は地上戦に強いのと妨害が増えたので不利なのはイメージしやすいのですが、コンボ寄りである【マルドゥ・パルヘリオン】は押し切れなくもなさそうに思えます。どのあたりが苦手なんでしょうか?
《逸失への恐怖/Fear of Missing Out》というカードがまずよくないです。
タフネスが3あるため、パワー2の多い人間側が容易に止まるようになります。
それでいてコンボも阻害はしにくいため、そこそこのミッドレンジカードで時間を稼がれてコンボ成立して負けの再現性が高いです。
サイド後でも同様になりやすく、【人間デッキ】側は墓地対策を入れざる得ないですが、【マルドゥ・パルヘリオン】側はコンボを減らしたりして除去ミッドとして立ち回れる可能性が残っているのも厳しいです。
またコンボ到達までに《逸失への恐怖/Fear of Missing Out》のなどのクリーチャーや《ベイルマークの大主/Overlord of the Balemurk》の予兆キャストなどで《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》を無視しながらパーツを揃えに行けるため、コンボ妨害しにくいという点もマイナスです。
たしかに【アブザン・パルヘリオン】だと切削手段が《忌まわしい回収/Grisly Salvage》などのインスタントが中心でしたが、【マルドゥ・パルヘリオン】だと切削手段はほとんどクリーチャーですからね……。
ほかのコンボデッキについては相性はどうなんでしょうか?
CCF当時だと【ラクドス・ツリー/大釜】【アブザン・パルヘリオン】【ロータス・コンボ】が主な所で存在していたと思いますが。
基本的に、【人間デッキ】がライフを削る4ターン目までに決まるコンボはきついです。
そのため、最速3ターン目にコンボ成立して終わらせれる【アブザン・パルヘリオン】は厳しいです。
【ラクドス・ツリー】はそもそもそんないないと思っていたのであまり考えていなかったです。
コンボ成立まで時間かかったりするのでまあ不利ではないと思っています。
【ロータス・コンボ】は《スレイベンの守護者、サリア/Thalia, Guardian of Thraben》が効くのとキルターンが同じくらいのコンボなのでこちらが有利だと思い込んで生きています。
人間側は【ロータス・コンボ】に有効なサイドがとられていないため、サイド次第だとは思います。
【ラクドス果敢】が増えてから【ロータス・コンボ】に全然当たらなくなったので古い知識のまま話していそうですし、その時はサイドから入れられるカードがあったので、現状とかなり違いそうだなとか思っています。
使用したデッキリストについて
では、具体的なデッキリストの話を伺っていこうと思いますが、プロレイジーさんが解説noteを書かれていらっしゃったので、細かいお話はnoteを読んでいただくこととして、自分からはnoteであまり触れられていなかった点についてご質問させていただこうと思います。
早速細かい話になってしまうのですが……《フラッドファームの境界/Floodfarm Verge》は取られてなかったのですね。最低限白が出る土地なので良さそうかな?も思ったのですが、不採用にした理由ってお伺いできますか?
平地カウントが6枚くらいしかなく、また白も青も結構出したいリストであるため、最低限白しか出ない土地をこれ以上採用することができなかったためです。
スタンダードの【グルール果敢】※は赤だけでもある程度戦える点やアンタップイン可能な2色ランドが少ないから採用されてるのであり、アグロデッキで2色出すつもりで採用するのは厳しいのではと考えています。
※グルール果敢……DMU~DSK期スタンダードに存在する、《僧院の速槍/Monastery Swiftspear》《心火の英雄/Heartfire Hero》《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》といった果敢クリーチャーを、《巨怪の怒り/Monstrous Rage》《裏の裏まで/Turn Inside Out》といったパンプアップスペルで強化して攻め込むアグロデッキ。プロレイジーさんが使用してダスクモーン期の「蒼紅杯」で優勝した。
また土地のダメージよりも色が出ないことに起因する敗北を嫌がったというのもあります。
土地のダメージリスクは現環境だと軽視できる組み合わせ(マッチアップ)の方が多いと思っているからです。
【アゾリウス・コントロール】は序盤は白、中盤以降は青青も白白が欲しいデッキのため採用可能なのは理解できます。
そうか……【アゾリウス人間】なら4~5ターン前後でゲームが終わるので、《アダーカー荒原/Adarkar Wastes》《神聖なる泉/Hallowed Fountain》のダメージをある程度無視できるという視点は抜けていました。
《マネドリ/Mockingbird》について
(前略)
1マナカードを連打して早く場を作る場合にも2マナのカードを連打する展開にも貢献するため、人間デッキの強い動きをサポートしやすい性能のカードになっています。
プロレイジーさんnote「【CCFベスト8】青白人間デッキガイド_パイオニアは青白人間の夢を見るのか《MTGパイオニア》」より引用
noteにもありました《マネドリ/Mockingbird》の強い動きをしようと思うと、最低3ターン目には青1つは担保、後半《反射魔道士/Reflector Mage》なども絡めるとなると青2つが必要にはなってきそうですしね。なるほどです。
【サイドカード】
《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》
うまく使えなくて敬遠していたカード。
カード増えないしサイズもすごいわけではないが、テンポずらすだけでいいマッチが複数あることに気が付き採用。
プロレイジーさんnote「【CCFベスト8】青白人間デッキガイド_パイオニアは青白人間の夢を見るのか《MTGパイオニア》」より引用
続いて、noteを拝読して気になったのがこちらの《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》についてのお話です。
たしかに、攻めを続ける【アゾリウス人間】的にはやや方向性の違うカードなので、使いにくさを感じて敬遠されていたお気持ちも分かります。
使い始めてからのブレイクスルー・強さが分かったきっかけなどはありましたか?
このカードの代わりに入っていた3マナのカード……《婚礼の発表/Wedding Announcement》《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy》などが環境的に使いにくくなったため、手札にある除去や脅威をとりあえず宣言するだけの最低限の使い方ですら、《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》の方が価値が高いと思ったからです。
カード自体はもともとうまく使えるならこっちでいいと思っていたので、うまく使えなくても他のカードより点数が上になったため採用しています。
あとはデッキリスト公開性のため、手札にない指定しないといけないカードを指定しやすく、通常時よりかはうまく使いやすいと思ったのもあります。
環境変化で《婚礼の発表/Wedding Announcement》・《傑士の神、レーデイン/Reidane, God of the Worthy》と価値が逆転したというのは面白いですね。
現環境はかなり除去が多いと思いますし、公開性だと手札から得られる情報も多いと思うので、確かに《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》はCCF環境とマッチしたカードだなと思いました。
続いてもサイドのお話になりますが。
CCF前のMOでのアゾリウス人間を見ると、《痛烈な一撃/Knockout Blow》を入れているリストが多かったのですが、採用は検討されましたか? あるいは不採用にした理由が何かあったのでしょうか。
赤いアグロ対策カードとして採用されていたと考えていますし、実際自分はその意図でもともと採用していました。
「ダスクモーン」で《幽霊による庇護/Sheltered by Ghosts》が追加され、そちらの方が赤いアグロ対策として優秀だと考え、《痛烈な一撃/Knockout Blow》は採用しなくなりました。
《幽霊による庇護/Sheltered by Ghosts》の強さについては、noteで詳しく書かれていましたね!
自分も【アゾリウス・スピリット】で使っていますが、オーラ特有の脆さはありつつもライフレースを大きくかき乱して有利を作ってくれるのは本当に頼もしいです。
逆に、今回のリストの反省点についてもお伺いしたいです。
《婚礼の発表/Wedding Announcement》
今回の失敗サイド筆頭。
(中略)白単人間の経験が多くあるから新規デッキとの練習を優先しすぎたあまり、旧デッキのバージョンアップ意識出来ておらず、サイドを正しく組めていなかったという問題です。
この点は今後に生かしていきたいなと思っています。
プロレイジーさんnote「【CCFベスト8】青白人間デッキガイド_パイオニアは青白人間の夢を見るのか《MTGパイオニア》」より引用
noteにて挙げられていたサイドの《婚礼の発表/Wedding Announcement》採用ですが……もし、当日に戻って入れ替えられるとしたら、あるいは今使うとしたら何と変えたいですか?
《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》と《安らかなる眠り/Rest in Peace》の3枚目にしたいです。
おお、《選定された平和の番人/Anointed Peacekeeper》の追加が入るのですね。
それだけ強かったということで……ぜひ、今後使われる方にも触っていただきたいカードですね!
では最後に……このリストのベストカードを教えてください!
《輝かしい聖戦士、エーデリン/Adeline, Resplendent Cathar》です。
やはり【人間デッキ】のエース……!
今回《マネドリ/Mockingbird》でデッキの動きが太くなったことで、さらに最後の詰め役としてのプレッシャーも高まりましたしね!
今回のイベント
では今回のイベントについて伺っていこうと思いますが……こちらについてもプロレイジーさんがnoteで参戦記を書かれておりましたので、そちらを踏まえた内容でご質問させていただければと思います!
これまでもプロレイジーさんは何回かチャンピオンズカップファイナルに参戦されていたかと思いますが、Day2に進出されたのは今回が初めてということで……調整期間や当日のことを振り返ってみて、今回この好成績を残せた理由としてこれまでのファイナルとの違いは何かありましたでしょうか。
チャンピオンズカップファイナルは今回で2回目です。
前回は発見コンボ祭りになり急に環境が変わったこともあり、デッキを急遽乗り換えたりした面がありました。
元々準備や想定していたものが1週間前に大幅に変わってしまい、それでデッキを回す練度が不足していたように思えます。
デッキとしては【ボロス招集】を選択しましたが1-3。
サイドプランなど共有していた方が勝ってはいるのでデッキ自体は悪くなかったはずでした。
今回はいろいろなデッキをためしつつ最終的に(ほぼ情で)慣れているデッキである【人間デッキ】に乗り換えたため、練度面ではあまり不安はありませんでした。
でも配信卓では緊張でミスしてます。
当日は有利なところと不利でも先手取れた時は勝利できるという感じで、【人間デッキ】を選んだ場合のでかいリターンルートに入ることができ、それにより良い結果になったなと思いました。
今回は動きの慣れたアーキタイプで、しっかりと勝利を積み重ねることが出来たわけですね。
また、前回と今回でデッキリスト公開性に対する価値観の変化がありました。
ほうほう。詳しくお伺いしたいです。
前回参加時は、アグロデッキはマリガンでカードを探されるマイナス面が大きいと考えていました。
今回というか、直近のスタンのデッキリスト公開性イベントである「蒼紅杯」で【グルール果敢】で優勝した際に、デッキリスト公開性におけるアグロの立ち回りについて理解度が高まったと思いました。
・対戦相手のリストからケアするカードがわかり、土地状況や手札状況でこちらがマウントをとりやすい
・序盤の動きが弱いデッキが厳しく、マリガンして土地事故などを結果的に誘発しやすくなり、結果的に容易に勝つ展開がいくつか発生しうる
・不利マッチの場合に、こちらがリスクもリターンもあるハンドをキープして上振れを狙うことで、リスト非公開のイベントよりも勝率が改善しやすい
この考えは【グルール果敢】でなくても生かせると思い、特に2,3は実際にCCFでも発生していました。
このブレイクスルーは非常に大きいですね……!
正直なところ、リスト公開性大会に参加する機会は、非プロプレイヤーだとテーブルトップ・デジタルともに少ないと思っていて。ノウハウも分かりやすい形で広められているかというとおそらくノーですし。
それを、ご自身の体験としてCCF前に経験を積むことが出来たのは本当に良かったですね!
noteでも何度か不利対面を取れたマッチがあったと書かれていましたが、ベストバウトを1つ挙げるとしたらどのマッチでしょうか。
初めて配信卓で勝てた予選ラウンド11回戦です。
1戦目の先手、《不屈の護衛/Dauntless Bodyguard》《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》《輝かしい聖戦士、エーデリン/Adeline, Resplendent Cathar》土地4でキープして、返しに《思考囲い/Thoughtseize》で《サリアの副官/Thalia’s Lieutenant》を落とされて次の動きが無いなと思ったら、トップで《ミナ・ハーカー/Mina Harker》を引いてこれは勝つ流れだなとか正直思ってしまいました。
テンポよくカードを先手でプレイしたらほとんどのデッキに勝てるこのデッキのいい部分がでており、人間を選んでよかったなと思える勝利でした。
窮地でデッキが応えてくれた、応えてくれたら勝てるデッキと信じてプロレイジーさんが選択したからこその勝利ですね!
大会の中での「その日の勢い」というのはやはりあるなあと自分も思うのですが、「勢い」をきちんと活かしてあげられるか、そもそも「勢い」をその環境下で活かせるデッキなのかというのは大事だなと思っています。
強く動ける日だったとしても、環境的に頭打ちになってしまうデッキだったら勝ちきれないわけですからね。
次の舞台に向けて、こういう取り組みを新しくやろう・やっていたことを続けていこう/改善していこうというプランは何かあったりしますか?
新しくやりたいこととしては、現状計画中ですがプロツアー出場者に声かけたりして情報共有できる空間を作りたいです。
また、テーブルトップのドラフト会などに積極的に顔を出し、プロツアーに対応できるようにしたいです。
プロツアーのほかの参加者がどうなるかやメタゲーム推測のため、プロツアー参加者の権利獲得デッキ一覧を作成するのはすでに取り組みはじめてはいます。
プロレイジーさんは普段から大型大会・競技大会の結果をまとめて発信されていて、自分もとても助かっています。
ぜひ、その情報収集・発信能力を活かして、プロツアーに向けた良い空間・コミュニティを作っていただきたいです!
現在エリア予選やプレミアム予選の結果まとめ及び、それを整理したスプレッドシートの作成をしています。それについては継続して行うつもりです。
最後に~人間デッキ使いへのエールと今後について~
では最後に。
今回のプロレイジーさんの結果を受けて、アゾリウス人間を使ってみようと思う方もいらっしゃるのではと思います。プロレイジーさんから、そんな方々へのアドバイスやエールをお願いします!
人間デッキはいろんな状況に対応したり構え続けて勝つなどの柔軟な動きはしにくいですが、
その分テンポよく動いて容易にかつことが多いです。
回そうと考えている人は、まず細かいケアなど考えずに最速で押し切るにはどうするのかを考え、最速で勝つにはどうすべきかを意識して回してみてほしいです。
不利マッチには相手の事故or自分が最高の動きをすることを祈りましょう。
最善を尽くして祈る場面が多いデッキだと割り切った方が気が楽になると思います。
最善を尽くして祈る……これまで競技イベントでアグロデッキを多く使ってきたプロレイジーさんから聞くと重みがありますね。
人間デッキ、しばらく最前線からは姿を消してしまっていましたが、今回のプロレイジーさんのご活躍を期にまた姿を見るようになってほしいものです!
最後に、プロツアーにむけての意気込みをお願いします!
プロツアー自体が初めてなのでなるべく楽しめるようがんばります。
ドラフトは自身ないので運よく2日目行けたらなくらいの気持ちです。
ぜひ、ご活動の幅を広げながら構築はもちろんドラフトの腕も磨いていっていただきたいです!
プロツアー、頑張って下さい!
おわりに
直近のご活躍の目覚ましいプロレイジーさん。
デッキを選んだのは「情」とおっしゃっておられましたが、デッキの強みや大会の特性についてしっかりと「理」で分析されており、それをこれまでの人間デッキやアグロデッキの「経験」に載せることが出来たからこそ、今回の結果に結びついたのかなと感じました。
今後も情報収集・発信を積み重ねていくことでプロレイジーさんの「理」と「経験」が磨かれ、次なる大舞台での結果に結びつくことを願っています。
改めてプロレイジーさん、ありがとうございました!
次回予告と宣伝
第2回となりました「巧者に訊く」CCF特集、いかがでしたでしょうか?
そして!CCF特集はまだまだ続きます! 優勝の小笠原智明さんを含む4名の方のインタビューを現在準備中です!
ぜひ、当サイトをブックマークの上、お待ちいただけますと幸いです!
「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!
また掲載報告をはじめ、X/TwitterとYoutube投稿にてパイオニアに関する活動の発信をしておりますので、ぜひフォロー・チャンネル登録をお願いします! 大変励みになります。
Youtube chメンバーシップ・欲しいものリストも公開しておりますので、ご支援いただける方はよろしくお願いいたします…!
それでは、また!