眞白井エイドです。
普段は、YoutubeでMtGパイオニアに関する配信や、Twitterでパイオニア週刊紙「週刊ふんわりパイオニア便り」を発行しています。
さて、この記事企画「巧者に訊く」は、パイオニア競技イベント/大型イベントで結果を残されたプレイヤーさん=【巧者】に、デッキやプレイ、あるいはバックグラウンドに関するお話を訊いてみよう!というインタビュー企画です。
今回は、2024年10月12日・13日に開催された「チャンピオンズカップファイナル シーズン3ラウンド1(以下、CCF3-1)」でトップ8に入賞された小原壮一朗さんことこまさんにお話を伺いました。
デジタル中心に活動されているプレイヤーさんであり、過去にはデジタルMtGの頂点の1つ・「MOCS」で4位に入賞された実力も持つこまさん。
そんな実力者が【ラクドス果敢】を握り、プロツアーへの道を手に入れられたのは一体なぜか?
【ラクドス果敢】をより強く使いこなすコツとは?
そしてデジタルMtGプレイヤーがテーブルトップの場に挑戦する理由とは?
それでは、インタビュー本編をどうぞ!
自己紹介
では、自己紹介からお願いします!
こまと申します。もしかしたら、komattamanと言ったほうが伝わるかもしれません。
MTGはアリーナのオープンベータ(「ラヴニカのギルド」(2018年10月))から始めてちょうど6年になります。
普段はTwitchでMO配信をしたり、MSDというコミュニティで遊んだりしています。
そう、MOの結果を調べられている方なら、定期的にお名前を見かけたことがあるであろう、あのkomattamanさんです!
替わってご活動を説明させていただきますと、MOでフォーマット問わず様々な競技イベントに挑戦されており、2022年にはMOの頂点を競う限られたプレイヤーのみでのトーナメント・「MOCS」で4位に入られたこともある、すごいお方です。
※MOCSについての解説は過去のsetolineさん回に詳しいですよ!
では、ずばり今回出された成績をお願いします!
CCF3-1でトップ8に残りました!
スイスラウンドも9-1-2で3位通過と非常に良い成績を残されていましたね!
さすがです。
使用されたデッキについて
では、今回使用されたデッキと、デッキをあまり知らない方向けの簡単な説明をお願いします。
【ラクドス果敢】を使用しました。
パンプスぺルと投げ飛ばしのコンボを内蔵したアグロデッキです。
パンプスペルで強化したクリーチャーを《無感情の売剣/Callous Sell-Sword》の出来事面・《合同火葬/Burn Together》で投げ飛ばすあのデッキですね。
《心火の英雄/Heartfire Hero》が絡めば3キルも出来てしまう恐ろしいデッキです…。
デッキ自体はどれくらいの期間使われていますか?
1か月ぐらいですね。
MOですごい勝ってるのを見て便乗して使い始めました。
たしかに勢いがすごかったですもんね…!
記事公開時点ではやや【黒単デーモン】系に押されてしまっていますが、当時はChallengeのTop16内の支配率が13~15%を推移していたり、9月下旬には4日連続優勝をしていたりと絶好調でした。
特に9/24の禁止改訂で【アブザン探検コンボ】が環境から消えたのは大きな追い風だったのではと思います。
ちなみに普段から、競技デッキの選択肢としてアグロを選ばれることは多かったのでしょうか?
コントロールデッキ以外はわりと何でも回すんですが、紙での大会となるとアグロデッキを選ぶことが多いです。
前回参加したCCF2-3では【バント・ポイズン※】を選びました。
紙の大会が不慣れでなるべく引き分けにくいデッキ選択をしたいというのもあります。
※バント・ポイズン…2024年上旬のスタンダードで流行していた、「毒性」持ちクリーチャーでのコンバットと《敬慕される腐敗僧/Venerated Rotpriest》によるコンボで、毒カウンターでの特殊敗北を狙うアグロ・デッキ。2024年5月に開催された「チャンピオンズカップファイナル シーズン2ラウンド3」では、独自型のバント・ポイズンで行弘賢選手がプロツアー権利を獲得している。
たしかに、長いトーナメントですと引き分けは大きなデメリットですからね…。
では、今回使用されたデッキ・【ラクドス果敢】の良い所・メリットを教えてください!
アグロデッキらしくブン周りがつよいことですね。
先手であれば【セレズニア・カンパニー】以外のすべてのデッキに有利だと思います。
それでいて、ある程度長いレンジも戦える太さも兼ね備えています。
目指せ3キル!……と思いきや、ドローのついているパンプアップスペルが多く入っているのと、《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》が定着すれば、「雄姿」による疑似ドローで長く戦えるのがすごいデッキですよね。
逆に、今回使用されたデッキの難しい所・良くない所・デメリットってなんでしょうか?
(先手有利はありますが)有利なマッチ自体はすごく少ないです。
黒系のミッドレンジや【アゾリウス・コントロール】にも少し不利ですし、【セレズニア・カンパニー】や【イゼット・フェニックス】がかなり辛いです。
【ロータス・コンボ】や【奇怪な具現】には(マッチ通して)有利ですが、(大会中の使用)割合としてはどちらも多くないので。
当時はサイドからかなり意識されていましたし、急に【セレズニア・カンパニー】や【イゼット・フェニックス】が息を吹き返してきたりもしていて、見返すと辛いメタゲームでしたね…。
ですが、【ロータス・コントロール】や【ラクドス・ミッドレンジ】など不利マッチをしっかり取りながら、スイスラウンド9-1-2を収められたのは素晴らしいの一言です!
あと、デッキの難しいところとしては、どれくらいリスクのある仕掛けをするかの判断ですね。
明確な答えというのが無くて……あくまでバランスの問題なので、未だに手探りでやっています。
「リスクのある仕掛け」…というのは、パンプスペルの使い方…みたいなイメージで合ってますでしょうか?
パンプスペルの使い方に関してはリスクを最小限にする作法みたいのがあって、その通りにプレイするだけなんですが、実際にはこれ以上我慢してもよくなる見込みが薄いからもう飛び込むしかないという瞬間が度々訪れるんですよね。
そういったときにもう少しだけ我慢するのか、相手に何もないことを祈ってオールインするのかの判断が本当に難しいです。
「ケアしても勝てないなら突っ込むしかない」と「ケアして安全に勝つ」のせめぎ合いですね…。
そして、いまお話に出てきた「作法」について、もう少し詳しく伺えますか?
ちょっとカッコつけて言いましたが、ゲームプランでなるべくリスクなく(パンプアップスペルを)打てる状況を作ることを意識しています。
まずはゲームの序盤、相手が構えてきているならクリーチャーの展開を優先します。
相手としてもクリーチャーを連打されるとテンポ差がつきすぎるため、除去を打たざるをえなくなっていきます。
《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》の計画などで、相手のマナを無駄にできるとなおよいです。
そうするとこちらも手札にクリーチャーが無くなり、そのうちスペルだらけになるでしょう。
そういう時は、一番弱いクリーチャーに打って仕掛けていきます。
よく《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》の裏面・《熊野の食刻/Etching of Kumano》にパンプスペルを打って、相手にどのクリーチャーを除去るか選択を迫ったりします。
あとは《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》に打っていくのも有効です。カードアドバンテージを取られずに相手の除去を吐き出させることができます。
まとめると、
クリーチャーを連打する!
除去を吐き出させる!
最後に適切にジャイグロを打ってライフを詰め切る!といった感じです。
実際には、序盤から猛攻を仕掛けられれば相手もフルタップで動かざるを得ない状況になります。
とにかく安全にジャイグロを打てる状況を作るために、相手からアクションをせざるを得ない状況を作ることが大切です。
猛攻も分割しての攻めも、相手の選択肢を絞る観点では確かに同じですね。詰将棋的というか。
……そう考えると、リスト公開性大会※ですと相手の選択肢がある程度見えるので、よりやりやすくなるシーンもありそうですね!
※リスト公開性大会…CCFはルール適用度「プロ」のため、お互いにリストを事前公開した状態でプレーする。
これまでの自分のイメージだと、【ラクドス果敢】って一気にリソースを吐いて詰め切るデッキかなと思っていたので、全然見る目が変わりました。
大体その認識であってはいるんですが、ただ、それを行うために相手によってはある程度準備がいるって感じです。
……ちなみに、これまで回していて一番楽しかったシーンって何でしょうか!
ぴったしリーサルが決まった時はいつも気持ちいいですね。
本当に1点が勝負を分けるデッキなので。
今回もTOP8がかかった試合で、おおむねこのターン中に勝たないと負けるという状況になったんですけど、ぴったし勝利が決まって本当に気持ちよかったです!
相手を翻弄した末に詰め切れたときの爽快感……いやー、絶対に気持ちいやつですね!
使用したデッキリストについて
では、具体的なデッキリストの話を伺っていこうと思います。
一般的なリストと比較した際の、今回使用されたリストの特徴や工夫した点をお教えいただけますか?
まずはパンプアップスペルの枠として《裏の裏まで/Turn Inside Out》を採用しました。
この枠は最近だと《タイタンの力/Titan’s Strength》、《立腹/Infuriate》との選択なのですが……《立腹/Infuriate》は【イゼット・フェニックス】の火力除去の除けとして使える一方で、黒系のデッキには弱いという弱点があります。
相手のブロッカーが《止められぬ斬鬼/Unstoppable Slasher》や《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》なので、タフネスが上がることに全然メリットがないんですよね。
《裏の裏まで/Turn Inside Out》だと、それらと相打ちしたうえでクロックを残せるのがとても優秀です。
日本のメタゲームだと黒系ミッドレンジが人気で、【イゼット・フェニックス】はあまりいないというのがこれまでの傾向としてあるので、《裏の裏まで/Turn Inside Out》を採用しました。
もう1つの《タイタンの力/Titan’s Strength》は適当打ちした時に強いんですが、僕のプレイスタイル的にそんなに適当打ちをしないのであまり評価はしていないです。
たしかに先ほどのお話ですと、相手を動かすことを意識しながらきちんと計算したタイミングでパンプアップスペルを使われていたということでしたからね。
そういう使い方ですと、《タイタンの力/Titan’s Strength》の強みの1つである占術もやや使いにくそうですし、《裏の裏まで/Turn Inside Out》だと出てきたクロックに細かくパンプアップスペルを使うこともできるようになるので、《裏の裏まで/Turn Inside Out》の方がプレイスタイルに合っているというお話は納得です。
あとは《立身+出世/Claim+Fame》の不採用ですね。
黒系ミッドレンジや【イゼット・フェニックス】などには強いんですが、ミラーや追放除去の多いコントロールなどに対しては、手札で浮いて負けることも多いカードでした。
この枠は対象を取ることができつつ、「新生」能力でロングゲームにも強い、《多様な鼠/Manifold Mouse》に変更しました。
3枚採用のリストとかも出て来てて一回試したんですが、複数枚引いた時が弱すぎたので1~2枚がおすすめです。
メイン《ポータブル・ホール/Portable Hole》採用の【アゾリウス・コントロール】や【奇怪な具現】なんかも当時出てきていましたしね……。
あとは、サイドの《焼炉の手綱/Furnace Reins》は苦手な【異形化】や【黒単デーモン】系用に取りました。
昔の【ラクドス・サクリファイス】で使われていた印象が深いサイドカードですね。
あまり最近は使われていない印象があったので、リストを拝見した際に驚いた記憶があります。
【異形化】も【黒単デーモン】もあまりクリーチャーの数が出るデッキではないので、たしかにかなり効果的に働きそうなカードですね!
では、実際プレイしてみてのリストの感触はどうでしたか?
概ねよかったと思います。
ただ、《チャンドラの敗北/Chandra’s Defeat》だけは《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》に変えるべきでした。
【マルドゥ・パルヘリオン】にも入れられますし、一応【セレズニア・カンパニー】にも入れられるカードになるので。
《チャンドラの敗北/Chandra’s Defeat》は、前に別の方のリストを見たときにも最近は《レッドキャップの乱闘/Redcap Melee》じゃないのか~と考えたりしていたので、赤くないクリーチャーに除去を撃ちたい場面が思いのほか多かったというお話は納得感があります。
あと、黒系ミッドレンジへのサイド後はおおむね《ウラブラスクの溶鉱炉/Urabrask’s Forge》を入れることになるのですが、《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》だけが本当にネックでした。
ただでさえ相手のクロックも早いのに、トークンが勝手に出て生け贄に捧げられるため、毎ターン2点入ってしまいます。
一応《致命的な一押し/Fatal Push》4枚+《大群への給餌/Feed the Swarm》+《焼炉の手綱/Furnace Reins》で計6枚除去を取ることによって対策プランにすることにしましたが、もっといいプランを準備できるならしたかったです。
まさかの罠が…(笑)
《ドロスの魔神/Archfiend of the Dross》はいまこそ【黒単デーモン】からは減りつつありますが、やはりこのデッキだと大きな壁ではありますよね…
では最後に、デッキのベストカードがあれば教えてください!
《熊野と渇苛斬の対峙/Kumano Faces Kakkazan》です!
本当にこのカードはすごい!
おお、《熾火心の挑戦者/Emberheart Challenger》あたりかな?と思っていたので、ちょっと意外でした。
具体的にどこがすごい!なんでしょうか?
ただただマナレシオ※が良いですね。
このデッキはパンプアップスペルからの《合同火葬/Burn Together》の動きにフォーカスされがちですけど、とにかくクリーチャーだけでいかにライフを削るかが大事なので。
1ターン目には毎回プレイしたいです。
※マナレシオ…カードの性能に対するマナ効率の良さを軸とするカードの評価方法。良い=少ないマナ数でより大きな効果を出せるという意味。
打点だけなら1点(1章誘発)+1点(2章カウンター分)+2点で4点相当ですもんねー……。
裏面《熊野の食刻/Etching of Kumano》も2/2速攻生物として強力ですよね。
これまで自分が【ラクドス果敢】を相手取っているときに、除去は他に取っておきたいけど《熊野の食刻/Etching of Kumano》の打点も重くて除去を撃たざるを得ない!というシーンは多々ありました。
……改めて書き出すと、とんでもないカードです。
今回のイベント
では今回のイベント……チャンピオンズカップファイナル・シーズン3サイクル1ですが、率直な感想はどうでしたか?
CCFにはこれまで3回出て毎回初日落ちしていたので、まさかTOP8に入れるとは思っておらずびっくりしています。
念願の上位入賞、そしてプロツアー権利獲得だったわけですね…!
ちなみに、今回のイベントでのベストバウトは何だったでしょうか?
ラウンド10のバブルマッチで勝って、TOP8を決めた【アタルカ・ゴブリン】戦ですね。
お互いに先手番を取り合って、3ゲーム目に除去をうまくケアりつつ、4キルして勝つことができました。
自分でもいいプレイができたと思います。
【アタルカ・ゴブリン】側もタイムリミットを突き付けてくる側のアグロデッキだと思うので、バブルマッチというとても緊張するであろう場で、キチンとケアをしながら詰め切れたのは本当にすごいです…!
逆に、今回のイベントでの反省点や、次の舞台までに改善したい点ってありますか?
いつものことなんですが、前日に寝れなくて睡眠不足で参加してしまうことです。
今回はいつもよりは寝れたんですが、それでも最後のほうは眠かったです……。
移動や調整でのお疲れもありますしねー……。
毎回ながら、お疲れもある中で最高のプレイを求められる競技の長丁場を戦い抜かれる皆さんには尊敬の念がすごいです。
深めのより道~デジタルとテーブルトップ、1人と仲間とについて~
せっかくなので伺いたいのですが……
こまさんといえばMOCSやMTGAイベントを始め、これまでデジタルMtGを中心に活動されていた印象が個人的にあるのですが、これまでも含めて、デジタルとテーブルトップイベントの違いって感じることはありましたでしょうか?
普段はMOの大会に出ているのですが、毎週200人から400人規模の大会に出ていたとしても、勝つときって数か月に一回とかしかないんです。
だから大会に臨むときって、良くも悪くも結構フラットな気持ちというか、負けてもそんなに気にしないんですよね。
でも紙のイベントは基本的にチャンピオンズカップファイナルしか出ないので、数か月に一回だけの機会で交通費と宿泊費とカード代を払って出るとなると、嫌でも気負ってしまうようなところがあります。
どうしてもかかるコストの差、あるいは両方のコストの話は、オンラインと紙二足のわらじをしているとついて周りますよね……。
ただ、それでもこまさんはデジタルに留まらずにテーブルトップの競技シーンにも挑まれ続けているわけですが、そのモチベーションや挑む理由になるものは何でしょうか。
やっぱり一度はプロツアーに出てみたいというのが一番ですね。
あとはこういう大会で勝つと、注目してもらえるというのも大きいです。
この記事がこまさんに注目が集まる一助になっていたら嬉しいです!(笑)
そして、今回ようやく目標だったプロツアーに出られるわけですね……!
ぜひ、そちらでも良い成績を残していただきたいです!
少し話をもどして。
テーブルトップのMtGに触れるようになって、ここが良い・好き、ここが苦手・悪いと思う所ってそれぞれありますか?
いつも誘発管理が一番大変です。
このデッキだと打点の計算とかもかなり大変でした。口に出して計算するわけにもいかないですから……。
あとは相棒の公開ですね。1日目の初戦とトップ8の1ゲーム目で公開を忘れてしまいました。
そういう手間があっても、いろんな人と対面で交流できるのはやっぱり楽しいです。
今回勝った後、「おめでとう!」っていろんな人に言ってもらえたのはうれしかったです!
自分もMTGA出身のPWですが、未だに苦手意識ありますね、誘発……。
スタックへの積み順で結果が変わることもありますし。分かります分かります。
ただ、やっぱり対面で交流する・祝ってもらえるのは一番テーブルトップの良い所ですよね!
「交流」というワードも出てきたので、普段のご活動についてもお伺いしたいのですが……。
おひとりでのMO・MTGA配信がご活動の中心かと思うのですが、デジタルイベントに参加される際は、お一人で調整されているのですか?
それとも冒頭に出てきました、MSDの皆さんなどとご相談する事も多いのでしょうか。
オンラインの大会に出るときは基本一人で調整しています。
MSDだと好きにデッキを回したのをディスコードにあげたりして、興味のある人とか同じデッキ回してる人に意見をもらったりしています。
そうなるとMSDの皆さんからご意見はもらいつつも、普段はお一人でのご活動なのですね。
そうなると、お一人でのご活動の中で、モチベーションや挑戦し続ける気持ちを保つために意識されていることってあったりしますでしょうか?
こまさんのご活動を拝見していると、本当にコンスタントに大型イベントに挑戦されていて……。
前のご質問の中で、大型イベント自体に気負う事はあまりないとはお話されていましたが、連続して挑戦されているとなると、どうしても積み上がるであろうマイナスな体験への向き合い方が気になりました。
一番大事にしていることはモチベーションがないなと感じたら、きっぱりやらないようにすることです。
1か月から2か月ぐらいずっと入れ込んでやっているとどうしても燃え尽きてしまうときが来るので、そういう時は無理にやろうとするのではなく、一旦離れてやりたくなる時を待つようにしています。
あとはそもそもそういう状況が来ないように、ある程度プレイ量を抑えるようにしています。
細く長く続けるのが理想ですね。
大会に関しては、ひとつの大会の結果を気にせず中長期的な目標を持つようにしています。
例えば、1年に1回はCCFの権利をMOで取ろうみたいな感じですね。
1か月ぐらい負け続けるみたいなこともあるゲームなので、これぐらいの気の持ちようが大事だと思います。
あのご活動内容でプレイ量を抑えられていたとは……!(笑)
MOは毎日のようにポイントの掛かったイベントが開催されていて、挑戦回数もテーブルトップの比ではないかと思います。
1つの勝ち負けに振り回されずに中長期的な目標を持つ大切さは、テーブルトップ以上にありそうですね。
お話を伺って、こまさんはプロツアーに出たいという大目標への熱意は持ち続けながらも、冷静に自分の状況を俯瞰して、良い距離感で競技MtGとお付き合いをされているんだな、と思いました。
正直、自分は勝ち負けに振り回されがちなタイプだという自覚があるので……こまさんのように上手く距離感を保ちながら高みを目指していきたいところです。
今度は普段のご活動との対比で、今回のCCFに向けた調整についてお伺いしたいのですが、特別なチーム調整や相談などはされましたか?
ダスクモーンが出た直後は赤力戦型の【ラクドス果敢】を試していて、色々(MSDのメンバーから)意見をもらったりして、最終的に不要という結論になって、普通の形の【ラクドス果敢】を使いました。
あとはサイドボードとかの細かいカードの採択だったりも相談したりしました。
MSDの皆さんからのアドバイスで、一番役に立ったなというものはありましたか?
《ウラブラスクの溶鉱炉/Urabrask’s Forge》を4枚とったことですね。
この枠は《敵対するもの、オブ・ニクシリス/Ob Nixilis, the Adversary》と散らしてるリストも多いんですが、《ウラブラスクの溶鉱炉/Urabrask’s Forge》のほうが入れられる相手が多いと市川さんにプッシュされたのでこちらだけに絞りました。
自分に無い視点を取り入れられるのは、同じ方向性で戦っているお仲間がいる良い所ですね!
ぜひ今後も、MSDの皆さんからのお力、そしてこまさん自身のお力と共に頑張っていただきたいです!
最後に~ラクドス果敢使いへのエールと今後について~
では、最後のご質問パートになります。
今回のこまさんの結果を受けて、【ラクドス果敢】を使ってみよう・使い続けてみようと思う方もいらっしゃるのではと思います。
こまさんから、そんな方々へのアドバイスやエールをお願いします!
まずは、相手とのやり取りで少しずつ得をするのを意識しましょう。
相手が構えてくるのであれば《精鋭射手団の目立ちたがり/Slickshot Show-Off》の計画をしたり、《裏の裏まで/Turn Inside Out》を構えてみたり……時には《無感情の売剣/Callous Sell-Sword》を素出しすることもあるでしょう。
それと、リーサルの計算はしっかりしましょう。
慣れてくれば、次のターンにリーサルの可能性があるかどうかを考えながらプレイできればベストです!
ありがとうございます!
そして、こまさんの今回のプロツアー初出場は、デジタルMtGをやられている方にとっても大きなモチベーションになるのではないかと思います。
デジタルMtGから競技に挑戦されている方・挑戦したいと思っている方へのアドバイスやエールをお願いします!
いつも思うことですが、チャンピオンズカップファイナルに出ている方は皆さん親切ですし、ジャッジの方も多く、安心してプレイできます。
オンラインからのプロツアー出場はないわけではないですが、本当に狭き門ですので興味のある方はぜひ挑戦してみてほしいです。
こまさんに続く名MOプレイヤーさんが出てきてほしいですね…!
では最後に、次の舞台にむけての意気込みをお願いします!
プロツアーは来年2月と先なので、しばらくは来年1月のMOCS出場に向けてMOを頑張ります!
配信もしているのでぜひ来てください!
デジタルとテーブルトップ……2つの大舞台に向けて、頑張ってください!
おわりに
MO結果でたびたびお名前は拝見しながらも、直接お話を伺う機会がなかったkomattamanさんことこまさん。
お話を伺う中で一貫して感じていたのが、様々なフォーマットでデジタルMtGの最前線を戦い続ける中で養われたであろう冷静さとストイックさ、そして競技MtGへの静かながらも確かな熱意でした。
1ヶ月という決して長くはない期間で、禁止改訂という激変もありながらプレイとリストを磨き、包囲網を敷かれていた【ラクドス果敢】でTop8まで走り抜くことが出来たのは、間違いなくこれまでのたゆまぬ挑戦の積み重ねがあってのものかと思います。
そして、プロツアーの前にもう1つの大舞台・MOCSを目指されるのも、そのストイックさと熱意の表れなのでしょう。
日本人デジタルMtG競技プレイヤーの雄として、今後もデジタル、そしてテーブルトップの戦場を駆け続けていただきたいです!
そして、MOCS挑戦への道筋も糧に、念願のプロツアーでもご活躍を期待しております!
改めてこまさん、ありがとうございました!
次回予告と宣伝
「巧者に訊く」は、不定期企画として今後も続きます!
そして!!!
なんと!!! 今回でCCF3-1特集は終わりではありません!!!
優勝の小笠原智明さんを含む5名の方にインタビューをご快諾いただき、現在鋭意準備中です!
ぜひ、当サイトをブックマークの上、お待ちいただけますと幸いです!
「この方の話を聞きたい!」「このデッキの話を聞きたい!」などありましたら、#巧者に訊く や引用RT、お問い合わせフォームからお教えいただけますと非常に参考になります!
また掲載報告をはじめ、X/TwitterとYoutube投稿にてパイオニアに関する活動の発信をしておりますので、ぜひフォロー・チャンネル登録をお願いします! 大変励みになります。
Youtube chメンバーシップ・欲しいものリストも公開しておりますので、ご支援いただける方はよろしくお願いいたします…!
それでは、また!